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プライスタグコミュの内田樹氏よりコメントをいただきました!

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いよいよ初日を迎えた「プライスタグ」。

内田樹氏(神戸女学院大学文学部教授)よりコメントをいただきました!

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「子どもとお金」という主題は考えてみたら触れられることの少ない(というより無意識的には避けられてきた)ものだということを映画を見て思い出しました。おそらく「子どもはできるだけお金に触れない方がいい」という人類学的な知恵がまだ残存しているためでしょう。それも当然で、子どもというのは定義状「労働しないもの」だからです。労働しないものにとって、貨幣はただの「記号」あるいはただの「数字」です。でも、労働しようがしまいが、貨幣を持つものはそれを使用するときに、貨幣ある種の全能性をもつことを知ります。
子どもがお金をもち、それを使うというのは、言い換えると「記号は全能である」という倒錯のうちに投じられることです。その倒錯に迷い込まないために、子どもに対しても、貨幣は「労働の対価」としてしか与えられないといううるさい条件が課された。そうすれば、貨幣を媒介にして、「労働は全能である」という(健全な)幻想を子どもに刷り込むことができるからです。

映画の主人公の「正ちゃん」は「お金を持たない存在」(赤ちゃん)から、「記号としてのお金を持つ存在」(子ども)、「労働の対価としてお金を得る存在」(大人)へと急ぎ足で階梯をのぼり、最後はなんと「担保を差し出し、有利子のお金を借りる存在」(投資家)へと成長してゆきます。「投資家」段階まで子どもが行き着く必要があるかどうかについては(人類学的見地からは)疑問があるのですが、そこらへんがあるいは「現代的」な切なさなのかも知れません。

―内田樹(神戸女学院大学文学部教授)
著書に「下流志向」(講談社)/「街場の中国論」(ミシマ社)/「逆立ち日本論」(新潮選書)など多数。
内田樹氏のブログ:http://blog.tatsuru.com/



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