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高齢者情報資料室コミュの医療の地域貢献(上)食を通じて 健康街づくり

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医療の地域貢献
(上)食を通じて 健康街づくり
診療所近く 高齢者集う食堂

高齢化・人口減少で医療機関の経営環境が厳しくなる中、病院や診療所はどうあるべきなのか。食を通じたふれあいの場を運営する過疎地の診療所の試みは、地域における医療機関の役割を考えるヒントになりそうだ。(内田健司)

○話の花
12月初めの正午過ぎ。青森市浅虫の「浅めし食堂」には、雪が降り始めたにもかかわらず、一人また一人と客が集まってくる。
客の多くは高齢者だ。裏手にある地域唯一の診療所、「石木医院」の診療を終えた人もいれば、評判を聞いて訪れた近隣住民や温泉客もいる。入り口で定食を選んで注文すると、すぐにあちこちで話の花が咲き始めた。

食堂を運営するのは、石木医院の石木基夫院長(50)が設立したNPO法人「活(い)き粋(いき)あさむし」。一人暮らしの高齢者でも、一日に一食は栄養バランスのとれた食事を会話を楽しみながら、安く食べられるようにとの願いを込め、2003年10月に開店した。
現在は日曜・祝日を除き昼間に2時間だけ営業し、弁当の宅配もする。
リハビリで診療所に通った後、立ち寄った近藤ちゑさん(88)は、常連の阿部シゲさん(89)と並んで座り、「話しながら食べられて楽しい」と話す。

石木院長は、「医療を提供しているだけでは、安心して住み続けられる地域にはならない。診療や往診を通して聞いた住民の声を生かして、少しでも魅力的な地域づくりに役立つ活動をしたかった」と話す。

○五つの機能
多数の人々が出入りする食堂を、出会いや交流などに活用する取り組みは、「コミュニティ・レストラン」(コミレス)と呼ばれ、食を核にしたコミュニティー支援活動として近年注目されている。

コミレスを提唱したNPO法人「NPO研修・情報センター」の世古一穂代表理事(金沢大教授)によると、モットーは、「楽しく働き、おいしく食べ、くつろぎの場を作り出す」。
ふれあいのほか、人材養成、生活支援、自立支援、循環型まちづくりなど、
五つの機能を持たせることができるという。

全国に約40か所のネットワークがあり、高齢者福祉のほか、引きこもりの若者や障害者の就労支援、子育て支援など、地域が抱える課題を解決するため、様々な形で営業。地産地消、食育、エコクッキングなどに取り組んでいる。
世古代表理事は、「食を核に地域を再生させる動きは、わかりやすく、食堂自体が活性化の場にもなる」と話す。

○過疎地の核
コミレスの運営主体は、地域交流に熱心な有志によるNPOが多く、医療関係者が中心となったものは珍しい。だが、高齢化が進み、これといった求心力がない過疎地などでは、コミレスなどを通じた街づくりの担い手として、医療機関への期待は強い。

浅めし食堂の場合、石木院長が青森市の健康なまちづくり事業に参加し、現在はNPO事務局長を務める保健師の公子夫人(45)と知り合ったことが、きっかけとなった。二人は協力して、地域の自慢料理を集めたレシピ集を作ったり、食堂の新メニューを決めたりしている。

遊休農地で野菜を作り、子どもたちの体験学習の場としたり、食材にしたりするなど、食育にも余念がない。経営が安定したことから、子育て中の母親や退職した男性らに雇用の場を提供できるようになり、現在は常勤1人、非常勤7人のスタッフが働いている。

石木院長は、JR浅虫温泉駅近くにあった社会保険庁の福祉施設を買い取り、今年4月からは旅館の経営にも関与する。「メタボリック(内臓肥満)対策など健康を売りにして、温泉客を呼び込みたい」。診療所を核とした地域活性化へ、新たな挑戦が続いている。

読売新聞
2007/12/25
YOMIURI ONLINE 医療と介護  共生
★http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kyousei/saizensen/20071225-OYT8T00337.htm

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