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高齢者情報資料室コミュの座る (下)褥瘡予防へ「姿勢」を学ぶ

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座る
(下)褥瘡予防へ「姿勢」を学ぶ
脊髄損傷で尻の感覚まひ

車いすの座面に特殊なシートを敷き、座り方で圧力がどう変化するか、スタッフとともにパソコンの画面で確かめる渡辺裕さん(埼玉県所沢市の国立身体障害者リハビリテーションセンターで)

不慮の事故で突然歩けなくなり、車いすでの生活を始める障害者もいる。すぐに直面するのが褥瘡(じょくそう)との“闘い”だ。脊髄(せきずい)を損傷し、臀部(でんぶ)などの痛みやかゆみを全く感じることのできなくなった障害者の場合、気づいた時には、すでに症状が悪化していることも少なくない。座り方を学ぶことで褥瘡の予防や再発防止に取り組んでいる現場を訪ねた。(内田健司)

○突然の事故
「お尻の左右均等に体重をかけるコツをつかみましょう」「背中を伸ばした座り方がいいですね」
埼玉県所沢市の国立身体障害者リハビリテーションセンターでは、車いすの調整やクッションの選び方、注意すべき座り方などについて、理学療法士や作業療法士らが実践的に指導する「シーティング・クリニック(SC)」が週1回開かれている。
毎回3、4人の脊髄を損傷した患者が、「座り方」の指導を受けている。受講後に褥瘡が出来たという報告はほとんどないという。

今年3月、北海道で春スキー中に転倒し、脊髄損傷となった渡辺裕さん(28)は、評判を聞いて8月に転院し、10月中旬、初めてSCに参加した。
高校の教師だったが、事故後に退職。腹筋が利かず、ベッド上でも座ったままの姿勢が保てない。いらだちを覚えながらも、「再就職するための知識や技能を学ぶ、敷地内の更生訓練所に通いたい」と、懸命にリハビリに励む日々だ。

○圧力チェック
SCで渡辺さんが食い入るように見つめていたのが、座ったり、寝たりしている時に、圧力が強く加わっている部分ほど、より赤く表示されるパソコンの画面だ。腕の力を使って尻の部分などを少し動かせば、赤色が薄まり青っぽくなる。シートから完全に尻を持ち上げると白へと変化していく。

障害のない人は、ずっと同じ姿勢を取るなどして、だるくなったり、痛みを感じたりすれば、何げなく、体の向きや位置を変えることができるが、脊髄を損傷し、臀部などに感覚がなくなっていると、それができない。
それだけに、パソコンの画面を参考に、同じところに圧力がかからない姿勢を取ることを体で覚えていくことが重要になる。
普段本人が一人で訓練する際に利用できるように、スタッフが、理想的な姿勢を取った時などの写真やビデオを撮影してくれる。

○身近な危険
普段から座り方に注意をしてもらうために、指先を圧迫させて血が通わなくなることを例にした指導も行っている。
「輪ゴムなどで指を圧迫すれば青白くなり、最初はしびれてくるでしょう。そのままにしておくと感覚がなくなり、やがて血が通わなくなって、指先が死んでしまいます。それに近いのが褥瘡です」。同センターの岩崎洋・副理学療法士長が説明する。

無意識に寝返りや体を動かすことができず、しびれ自体を感じることができない障害者の場合は、血流が悪いことに気づくのが遅れ、褥瘡を起こす可能性が高いことを理解してもらうのが狙いだ。

褥瘡が出来た患者については、その原因を徹底的に追究する。浴室のマットや硬い便座が原因になることもある。激しい動きを伴う動作で車いすの座面と擦れ、バスケットや卓球の試合で出来たり、空港での待ち時間や遊園地で楽しんだ後に、見つかることもある。

同センターの広瀬秀行・高齢障害者福祉機器研究室長(理学療法士)は、「何が原因で、いつ、どこで起きたかわからないほど、日常的に褥瘡の危険はある。しかも敗血症を引き起こすなど、重症になると死のリスクも高い。家族や周囲の人たちも気を配ってほしい」と強調している。

読売新聞
2007/11/7
YOMIURI ONLINE 医療と介護  共生
★http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kyousei/saizensen/20071107-OYT8T00223.htm

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