ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

こころとサイエンスコミュの人間の記憶装置は、とてもいいかげん(心理学)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
人間の記憶装置は、とてもいいかげん(心理学)

私たちの記憶は、ずいぶんいいかげんである。コンピューターなどとは違って、事実を正しく記憶していくわけではないからだ。

私たちは、事実に対して自分勝手な歪曲、曲解、誤解、などの意味づけを行なうものである。

歴史を正しく記録するのがとても難しいのは、そもそも人間の記憶など、非常にいいかげんだからだろう。韓国と日本の歴史認識の違いが、時として問題視されることもあるが、私たちの記憶がいいかげんなものである以上、どちらが正しいのか決めかねるのも仕方がないと言える。

質問の仕方によっても、私たちの記憶は影響を受けてしまう。

実際にはそんなことがまったく起こらなかった場合でも、誘導質問をされたりすると、「そう言われれば、そんなこともあったかな?」という具合に記憶は歪んでいくのだ。

テネシー州メンフィスにあるクリスチャン・ブラザーズ大学の心理学者ブライアン・バーノン博士は、誘導質問によって、どれくらい記憶が変容するのかを実験的に検証している。

バーノン博士は、30名の大学生に短い5分間のビデオを見せてみた。そのビデオには、クレイアニメ「ウォルスとグルミット」の日常場面が描写されていたのだが、ビデオの再生が終了したところで、バーノン博士は次のように質問したのである。

「ウォレスは、グルミットが出かけようとするとき、なんと言いましたか?」

本当の所、ウォレスは何も言わなかったのだが、あたかも何かの発言をしたかのように質問してみたのだ。

するとどうだろう、なんと正しく思い出せた人は、30人中わずか7名(23%)しかおらず、残りの23名(77%)は「『少し待って』と言ったかな」「『行くな』と言ったんじゃないか」などと、自分勝手な記憶を作り上げていたのだ。

この実験では、ビデオ再生は、わずか5分間だった。たった5分間の内容を記憶するだけでよかったのである。

しかも、内容の確認作業は、ビデオの再生が終ってすぐに行なわれた。にもかかわらず、77%もの学生が正しく答えられなかったのである。

私たちの記憶が、どれほどいいかげんなもんであるかが、この実験でわかろうというものだ。

「あの件、どうなった?」
「えっ、そんな話聞いてませんよ」
「いいや、俺はたしかに言ったよ」
「いや、ホント聞いてません」

こういった醜い言い争いが起きてしまうのは、私たちの記憶がいいかげんだからである。

どちらも自分の記憶の正しさに自信を持っているが、そもそも人間の記憶など、信頼に足るものではないわけだ。私たちは、自分のいい分に絶対の自信をもっているが、言い争いが起こった場合の記憶など、どちらも信用できないと心理学者なら考えるだろう。

物的証拠がなく、目撃証言にしか頼らざる得ない裁判が長引いてしまうのも、目撃証言の信憑性が薄く、決め手に欠けるからだろう。

世のお父さんが、子どもに対してよく聞かせる、「お父さんは昔、とっても頭がよかったんだよ」という発言も、お母さんが言うところの「お母さんは昔、とってもキレイでモテたのよ」とい発言も、どちらも、インチキな記憶(?)に基ずくものである。

わずか5分間のことすら正しく思い出せない人間が、何十年も前のことを、正しく覚えているわけがないのだから。

(Vernon,B.& Nelson,E.2000 Exposure to suggestion and creation of false auditory memories. Psychological Reports,86,344-346 )
(「人生相談は「不幸な人」にしよう 心理学に学ぶ意外な日常の法則」内藤誼人著)

コメント(1)

おはようございます。

なるほど・・・これからは、しっかり「記録」する習慣を身につけようと思います電球

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

こころとサイエンス 更新情報

こころとサイエンスのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング