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it's mineコミュのチキンカレー 3

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慣れた手順でマンションのオートロックナンバーを押す。キーを回すとガラス張りの入り口が主人である私を招き入れる。

エレベーターに乗り込んで三階のボタンを押す。

ゆっくりと上がり、止まる。てろてろ歩いて部屋の前にたどり着く。

ドアの前からも分かる静寂に半ば安心し、半ば落胆する。

『ただいま』

誰もいない真っ暗な部屋へつぶやく。

スニーカーを脱いで、リビングの明かりをつける。

ガランとしていて、無機質。

半ば安心し半ば落胆しながら、コートを脱ぎ、マフラーをハンガーにかける。

朝戻したままのサフランを確認し、手を洗い米をとぐ。

『カレーにはサフランライスでしょ』

彼の要望は、白いご飯にカレーの私の概念を覆し、絶対の契約のようになって、いや脅迫のようで、馴らされた習慣でそうしなけばならい契約だった。

といだ米にサフランの汁を入れ炊飯器のスイッチを押す。

仕込んだ鍋に火を入れる。
テレビを付けようか迷って、コンポの電源をオンにする。やかましいロックが流れ、眉間に寄ったしわのまま、リモコンでクラシックへ切り替える。

ゆったり流れ出したブラームスを確認しバスルームへ湯を溜めに向かう。

ひねる蛇口。底を打つ水音にブラームスがかき消される。
素早くバスルームのドアを閉め、再び流れ出したブラームスに安心しながらキッチンへ向かう。

グツグツと沸き立ち始めたチキンカレー。

無表情に眺め下ろす。

仕上げのために入れていく牛乳とすりおろしたリンゴ。

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