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「北風と太陽」

もうすぐ冬休み。でも冬の季節は、これからが本番です。
毎日、どんどん寒くなっていきます。
ほーら、北風が吹いてきました。

(北風登場)
北風「ひゅうるるるるる」
北風は、冷たい空気を身にまとい、遠い遠い北の国から仲間たちと一緒にここまで やってきたのです。
北風「俺は北から来た男。俺は…はるか遠い、暗い海の上で生まれた。厚い氷に閉ざされた、暗く冷たい闇の世界に生まれた」
北風は、木をゆすり、葉を残らず吹き飛ばしました。
北風「凍える吹雪は、俺様の親友。氷まじりの波しぶきが、俺のケンカ友達だ」
北風は、冷たく笑いました。
北風の勢いに押しのけられて、雲たちも四方八方に飛び散ってしまいました。
そしてそのとき…明るい日差しが、さっと世界を照らし出しました。

(太陽登場)
北風「た、太陽か…俺様に道を譲らぬとは、ふてぶてしい態度じゃないか」
冬の太陽は、何食わぬ顔で、さんさんと光のシャワーを放っていました。
太陽「やあ北風君、今年はずいぶん威勢がいいね」
北風「む…相変わらず、とぼけた奴だ」
太陽「そうだね、冬はこれからが本番。君たちの活躍を、また見せてもらうよ」
北風「ふんっ。俺様たち北の客人を見据えたような、その態度…気に入らん!」
どうやら、北風は太陽が嫌いなようです。
北風「力もないくせに、のさばりおって…本当に忌々しい」
太陽「そんなに怒らないでよ。僕は、いつもここにいて、世界中を見ているだけなんだから」
のんびりとした太陽の言葉は、北風の心をいらだたせたようです。
北風「この世の中で、一番力があるのは俺様だ!」
太陽「ふうん…そうなんだあ。でも、そんなことどうでもいいじゃないか」
北風「なんだとう!!」
言い争っているうちに、北風と太陽は力比べをすることになりました。
そこに、ひとりの旅人が通りかかりました。

(よろよろと人間登場。白い丘登場)
北風「人間だ、人間が来た。」
太陽「なんだか、とっても寒そうですねえ」
旅人は、北風の吹きすさぶ寒さの中を、身を縮ませて凍えながら歩いてきたのです。
北風「よし! それじゃあ、あの旅人のコートを脱がせることで、力比べをしようじゃないか」

(太陽退場。北風の息つける。雲登場)
北風は、自信がありました。なぜなら大海を乗り越えてここまでたどり着いた自分の力を、信じていたからです。
北風「びゅうるるるるる、びゅううううう。びゅおおおお」
北風が叫びました。あたりに暗い雲が立ち込め、凍えそうに冷たい風が激しく旅人の体に襲い掛かります。
旅人「ううう…さ、寒いっ!」
旅人は足を止めて、その場で震え上がりました。コートの襟をたてて、ぎゅうっと身をすくませました。

(北風を裏返したり表にしたり。旅人も風にあおられつつ)
北風「むうう、まだ脱がないかっ。ならばこれで、どうだっ。びゅおうるるるるる!」
旅人「うわああああ、な、なんて風だーっ」
それでも旅人は、決してコートを脱ぎません。強く激しい風の攻撃から、自分の身を守ろうとしているようでした。

(くたびれた北風に汗)
旅人「さ、寒い…寒くて寒くて、死にそうだ…」
旅人の体はガタガタと震えました。
しかし、北風がいくら冷たい風を吹き付けても、旅人のコートは剥がせません。とうとう、北風は力尽きてしまいました。
太陽「まあまあ、北風君。今度は僕にやらせてみたまえ」

(北風と雲退場。困った顔の太陽登場)
次は、太陽の番です。
旅人「うう…寒い…」
太陽は、凍えて死にそうになっている旅人を見て、心から気の毒に思いました。
太陽「ああ…なんて寒そうなんだ。可哀想に…今すぐ、僕が暖めてあげましょう」

(太陽の笑顔)
太陽は、にっこりと微笑むと、旅人を明るく照らし始めました。
穏やかな日差しは見る見る間に、凍えた旅人の心と体を癒してくれます。
旅人「はああ…これはいったいどうしたことだろう。今までの嵐のような風がうそのようだ。
なんだか、とっても暖かくなってきたぞ」
旅人の体の震えがようやくおさまってきました。

(緑の丘。花と草を貼る)
すると、不思議なことに、あたりから野の雪が消え、草が芽吹き、花が咲き始めました。
丘は緑に変わり、旅人の周りはどんどん春のように暖かくなりました。
そしてさらに…夏のように、暑くなってゆきました。

(旅人退場。コート、マフラー、帽子を貼っていく)
旅人「ああ…もう、たまらない。暑くてたまらない!」
旅人はコートを脱ぎました。あっという間にマフラーも、帽子も、その場に脱ぎ捨ててしまいました。
太陽は、それでもただ、にっこりと微笑んで旅人を見ているだけでした。

(汗を拭く旅人登場、汗も貼る)
旅人「暑いけど、なんて気持ちがいいんだろう」
旅人は流れる汗を拭きながら、またどこへともなく旅立っていきました。

(旅人退場。北風登場)
北風はがっかりしました。
いくら全力で冷たい風を起こしても、旅人の服を脱がせることはできなかったのに、太陽はただ笑ってその場にいるだけで、難なく旅人から服を剥がしてしまったのです。
北風「俺様の…負けだ」
太陽「どちらが勝ったかなんて、そんなこと、どうでもいいんですよ、北風君。
僕には世界を光で包む役目があり、北風には冬を運んでくる役目がある。それだけのことなんですよ」
北風は、改めて太陽を見ました。
そして、自分もまた太陽の光に照らされていることに、初めて気付いたのです。
太陽「光があるから、闇ができるのです。闇があるから、あなたも生まれたのですよ」
そう言って、太陽はまた、にっこりと微笑みました。

おしまい。

コメント(5)

パネルシアター用に書いた「北風と太陽」のミニシナリオです。
ナレーター、北風、太陽、旅人の4人で、台詞のかけあわせを想定しつつ。
市販のパネルシアターを使うんですが、それには幼児向きなのであまり物語性がないシナリオがついてました。で、小学生向きに、お話を作ってみましたというわけです。
いや、とはいえ、ほんとにこれをやるかどうかさえ、まだ決まってないんですけどねw
5分くらいのお話ということで、3、4年生を中心に、1年から6年までが見に来るであろうと考えつつ、まとめてみました。
このまま紙芝居にしてもすっごくいいですね!さすがだ!
情景がちゃんと絵になって浮んで来るようです。特にラストのパラグラフがあると、お話の底に流れる大切なものがしっかり子ども達にも伝わるように思います。
これから寒い季節になって、クリスマス会なんかでもこうした紙芝居(と勝手にもう決めている)があるといいですね。
大切な贈り物を心にもらった気がしますね。
パネルって、語りより注意力がいりますよね。
だって語りながら、小道具使うんだから・・・
私には難しいぞ。

ぶりっ死さんは絵も書く人なんですか??
あ、そーか。ひとりでお話にするなら、旅人にもう少し台詞を足して、個性をつけると良いかもしれませんね。
これだと、太陽はのんびり口調。
北風は怒った感じの口調。
ナレーションは静かな感じで、旅人は浮いてますね。

読み聞かせの一人読み用に直してみようかな。
それだったら、前後にもっと情景描写も加えましょう。
上がったら、またアップしてみますね♪

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