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高齢者情報資料室コミュの2008年重大ニュース(2)「09年度介護報酬、3%のプラス改定」

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介護従事者の定着につながるのか−2008年重大ニュース(2)「09年度介護報酬、3%のプラス改定」

2008/12/27 14:00   キャリアブレイン


 政府が示した新たな経済対策「生活対策」には、介護従事者の処遇改善のために来年度からの介護報酬3%引き上げ、賃金の月額2万円アップが明記されていた。これに対し、厚生労働省の社会保障審議会・介護給付費分科会(座長=大森彌・東大名誉教授)の委員は、「唐突に政治で決まった」「3%では足りない」などと一斉に反発した。介護現場では「本当に給料が2万円上がるのか」という期待が膨らむ中、厚労省は一律アップではないことの説明に追われる。今回の改定が果たして、介護職員の待遇改善と定着につながるのか−。

 10月30日、麻生太郎首相は、新たな経済対策に関する政府・与党会議と、経済対策閣僚会議の合同会議を開催し、生活の場における安心の確保を目的とした「生活対策」を決定した。
生活対策では、介護従事者の処遇改善のため、来年度に介護報酬を3%引き上げる方針を示し、「月2万円アップ・介護人材を10万人確保」も明記している。一方で、報酬の引き上げに伴う介護保険料の急激な上昇を抑制する方針も示された。

 これを受け、11月14日の介護給付費分科会で、大森座長は冒頭、事務局に「この分科会は介護報酬改定についてどういった立場で議論する場なのか」と説明を求めた。
 これに対し事務局は、介護報酬の改定率は、政府が予算編成の過程で財政事情を考慮しながら決定してきたと説明。「分科会は政府で決定した改定率の範囲の中で、サービスごとの介護報酬の単位数などについて政府からの諮問を受けて答申を行うもの」と答えた。

 また席上、日本医師会が全国老人保健施設協会と日本慢性期医療協会との連名で、「次期介護報酬改定率ならびに本分科会のあり方等に関する緊急要望」を提出。
 要望書は、3%の引き上げについて一定の評価をしながらも、過去2回のマイナス改定と社会保障費の自然増分2200億円の削減について議論せずに示された3%の引き上げは、決定の根拠が乏しく、「焼け石に水」の感が否めないとしていた。
 三上裕司委員(日医常任理事)は、「介護報酬改定はこの分科会で議論が取りまとめられると理解していたが、全く別次元から介護報酬改定率が公然と発表され、既定事実のように報道されることに強い失望を感じる」と訴えた。

 介護報酬は2003年度の改定で平均マイナス2.3ポイント、06年度にはマイナス2.4ポイントの改定が行われた。
 ほかの介護や医療関連団体もプラス改定は評価するものの、「3%ではとても足りない」との声明を発表している。
 日医が示した意見書では、看護・介護職員(常勤換算)の1人当たり給与について、公務員(地方公共団体)と民間事業所職員とを比べると月額4−5万円の格差があり、公務員並みの処遇をするには、少なくとも4500億円以上の財源、5%以上の改定が必要としている。

■一律「月給2万円アップ」ではない
 「生活対策」が示された翌10月31日に開かれた「安心と希望の介護ビジョン会議」(座長=前田雅英・首都大学東京都市教養学部教授)では、厚労省老健局の鈴木康裕老人保健課長が「介護従事者の雇用形態、サービス、地域、(事業所の)規模ごとにかなり異なるので、一定の額が等しく皆さんに行く(還元される)わけではない」と説明。「介護報酬改定の中で、例えば、手厚い配置をしている場合、一定の有資格者を配置している場合について、きちんと評価する」と述べている。
 しかし、11月28日の介護給付費分科会では、中田清委員(全国老人福祉施設協会副会長)が「現場に行けばどこでも、一律に2万円アップするのかという話題になる。期待にあふれていることは間違いない」と説明。その一方で、「2万円を一律に上げることは非現実だが、厚労省としてのスタンスを明らかにしておくべきではないか。分科会の議論と現場の期待感が大きくずれてしまい、責任問題になってしまう」と、現場での周知徹底が進んでいない実態を明らかにした。
 大森座長も「大変な混乱になりかねない。早い時期に、何らかの対応をしてもらった方がいい」と続けた。
 これに対し事務局は、「舛添大臣は国会答弁でも、一律2万円上がるという話ではないと説明しているが、一般には伝わっていない。何らかの対策を講じたい」と回答している。

 介護報酬の改定率と併せて、年間の介護保険料も公表された。現行から全国平均で月額約180円アップし、4270円となる見通しだ。
 3%の介護報酬引き上げと、高齢者の増加による介護給付費増も加え、保険料は本来なら月約250円程度上昇する計算になるが、政府の追加経済対策で1200億円規模の基金を創設し、保険料の一部を肩代わりすることなどによって、上げ幅は本来より約70円抑えられるという。
 また、厚労省は12月20日、政府が来年1月5日召集の通常国会に提出する予定の「第二次補正予算案」で、「生活防衛のための緊急対策関係予算」として8986億円を計上することを発表した。このうち「介護従事者の処遇改善と人材確保等」が1680億円で、内訳は「介護報酬改定による介護従事者の処遇改善」が1154億円、「介護人材等の緊急確保対策の実施等」が526億円となっている。

 介護給付費分科会では、介護従事者の処遇改善が実際に行われたかどうかを確認することについても議論された。
 厚労省側は当初、各事業所が処遇について公表することに強制力を持たせたかったようだが、12月12日の介護給付費分科会での質疑応答では、プライバシー上問題があるといった指摘のほか、各事業所の給与水準を個別に公表するのではなく、団体が示すだけでいいのではないかなどの意見が出た。田中滋委員(慶大教授)は、情報公開が賃金や給与に偏り過ぎると、教育や出産・育児などの点で職員に配慮している事業者などは人材募集でアピールしにくくなり、「経営者の意識も変えてしまうのではないか」との懸念を示した。
 これを受け事務局は、「2009年度介護報酬改定に関する審議報告案」について、事業者団体が公表の手引を作成するなどの取り組みを国が「支援していくことも重要である」との表現を「支援していくことも考えられる」に改めるなどの修正を行うことで、慎重に対応していく姿勢を示した。

 12月26日には、社会保障審議会が介護報酬改定案を舛添要一厚生労働相に答申し、介護給付費分科会では、各サービスへの具体的な加算についても示された。一定の評価をする委員も不満を示す委員もいたが、重要なのは今回の改定によって介護職員の待遇が改善され、定着率がアップし、今後ニーズが増え続ける介護を担う人材を新たに確保していくことだ。

介護報酬3.0%上げ―政府・与党が生活対策
座長が「どういう立場で議論する場か?」−介護給付費分科会
介護保険料、来年4月から月180円アップ
賃金『2万円』を現場に説明して−介護給付分科会
介護報酬改定案を答申−社会保障審議会



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