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宮内勝典コミュのミスキート族

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 ずっとまえに『地球を抱きしめたい』を読み、今回、『ぼくは始祖鳥になりたい』を読んだ。
 読むまでは、『地球』がノンフィクション(ルポルタージュ)篇であり、『始祖鳥』が対をなすようなナラティヴ篇だというのも知らなかった。

 わたしは一応、ラテンアメリカの歴史について勉強してきたので、1979年から始まるサンディニスタ革命を信奉してきたので、宮内さんが語るニカラグア原住民の抵抗運動、とりわけ例のコントラと繋がる反革命的な動きには疑義をはさまないわけにはいかなかった。

 しかしこの両著を読み分けていくと、宮内さん自身が垣間見たこともかなり説得力を持っている。
 それでここで提出されるべきテーマは、まず手段は目的によって正当化されるのか、ということ。
 ソモサ独裁政権をよくやくのことで倒し、民主化を進めようとするニカラグア政権に大して、米国からあからさまな(軍事)介入をうけたとき、革命の大義名分はどうなるのか。

 宮内さんの論理によれば、米国での抑圧されている(俗にいう)インディアン原住民を支え、反攻へ出るという意味で、もともとの原住民の土地へ押し入って白人政権を樹立しつつ、やはり原住民への排除をすすめる革命政権に大いなる憤りを感じる、ということ。

 細部にわたれば、宮内さん自身がこれらの原住民抵抗に、CIAらの金が入っていないかどうか、すこぶるナーヴァスになっていることがうかがえる。

 ニカラグア革命政権にとっては、「赤いクリスマス」という作戦が1981年あたりから実行され、原住民部落の強制移住などはコントラたちとの峻別をはかるためだったと説明されている。

 強制移住の影響は8500人ほどにもおよび、ニカラグア革命政権によって原住民側には百人ほどの犠牲者が出ているらしい。

 時はたつ。
 国際人権委員会からの糾問にたいして、2006年にダニエル・オルテガ大統領(このときは候補者)はミスキート族への虐殺を認めている。

 暫定議長からオルテガが大統領になったのは1985年。
 しかしニカラグア革命政権も紆余曲折を経る。
 革命の名により秘密警察も暗躍したらしいし、副大統領のセルヒオ・ラミレスも文化相だったエルネスト・カルデナルも政権から離れた。
 いまでは再び大統領をつとめているオルテガ大統領のまわりのスキャンダルがけっこうかまびすしい。

 そしていまは、中国資本によって太平洋と大西洋とを結ぶべくニカラグアを横断する運河の建設が始められていて、これがどれほど環境を破壊するものか、だいぶ反対運動も盛り上がっているらしい。
 もちろん原住民にとってはたまったものではないだろう。

 宮内さんが血を煮えたぎらせ、ついにはかの地に渡ってからこの国はこのように推移してきたのである。

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