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『君と僕』の言葉たちコミュの「ひまつぶし」

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シロ=理想家で夢想家。寂しがり屋。飽きっぽい。夢を見がゆえに傷つきやすい。今この瞬間の楽しみを追い求めるため、先のことを見通すことが苦手。口癖は「やってみなくちゃ分からない」、「そんなことない」、「おもしくなくっちゃ」。

クロ=希望を持たなければ絶望はない、が持論。残らないものより、目に見えるもの、事実や歴史結果を重視する。感情をあまり表に出さないようふるまっている為、シロの意見を適当に肯定する。だが、実際には頑固で負けず嫌いであるため心よりシロの意見に同意することはほとんどない。

赤い人形=アカ。通称『熱血』
・真面目な農民
・まとめようとする人間
・奮闘するする漂流者
・マッチ売りに忠告する通行人
・みんなで楽しめるものがいいこども
・みんなの意見を代弁する劇団員
共通する性格:正義感が強い。自分の意見が正しいと思っていて、周りの模範になろうとしている。常に行動・発言している。味方が多いほど強く、少ないほど弱い。

青い人形=アオ。通称『無気力』
・無気力な農民
・諦めている人間
・諦め気味な漂流者
・何もできない父親
・楽がしたいこども
・もうやめたい劇団員
共通する性格:やる気や主張があまりない。楽していきたい。正義感や道徳観が薄く、無責任。強くいわれると流される。

黄色い人形=キイロ。通称『冒険家、KY』
・国の発展を望む王様
・脱出しようとする人間
・助かりたい漂流者
・辛気臭いのが嫌いな通行人
・遊びを思いつくこども
・プロになるためやめたい劇団員
共通する性格:夢見がちで、そのためなら多少周りに迷惑かけてもいいと思っている。楽観的でひとの気持があまり分からない。道徳や倫理に疎い。

灰色の人形=ハイ。通称『いいこ』
・国のことを憂う妃
・悲観的な人間
・献身的な漂流者
・マッチ売りの少女
・気を使うこども
・喧嘩を止めたい劇団員
共通する性格:自分に自信がなく悲観的。争い事やもめごとが苦手。自分が我慢して周りが丸く収まるならいいと思っている。

紫色の人形=ムラサキ。通称『天才、冷血』
・目的を遂行する大臣
・冷静な人間
・合理的な漂流者
・冷ややかな通行人
・大人びたこども
・現実的な劇団員
共通する性格:冷静。物事の問題と解決法を分析する。行動より理屈や論理を大事にする。功利主義者(絶対多数の幸福論)。

ピンクの人形=ぴんく。通称『馬鹿、素直』
・馬鹿な王子
・よくわかってない人間
・まぬけな漂流者
・幸せそうな家庭の少年
・あそびたいこども
・夢見る劇団員
共通する性格:楽しいことを追い求めるこどもっぽい性格。すぐ泣く、よく笑う、など感情表現が豊か。物事のよしあしが分かっていない。考えることが苦手。


――開演。
上手にシロ、下手にクロそれぞれ座っている。シロは足を揺らしながらいかにも退屈そう。クロは文庫本を読んでいる。

しばらく無言の間。

シロ「暇だねー」
クロ「暇、といえるね」

再度、間。

シロ「なんか面白いことないかなー」
クロ「ない、だろうね」

シロ、クロをにらむ。クロは黙々と本を読んでいる。

シロ「ねえ、それ面白い?」
クロ「いや、つまらないよ」
シロ「(ガッカリした顔)……じゃあ、なんで読んでるの?」
クロ「最後のオチが、面白いかもしれない、からかな」
シロ「あぁ、途中でやめてそれが面白かったら負けた気がするんだね」
クロ「別に、そんなことは言ってない」
シロ「君、負けず嫌いだもんねー」
クロ「負けず嫌い、じゃない」
シロ「そう」
クロ「そう、だよ」

間。

シロ「そうだ!」

シロ何か思いついた様子。客席を見渡し、1人へ話しかける。

シロ「ねえ、そこの人!」
(おそらく客席からは返事はないけど続ける。もし、反応あった場合はアドリブで)
シロ「そう、あなただよ! どこから来たの? 普段、何してる人? あ、待ってよ。僕当てるね! そうだなぁ。こんな時間にここにいるってことは僕と同じで暇なんでしょ? 暇ってことは……夢も仕事もなくて……つまりはニートだね!」
クロ「……何してるの?」
シロ「見て分からない?」
クロ「……分からない」
シロ「(ニヤニヤしながら)分からないんだー、それは気になるよねー。つまらない本なんかより面白い事かもしれないしねー。思わず、仲間に入れてくださいお願いしますっとか言いたくなってきちゃうのも無理はないよねー」
クロ「(ため息)なんだ、構ってほしいだけ、なのか」
シロ「違う! ……ようなそうでもないような。どうなんだろう。(客席に向かって)ねえ、どう思う?」

クロ、本を閉じてシロを見る。シロは客に向かって話しかけ続けている。

クロ「で、それは何をしているつもりなの?」
シロ「(得意げに)『人間』に話しかけてるんだよ」
クロ「……それは、見れば分かる」
シロ「なんだ、やっぱ分かってんじゃん」
クロ「そうじゃない、なんでそんなことしているのか、ってこと」
シロ「もしかしたら、返事してくれるかなって」
クロ「するわけないよ、『人間』が返事なんて」
シロ「なんでー? もしかしたら、するかもしれないじゃん」
クロ「人間なんて……『人形』と同じだよ。『役割』を与えないと、喋らない、動きもしない。役もないのに、返事なんて、するわけない」
シロ「そうかもしれないけど、でも。でも、面白ければ笑うし、すごいと思ったら手をたたいたりする。それに何も言わなくても、いつも考えてるんだよ。言葉の意味や、この身振り手振りの意味はなんだろうって」
クロ「考えてたって、同じじゃない。話しかけたって返事もないし、何もしないし、僕らには何の影響もないんだからさ。そんなの気にするだけ無駄だよ。いてもいなくても同じ」
シロ「もー。そんなこと言うとバチが当たるよ」
クロ「バチって、何のバチ?」
シロ「……神、様?」
クロ「そうだね。君はバチでも棒でも、投げつけてきそう」
シロ「失礼な! 僕はそんなことしないよ」
クロ「そう、かな」
シロ「そうだよ」
クロ「そう、なんだね」

クロ、再度本を読みだす。シロは、人間に話しかけるのを諦め退屈そう。

シロ「ねえ、僕らってなんだろう」
クロ「なんだろう、ね」
シロ「真面目に答えてよー。……っていうか、構ってください」
クロ「(ため息)僕らは……死を超越したもの。人間でいうところの、神や天使、あるいは悪魔か死神。でも、奇跡も魔法も使えない。だから、僕的に言うと、ただ、死なない何か」
シロ「なんだか小難しいね。……本の読みすぎじゃない?」
クロ「本は関係ない。ただの、事実の、羅列」
シロ「事実の羅列ねー」

間。

シロ「ただ、死なない何か。そう、なんだよね。僕らは死なない。けど、したいこともするべきこともなにもない」
クロ「そう、ただひまをつぶす、だけ」
シロ「そっか。僕らの方が人間でいうところの、ニート、かもね」
クロ「なぜ?」
シロ「だって、やるべきことも、すべきことも何にもない。夢も希望もない」
クロ「そう、ともいえる、ね」
シロ「夢、や希望かー。羨ましいよね」
クロ「そう、かな」
シロ「そうだよー」
クロ「希望があるから、絶望する。期待するから、裏切られる。そして、それが不幸」
シロ「うわー、夢も希望もない」
クロ「そう、夢も希望もない」
シロ「でも、それって面白くないよ。期待したり希望をもったり、それがうまくいけば楽しいわけじゃない」
クロ「君のは、それを見てるのが楽しい、でしょ」
シロ「その通り! だから、人間は楽しいんだよ」
クロ「そうかな。人間は、つまらない」
シロ「つまらないなら……」
クロ「つまらない、なら?」
シロ「(笑顔で)なんでもないですー」
クロ「……そう」

間。

シロ「ねえ、人形遊びしよっか」
クロ「人形、遊び?」
シロ「そう、人形を動かしてごっこ遊び。人間もよくやってるでしょ?」
クロ「こども、がね」
シロ「はいはい、どーせ僕はこどもですよー」
クロ「こども、というか、馬鹿?」
シロ「馬鹿じゃない! っていうか、馬鹿って言った方が馬鹿なんだからね!」
クロ「僕は、馬でも、鹿でもない」
シロ「僕もそうです!」
クロ「そう、なの?」
シロ「そうです」
クロ「そう、なんだ」

クロ、ため息。シロ、クロの真似してため息。クロ、ちょっとムッとする。

シロ「やっぱ君って負けず嫌いだよねー」
クロ「そんなこと、ない」
シロ「いや、そうだよ。僕の言う通りにすることとかやることが嫌なんでしょ」
クロ「それは、ある」
シロ「それは認めるんだね……いいけどさ。じゃあ、人形遊びしようよ」
クロ「じゃあ、が繋がってないよ」
シロ「ルールを説明します。お互い交互に人形を動かして、お話を作ります。それでより面白い話を作った方が勝ち!」
クロ「(ため息)人形なんて、どこにあるの?」

暗転? シロが合図すると舞台後方に人形現われる。

シロ「じゃじゃん!」
クロ「人形、というかまるで人間」
シロ「そう、役割を与えれば動き出す『人形』。これだけリアルだから、その分本格的なお話が出来るんじゃない?」
クロ「そう、だね」
シロ「よし、じゃあはじめよっか」
クロ「気が、乗らない」
シロ「なんで?」
クロ「つまらない、よ」
シロ「やってみなきゃ分んないじゃん」
クロ「分かるよ」
シロ「あ、分かった! 負けるのが嫌なんでしょ。偉そうなこと言って、僕の方が正しいって認めたくないからそんなこと言ってるんだ」
クロ「そんなこと、ない」
シロ「じゃあ、いいじゃん。やってみようよ」

間。

クロ「……まあ、いいけど。ひま、だしね」
シロ「そう。ひまつぶし、ひまつぶし」

クロも本にしおりを挟み椅子に置く。

シロ「まずは、人形にも個性があったほうが面白いよね」
クロ「あるに越したことはない、かな」
シロ「じゃあ、それを与えなきゃ」

シロ、まずは赤い人形(真ん中の上手側)を見つめて考えている様子。

シロ「まずは……真面目な熱血漢。正義感あふれる主人公タイプね」
クロ「赤だから熱血って、単純だね。暑苦しい、ウザい系だ」
シロ「ひどいなー。じゃあ、次は君の番だよ」

クロ、隣(下手側)の青い人形を指さす。

クロ「じゃあ、こっちは無気力な、面倒くさがり屋。マイペース」
シロ「うわぁ、それあてつけ? っていうかちゃんと動くの、それ」
クロ「真逆なキャラがあったほうが、面白い」
シロ「まあ、そうだね」

シロ、熱血の右隣、黄色い人形を見てまた考える。

シロ「こっちは、自由人で目立ちたがり屋。いつも楽しいことを探し求める冒険家」
クロ「……それ、快楽主義の自己中、KYでしょ」
シロ「それいったら身も蓋もないよー。で、そっちは?」

クロ、無気力の下手隣、灰色の人形を指さす。

クロ「こっちは自己犠牲。周りに合わせるタイプ、で」
シロ「お、今度はいいこっぽいね。博愛主義者の優しいキャラだ」
クロ「……いや。どっちかというと、悲劇のヒロイン、気どりの卑屈キャラ」
シロ「うわー……」

シロ、上手端のピンクの人形を見て再度考える。

シロ「となるとこいつは……素直。純真無垢な愛されキャラ」
クロ「……馬鹿、ともいう」
シロ「もー! いちいちマイナス要素つけないでよ」
クロ「人間は、二面性をもつもの、だから」
シロ「ものは、いいようだね。……で、そっちの最後は?」

クロ、紫色の人形を見る。

クロ「馬鹿の反対」
シロ「天才?」
クロ「現実主義。非情な合理主義、冷血漢、ともいう」
シロ「うーん、まあ、バランスは取れてる、かな」
クロ「あとは、設定次第、だね」
シロ「まずは僕の番からね。キリのいいところで止めるからそしたらそこから君の番」
クロ「途中で、交換するんだ。まとまる、それ?」
シロ「まとまるかどうかなんて分かんないよー。ノリだよ、ノリ」
クロ「そう。まあ、いいけど」
シロ「よーし、ワクワクしてきた。どんな話にしようかなぁ」

シロ、考える。

シロ「決めた!」

暗転。

劇中劇1「小さな国の小さな村とその問題」

シロ「むかーし、むかし。あるところに小さな国がありました。小さな国には真面目な農民とそうでもない農民、王様やお妃さまと王子、大臣がいました」
クロ「……何してるの?」
シロ「ナレーション」
クロ「ナレーション、ね」
シロ「なに、なんか文句?」
クロ「いや。まあ、今は君の番だから」
シロ「そう。じゃあ、つづけるよ」
クロ「どうぞ」


アカは、真面目な農民。アオはやる気のない農民。アリとキリギリス的な対比と、アカはアオへ注意・指導・手助けする。などと1つ1つ説明するシロ。それに合わせて人形たちは台詞やマイムをする。
キイロは国の王様、この小さな国をもっと大きくし発展させたいと思っている。
ハイはお妃さま、民のこと、王のこと、王子のことを憂いている。
ぴんくは王子。もっとたくさん、おいしいものが食べたい。ここではまるっきり馬鹿。
ムラサキは、大臣。王の下、発展の為のいろいろなアイディアを出す。
「冬も休まず働かせる(二毛作)」
それにより、小さな国は豊かになりました、までシロのターン。合図を出すと人形たちストップモーション。

シロ「どう?」
クロ「なんか、うさんくさい。人間は普段、あんなにオーバーになんか、ふるまったりしない」
シロ「そう? 僕はそういうの気にしないからなー」
クロ「話の展開も、雑。こういうのを、ご都合主義、っていうんだよ」
シロ「いいじゃん、分かりやすいって大事だと思うよ」
クロ「まあ、いいや。次は僕の番ね」

発展にいい気になった国王はより発展を望む。大臣はそれに対し「自堕落なものを追放し、より働く者には褒美を(王子含む)」⇒「武装し、隣国へ攻める」などだんだんと過激に。
農民同士の争いや、王子をかばう妃と大臣の対立。無気力な農民は捕まって処刑される。王子はお腹がすいているので、おいしいものが食べれるっていうのにすぐつられる。王は発展の為、周りが見えなくなりついには戦争へ踏み切る。ここまでクロのターン。合図を出すと人形たちストップモーション。

――劇間のシロとクロの台詞
シロ「えぇ、こわっ」
クロ「人間っていうのはこういうもの」
シロ「それにしても、みんな悪いほうへ行きすぎじゃない」
クロ「発展の後に過ちあり。続けるよ」

――ストップモーション後
クロ「こんなもん、かな」
シロ「あっという間の絶望シチュエーションだね……」
クロ「ラストは君の番。君の言う、面白いハッピーエンド、期待してる」
シロ「負けず嫌い、っていうかもはや性格歪んでるよ」

無気力農民のメッセージ(手紙or天からの声、いいこと言う)で戦争に反対を決意する熱血農民。王宮では妃の説得でこころ揺れる王。そこへ大臣が、農民が反乱を起こしたことを告げる。迷う王を尻目に、妃は農民を説得しにいく。妃が農民の前で説得中に、王子登場。怒る農民は殺そうとし、それを庇って妃やられる。そこへ王が出てきて、王に妃の最後のメッセージ。王は改心し、その後名君となり発展しましたとさ、めでたしめでたし。合図を出すと人形たちストップモーション。

――ストップモーション後

シロ「どう! うまくまとめたでしょ」
クロ「やっぱり、ご都合主義」
シロ「なんだよー。面白ければそれでいいじゃん。面白かったでしょ?」
クロ「わざとらしい、のは好きじゃない。けど、意外と面白かった」
シロ「でしょでしょ、これで君もハッピーエンドのよさに目覚めたね!」
クロ「今のは、バッドエンドだから、面白い」
シロ「え、どこが?!」
クロ「だって、無気力な農民は粛清され、熱血は殺人犯。大臣のせいで反乱が起きた、きっと処罰される。妃も死んでるし、王は自らの愚かさを一生悔やむでしょ。そしてどんなに王が名君だって、いつかは、馬鹿王子が王になる。先のことまで想像したら、全然誰も、救われない。素晴らしい、不幸なお話」
シロ「うわー、台無し。妃も無気力くんも胸の中で生きているんだよ。だから、大臣も農民も許される。王子だって成長するかもしれないでしょ」
クロ「いや、それは、ない」
シロ「なんで言い切れるのさ」
クロ「格言。馬鹿は死ななきゃ治らない」
シロ「だーかーらー、彼は馬鹿じゃない! す・な・お、だってば!!」
クロ「そう、だっけ」
シロ「そうなの」
クロ「そう、なんだ」

シロ、客席に向かって話しかける。

シロ「ねえ、どうだった? このお話は、ハッピーエンドかバッドエンドか……」
クロ「それは、ひとりごと?」
シロ「違うってば。人間に話しかけてるの」
クロ「無駄、だと思う」
シロ「なんだよー、分かんないでしょ」
クロ「……馬鹿は死ななきゃ治らない、か」
シロ「なんかいった?」
クロ「別に。なんでも、ない」

暗転。人形元の位置へ。

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