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文芸の里コミュの詩集 6

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   ☆


 神秘の湖


 
その湖は、周りの樹々を溶かして暗緑に静まつてゐた。
――神秘の美しさね
とあなたは形容したが、私も同感したから、深く頷いてゐた。
握り合ふ掌に力がはひつて、私たちは同じ美しさを感じ取つ
てゐたはずだつた‥‥‥

 それから半年もせずに、あなたは理由も述べずに離れて行つた。
同じものを共有し合つたと信じてゐたのに。
 あなたの〈神秘〉に疑ひを持ちはじめた。

 やる瀬のない煩悶から、私は教会の門をくぐり、
神に敵対するサタンといふものの存在を知つた。
 もしやあなたに、あのときサタンの灰色の影が忍び寄つたの
だとしたら、あなたは今、しあはせであるはずはない―――

 こんな短絡な結論を下して、教会の案内状を出すのです。
よりを戻してくれなどと、迫るつもりではなく、私を救つ
た神に、あなた自身を委ねてほしいからです。あなたの
永遠の生命のために。



 バス停


 煙草を止めた男がゐた。
煙を吸ふといふ馬鹿げたことを
厭つたのである。
 煙をのみこむのは、
死体を焼かれる時だけでたくさんだ。
その時は、いやおう無く吸ひこまされ、
自ら煙と灰になり果てねばならぬ。

 ある午後、男がバス停に立つと、
吸殻いれの缶が煙つてゐる。
 山と投げ込まれた吸殻や鼻紙の上の
一本に、火が熾つてゐる。
風の煽りで、周りの吸殻に燃え
移らうとしてゐる。

 男は頚を傾げて傍観する。
 火のある一本をつまみ出し
踏み付けさへすれば、けりはつくが、
さうする気が起らない。
 たつた一本を消すことに、どんな意味があるか。
それ以外の汚濁を残しておくことに、
どんな理由があるか。
 すべての焼却こそ清算ではないか。

 火はやがて、周りの二、三本に移つて、
白煙は嵩を増して立ち昇り、吹き流される。
 男は川下に身を避けて傍観する。

 バスはまだ来ない。
火はさらに広がり、赤々と熾つてくる。
煙は掻回され、密集して昇り、流される。

 男は燃え尽きた缶の底に、灰がひつそりと
残されてゐるのを夢想する。
 だが、明朝の通勤時ともなれば、再び缶は
吸ひさしや鼻紙で一杯となるだらう。
 それを見ないためには、ここを立ち去るしかない。
二度と戻つて来てはならぬ。
 振り返つてはならない。

 男は教会の門に飛び込む気持で、
バスに飛び乗る。
 空缶からは、白煙がのろしのやうに上がつてゐる。



 乙女の傘


雨が降つてゐる。
黄色地にピンクの花を咲かせた美しい傘の
乙女が行く。
雨は 乙女の傘に弾けるときだけ
ぱつと明るく輝く。
車道を車がきて 泥水を撥ね上げる。
乙女は傘を盾にして 撥ねを防いでゐる。
車は 乙女の心臓と一体の傘を凌辱して走り去る。
乙女は汚れた傘を天に向ける。
雨よ しとどに降れ。
乙女の心を 汝の激しき愛によつて
洗ひ聖めよ。

雨は降つてゐる。
水溜りにさしかかり 悪魔の策謀とより考へ
られぬタイミングで 車が疾駆してゐる。
乙女は雨に洗はれた傘を 再び武器として戦ふ。

泥水は容赦なく撥ねかかり 乙女の心をづたづたに
して走り去る。
乙女は祈る心で傘を天に向ける。
雨よ 滝となつて降り 私を洗つておくれ。          
乙女は目的地に着くまでの道程 この繰返しだ。

地は汚し 天は聖め洗ふ。地はかきむしり
天は‥‥‥‥



 気配


君は「眼に見えない方」に仕へたいと
私には分からぬ言葉を残して
日本を離れて行つた。
私は眼に見える世界にとどまり
君と親しんだ風景の中へ
よろぼふやうに出かけたりしてゐたが
あるとき 山彦の如く響いてくる
眼に見えないものの気配を感じた。
「大きな喪失に耐へてのみ
新しい世界がひらける」
たまたま電車の中で見つけたこんな詩人の
言葉が現在の私の支へとなつてゐる。
大気は透明に澄みわたつてかがやかしく
ほかに拠り所とするものは何もなかつた。



 離陸


機が離陸すると、もう委ねるしかない心になる

自我の殻が弾けて、天空にすつぽりと投げ出される

このとき人は、星の一つにもなつてゐるはずだ

をののきは、新たな喜びにひたされてゐる



 丘


黄緑色の丘では、少女たちが縄跳びをしてゐる。
それを私は丘の下から見上げてゐる。
少女の頭上には、日が耀かに照つてゐる。
私の視界には、少女と太陽しかない。
背景は、焦げつく宇宙の海原。
縄を跳ぶ度に、少女は果敢に地上を飛出して行く。
ピンクのヴラウスの胸には、Y・Kの頭文字が、
ロケツトのネームのやうだ。
頬は燃焼し、大地を蹴つて脱出して行く。
太陽を目指すロケツトそのものとなつて。
少女は限りなく上昇して行く。
受け取るのは大空の愛






もう暇がない。
自然を謳つてゐる暇がない。
終りの日は、すぐのところに
迫つてゐるから。
自然を謳ふのも、もとはといへば、
創造の神を知つて貰ひたいためである。
草花も、樹も、鳥も、すべてこの神によつた。
さう聖書に書いてある。



 道


道を描くのをライフワークにしてゐる画家がゐた。
画家はキヤンパスを抱へては、到るところの道へ
飛び出して行く。
大通り、並木道、路地、公園通り、郊外の道、
田園の道、遊歩道、湖畔の道、林道、山径‥‥‥
画家は、一枚一枚精魂こめ、キヤンパスに色を
塗りこめていく。

納得いく絵は生れず、どいつもこいつも中途半端。
何か大切なものを欠いてゐた。
欠落せる生命―これこそが、画家の課題となつた。

晩年になり、画家はすべての道に共通するものを
発見して狂気した。狂気の発奮をした。
すべての道は、天に通じてゐることを忘れてゐた。
その忘却に気づいたのである。

画家は百号キヤンパスに、これまでのあらゆる道
を集めた一本の太い道を、白くまつすぐ天に向か
つて伸ばした。
道の突端には、コバルトブルーの大宇宙に、花火の
やうに星々を打ち上げた。

画家は夢でその道を昇つて行つたが、そのまま永遠
に目を覚まさなかつた。



 羊とアヒル


 野道を羊とアヒルが出かけていく。
「私たち、似た性質ねえ」
 アヒルが話掛けても、羊は知らん顔して、道端の草を食む。
知らん顔でも、いつもアヒルを目の片隅に入れてゐて、間が
離れると、さつと追ひかける。追ひかけながら、口をもぐも
ぐやつてゐる。

「私たち似た性質ねえ」
 アヒルがいくら言つても、羊は口をもぐもぐやつてゐるか
ら話せない。
 アヒルはいささかおかんむり。
池が見えたので、そちらへ走つて行く。
 羊は草をこいで追ひかける。
 アヒルは池にどぼん。
 羊は慌てて水際まで行つたが、厚い厚い羊毛の服では泳げ
さうもないから、
「メヘー、メヘー」
 と二鳴きして、忘れたやうに水をのむ。それから池を回つ
てアヒルを追ひかける。

 アヒルは向う岸について、翼をぶるるん、尾羽をゆさゆさ
とやつて水を切ると、また道に戻る。
 羊は息を切らせて池を巡り終へ、アヒルに追ひついた。

 さうやつて二匹はまた道を歩き出す。
 薄雲に入つてゐたお日さまが、顔を出してぱつと照りつ
ける。周りの世界がいつぺんに輝く。
 おや? その光り輝く前の道を、こちらへやつて来るのは
飼主なのだ。出先から帰つて来たところらしい。
「あれ、おまへたち、どこへ行くつもりだね。似た性質のも
のが、こんな遠くまで来ると、帰れなくなるぞ」
 アヒルはたまげたふうに首を伸ばして、きよときよとする。 

 アヒルは飼主を一ぺんに見直してしまつた。何故といつて、
自分の思つてゐるのと同じことを言つたのだから―
 二匹はくるりと向きを変へて、飼主の前を走りながら、ア
ヒルはまた言ふ。
「私たち、やつぱり似た性質ねえ」
 羊は知らぬ顔で、道端の草をすくひ取つては、駆けて行く。



 岐れ路


これからも時々会へるやうな挨拶をしながら
人は別れていく
永久の別れを――
そんなとき
元は同じ一本の道であつたことを
覚えていよう
そして 永遠を辿つていつたはるかな先では
神によつて結ばれてゐることを――



 燕よ


燕よ さすらひ鳥よ
今年もおまへは渡つてきたが 
おれには おまへを心から迎へ入れるゆとりがない
去年もさうだつた
来年こそはと思つてゐたが
それが今のありさまだ
しかしおまへは 
無愛想なおれには頓着せず
せつせとおまへの仕事を片付けていく
やがて 確信にみちた翼で 
南へ旅立つことだらう
さうやつておまへは告げていく
季節を 時を 時の短さを……



 信じなさい


「信じない」
 と言つたわけでもないのに
「信じなさい 信じなさい」
 と木霊が返つてくる

 少年の頃 ビンに文通を求める手紙を
入れて海に託した
 いくら待つても
返事はこなかつた

 それが今になり
夜の夢になつて返つてきた
 中味は
「信じなさい」

 それからといふもの
道を歩いてゐても 家にゐても ひねもす
「信じなさい 信じなさい」
 の声ばかり
 声は気泡のやうに空中に漂つてゐて
頻繁に耳に飛込んでくる
「信じなさい」

 ぐづぐづと日を送つてゐたある朝
出し抜けに声がかかつて
「おまへはまだ信じないのか!」
 さう言はれてつひ
「信じます」
 と応へてしまつた



 人形


フランス人形が、炎天の芝生に置き忘られてゐる。
眼は虚ろにとろんとして
何を見てゐるのか見当もつかぬ。
この人形の眼は、明らかに死んでゐる。

猫と犬が前後して訪れて
舐めたりひつかいたりしていつたが
生き返りはしなかつた。
この人形の作り手でない犬猫に
どうして命を吹き込むことができるか。
人形の創造主は、人間であるから―

人形の傍で、一人の女が仰向けに寝転んで
煙草をくゆらせてゐる。
女の眼の表情は物憂さうで
どこかフランス人形の眼を思はせる。
恋の経験も少なからずあり
一度目を抜かせば 真剣にはなれなかつた。
煙草は日に二箱。
アルコールも相当やる。
女を生き生きさせるのは 
並大抵のことではない。

女を人間の手で甦らせるのは 
もう不可能だ。
人間の創造主は神なのだから―
父なる神よ この女を生き返らせ給へ。
そのために試煉が必要なら
手足の一、二本折れてもかまはない。



 告げ歩く足


旅情とは その土地を二度と踏むことは
 ないと思ふときに湧いてくる。
どれほど その街をとらへ得たか。
 自信のないまま
旅を続けていかなければならない。

旅情といふよりは その街との惜別の思ひだ。
 もう列車のベルが鳴つてゐる。
一つの街との終幕を告げてベルは鳴つてゐる。



 A子の海


 精神病棟の大部屋の窓から、ささやかな海が見えた。
建物と建物のあはひに仕切られた、小さな小さな海である。

 日がな一日、海を眺めて安らいでゐる患者、A子がゐる。
海は、こぢんまりと区切られてゐるからこそ、自分の所有
とすることができた。
 大海原が広がつてゐたのなら、それはあまりにも畏れ多く、
とても彼女の手に負へないと見向きもしなかつたにちがいない。

 けれども、その海は小さく、狭く、A子に手頃だつた。
 それ故にこそ、宝物になつた。彼女はそこに愛玩動物を
飼つてゐるつもりでゐた。

 海は、日に日に色と動きを変へた。凪ぎ、ときに怒り狂つた。
「海、海、いいのよ、ヒステリーを起さなくて。あたしが
ついてゐるんだからね」

 その海は、ある日逞しい男たちが来て、杭を打ち込み、建築
現場に急変して、姿を消していつた。
 あとは来る日も来る日も、彼女の愛玩動物を打ちのめし、虐
待するばかりだつた。

 A子はたまりかね、たつた独りで談判に行つた。
 結果は、独房に閉ぢ込められ、ひねもす荒海にもまれて揺れ
動いてゐた。
 そんな憤懣怒涛の日々がどのくらゐ続いたことか………

 天井のはるか高みに、こんな所に天窓が抜けてゐたのか、
それとも心の窓であるのか、あの海よりさらに小さく仕切ら
れた天の海、碧空がきらめいてゐたのである。
 彼女は平和だつた。



 沼


沼の周辺は蕭条と枯れ果て
夏の生命の名残りは一つとしてない
老人は とろんと静まる水に釣糸を垂れてゐる
黄昏は彼の身に迫つてゐる
魚にも見放されて 引きは一度もこない

ものものしく羽撃いて
暮方の空を一団となつてくるものがある
鳥影は陸続と沼に着水して 
翼ををさめる

「今年も鴨が帰つてきたか」
胸をざわめかせつつ老人は呟く
「それに比べて 不孝ものの息子らは
寄りつかうとせん」
二人の息子は都会へ出て行つて 三年
も帰つてゐない

老人の中で 愛憎が入り乱れる
鴨へのいとしさも 我子を思ひ出させ
たことで 帳消しとなる
沼は暮れていくばかりだ

「今夜は 酒を増やさにや眠れんだらう」
老人は腹立たしげに竿を上げる

うきが動いたと見たのは 
鴨たちによる波立ちのせゐだ

ところで御老体よ
あなたこそ 天の父のもとへ帰る 心の
準備をすべきではないのかね……



 蜜柑の皮


精神病院には、変つた妄想を抱へる患者がゐるものだ。
B子の場合も、その一人にちがひない。
 夜、蜜柑の皮を持つて、他の患者の枕元を訪れる。そ
こで皮を広げて見せながら「ばあ!」とやる。
 寝てゐるところを急襲されるのもさることながら、広
げて突きつけられるのが、蜜柑の皮とあつて、気味悪が
られてゐる。
 丸ごとの蜜柑なら、あるいは豊かな心にもなつたかも
しれぬ。

 悲しいかな、B子の妄想の奥深さを知る者は一人とし
てゐない。一人一人が、別の妄想を宿してゐるが故に――
 残念ながら、当の彼女にも分つてゐない。

 二十数年の光ない歳月に、B子はいかほど太陽の明る
いあたたかさを求めてゐただらう。親や兄弟の愛、友人
の思ひやり、教師の理解………
 B子は悲惨な心の極点ともいふべき精神病院にきて、
蜜柑に太陽を仮託した。

 それなら何故、丸ごとの蜜柑にしなかつたのか。
 B子の頭には、しごく簡単である。中味を食べてしま
つたからでは断じてない!
 むいた皮の方が、太陽が大きくなるからだ。しかも、
何箇所も切れて広げたところは、太陽の光彩そのもので
はないか。

 ともかくB子は、闇に怯えて淋しがつてゐる仲間のた
めに、燃える大きな太陽を届けたかつたのだ。
 自分は、皮の裏側のぼそぼそした側に身を置く犠牲を
払つてでも――



 雨を呼ぶ


生ぬるい池に
まるで点景のやうに浮んでゐる蛙たちよ。
だるさうに手足を伸ばし
目だけを水から出して、空を見てゐる。
おまへたちの目には
雲のさまが手に取るやうに映つてゐる。

おまへたちは
懶惰に浮んでゐるわけではなくして
雲が一面に行き渡り
雨粒の落ちてくるのを待つてゐるのだな。

空は蛙たちの渇望に応へて
雨の気を漂はせてくる。
稲光がし、落雷が轟く。
蛙たちに異変が生じ
歓喜の合唱が沸き起る。
間もなく、まつ黒の天から
恵みの一、二滴が蛙の頭に弾ける。

雨は激しくなり、雷は炸裂して
蛙たちはときの声をあげつつ
陸へ這ひ登つて行く。
雨脚は、滝のすさまじさで地をうがつ。

蛙たちは
その天来の恵みを
全身に受け取らうとして
滝をよぢつて行く。
雲の奥は
薄ら明るくさへなつてくる
天へ天へと――



 弟


女の子は、隣家の二つ年下の男の子を
弟と呼んでゐた。
私の弟よ、とみんなに宣言もした。

女の子の母親に男の子が生れて
本当の弟ができた。
女の子なりに思案した後
本当の弟を下の弟とした。
男の子は、多少の気恥づかしさと
後ろめたさもあつたが
上の弟として、共に遊び、世話も焼かれた。
下の弟のお守りをまかされることもあつた。

女の子は、いつしか少女になり
男の子が学校に行くやうになつても
上の弟は変はらなかつた。
私の上の弟よ、と紹介した。

少女の采配の振るひ方は
下の弟と待つ炊く分け隔てがなかつた。
物の分け方も同じなら、怒り方も同じだつた。
むしろ年が多いからと
下の弟より多く与へたりした。
下の弟は地団駄踏んで悔しがり
母に言ひつけに走つたりした。

少年になつた男の子に
後ろめたさはずつと尾を引いていつた。
弟呼ばはりをやめてくれと
強く迫らうとも思つた。

それもできないまま延び延びになり
少女は高校生になつたが
やつぱり弟は変はらなかつた。

高校を卒へて、娘になると
まだ高校生の上の弟を
教会へ連れて行つた。
そこでは、みんなお互ひに
兄弟姉妹と呼んでゐた。

上の弟は、ここで初めて
永い負目から脱け出て
正真正銘の弟になつてゐた。
いや、今までのままでよかつたのだとの確信から
「姉さん」
 と初めて呼んだ。
「なあに」
 さう応へた姉は、逆に頬を赤らめてゐた。



 少女とエレベター


 ビルの屋上から地下まで
エレベターで繰返し昇り降りしてゐる少女がゐる。
 訝り尋ねる男に
少女はこともなげに答へたものだ。
「一度往復したら、一年なのよ。さうやつて私、
早く大人になりたいの」

 男が仕事を片付けて戻つてくると
ビル前の広場で少女と出合つたから
 もう大人になつたのかと尋ねた。
「いや、私もう一生を終へたのよ」
 それで今は、天国にゐるのかね、地下なのかね。
 少女は地の下を指差す。
 なぜ?
「神様に出合へなかつたもん」
 少女はそのせゐかどうか
淋しさうにむかうを向いた。
 ではもう一度、明日からやり直しなさい。
「さうする」
 少女はあつさり答へて、風のやうに行つてしまつた。


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