保守言論人の実態ー西尾幹二論コミュの第２０弾　北朝鮮工作員と歴史の大偽造を楽しむ西尾幹二

　西尾幹二は、ロシア/ソ連の工作員を称讃するばかりか、北朝鮮工作員とも仲が良い。しかも、この工作員と一緒になって、歴史の偽造に邁進している。

　　「（ソ連が北海道の北半分の占領要求をした時、）米大統領トルーマンがそれをさせない交換条件として、シベリアにいた日本人を約八十万、強制労働につかせることをソ連のスターリンに対して認めてサインしたのです。日本の頭ごなしでおこなわれた協定で、日本には知らされませんでした。・・・約１０万人がなくなりました。それは北海道が守られた犠牲であるということを、戦後三十年ぐらいたって知らされました。」（３４頁）。

　これは、扶桑社が２００３年に出版した『日韓大討論』における西尾の言説で、相手は札付きの「北の工作員」金完燮である。まず、上記の引用を糾弾しておこう。なお、上記の引用文中、満洲を「シベリア」としている。西尾らしい杜撰さである。
　また「サインした」「協定」とあるから、トルーマンは、１９４５年８月、モスクワに行ったらしい。あるいはスターリンがワシントンにやってきたのかな。これは単なる出鱈目で済む話ではなく、西尾の精神が異常をきたしているのは論をまたない。

一、 スターリンの北海道北半要求と、トルーマン米大統領の拒絶（１９４５年８月）
　スターリンは、１９４５年８月１６日、トルーマン大統領に北海道北半分（留萌と釧路を結ぶ線で、両市を含む）の占領（割譲）を要求した。トルーマンは１８日付けで直ちに拒否の回答をした（『トルーマン回顧録』下巻、恒文社、３２３〜８頁）。なお、このときトルーマンは、得撫（ウルップ）島に米国の空軍基地建設を要求した。本件はすべて、８月２７日までに終了した。

二、 シベリアへの「日本人奴隷」百万人提供――ベリヤ・近衛文麿の秘密合意（１９４５年７月）
　強制重労働も収容所も内務省（内務人民委員会、ＮＫＶＤ）の所管であり、ソ連軍はいっさい関与できない。停戦協定署名のジャリコーワ（ジャリコーボ）でのワシレフスキー元帥と秦彦三郎・関東軍総参謀長/瀬島龍三の間で協議されたとの風説は、戦後流された虚構である。おそらく、近衛の犯罪を隠蔽するために流したのだろう。
　四十〜五十万人が極寒の凍土で「殺害」された、百五万人という“世紀の拉致事件”は、在京のソ連大使館のＮＫＶＤ部局と近衛文麿が協議して、１９４５年７月に合意された。内容その他については、事前に、名だたるコミュ二ストで退役の陸軍中将・酒井鎬次が、協議を重ねていただろう。７月１２日付けの、近衛文麿のソ連仲介案は、この証拠である（『終戦工作の記録』下巻、講談社文庫、２３９頁）。

三、 西尾幹二のガセネタの出所は？
　西尾は、上記の捏造をどこから拾ったかは、一九九二年の偽情報本『シベリア抑留秘史』による。偽装肩書き「ロシア軍事検察庁法務大佐」の著者ボブレニョフは、むろん、ＫＧＢ第一総局の工作員である。かつての米国政府の強硬な「日本人シベリア抑留に関するソ連非難」に対する反撃として、またシベリア抑留に対する日本の非難に対して、その責任をアメリカに転嫁する妙案としての偽情報だった。西尾幹二の頭は、ソ連発の嘘八百ばかりでいっぱいである。
　「反米」に狂った民族系論客は皆、米国への責任転嫁は何でも正しく見えるから、例外ひとりとしてなく、ＮＫＧＢやＫＧＢの偽情報には、毛鉤に喰らいつく馬鹿な魚と同じく、すぐ飛びつく。知的貧困者は、やはり乞食に似た行動に走る。
　なお、１９９２年を、１９４５年から「戦後三十年」としているのは、西尾らしい杜撰さである。

四、“歴史の偽造屋”西尾幹二のＫＧＢ工作好き
　西尾幹二は、ＫＧＢの対日工作本が大好きであるし、心から礼讃する。その『国民の歴史』は、国際的に知られたＫＧＢ工作員のヘレン・ミヤーズ/クリストファー・ソーン/ジョン・ダワーを絶賛するという、ソ連人が書いた本になっている。西尾幹二は、ソ連人である。
　こんな具合だから、北朝鮮工作員の金完燮と三日間わたる楽しい対談ができるのである。金は、西尾との対談では、北の工作員であることを隠そうとしなかったから、西尾が常識あれば、「この北朝鮮人め！」と席を蹴ったはずである。

　　「大韓航空機爆破事件は、韓国政府とアメリカのＣＩＡが起こした事件だと思っています」（２５９頁）。
　　「米国が韓国に駐留していると、北朝鮮は米軍を攻撃するために韓国を攻撃するでしょう。米軍が半島からいなくなれば、実際に北朝鮮が韓国を攻撃することはできなくなくなります」（２４９頁）。

　金完燮は、ベストセラー『親日派のための弁明』（草思社）を出版したため、日本人は勘違
いしている。こんな異様な甘言本を怪しいと思わずに信頼するとは、そんなやからは人格的
に幼児性が高いからである。しかも、草思社は、ソ連ＫＧＢが出資して創った、対日情報宣
伝専門の出版社ではないか。