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マジシャンのすべらない話コミュのちょっと心温まる話(届かなかった手紙)

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この話は、ボランティアのマジックがきっかけで、養護施設に長年勤める事になった友人のマジシャンYさんから、最近聞いたお話です   
マジックとは直接的に関係ないお話なので迷ったのですが、あまりに暖かい実話なので載せることにしました。                       Yさんの施設に二人の兄妹が引き取られてきました。             お母さんが病気で死んでから、父親が酒浸りになり、働かなくなって育児放棄して、どうしようもなくなり施設に引き取られたとの事。

お兄ちゃんは中学一年生T君と云います。
                                    妹は小学二年生のA子ちゃん。年も五才離れているからか、お兄ちゃんは、妹の事がどこに行っても心配で、そして可愛くて仕方のない様子でした。                                         二人は仲良くって 、ご飯を食べるのも一緒、寝るのも一緒、どこに行くのも一緒でした。Yさんはこの兄妹が、可愛くていじらしくて、仕方なくて、いつも構っていました。                                                                  ある冬の日妹のA子ちゃんから、相談があるということで、Yさんは仕事が終わっても帰らずにA子ちゃんと、施設の食堂に残っていました。                                           「あのねY先生、昔、肩がこったとき、肩たたきしたら百円おこずかいくれたでしょ〜私どうしてもお金が欲しいの!これを買って欲しいの!」
                                   「何かな?これは」                          
                                   「肩たたき券なんだけど!」                                                           「いくらあるの?」                                                              「30回だよ」                                                                 「ということは、三千円だね〜何を買うの? 」                                                   「 今の私のおこずかいと足してお兄ちゃんの手袋買うの」                                             「手袋?」                                                                   「うん!お兄ちゃん、いつも朝と夕方新聞配達してるんだけど、手が冷たそうで可哀想なの だからクリスマスプレゼントを買いたいんだ!}                                            「解ったよ、買うよ!」                                                            「有り難う!Y先生大好き!」                                                           Yさんは、知ってました。お兄ちゃんのT君は A子ちゃんの施設でくれる身の回り以上の物を買う為と、将来の二人の生活するためにコツコツ貯金していたのです。自分の物は一切買わずに……                                                          そして、クリスマスの日、A子ちゃんはお兄ちゃんに手袋のプレゼントを渡しました。                                                                    「ちょっと大きいかな?」                                                            「そんな事ないよ!暖かくて嬉しいよ!有り難う、A子!」                                            「お兄ちゃんこそ、有り難う!くまのぬいぐるみ!」                                                二人は嬉しそうでした 。                                                              しかし…… 翌年、A子の里親になりたいと言う夫婦かあらわれました 。
                                    何でも、A子と同じ年頃の女の子を病気で亡くして以来、ずっと泣き暮らしていたのですが 偶然、A子を見て 是非とも、引き取りたいとの事でした。

「それならお兄ちゃんのT君も一緒に里親になってくれないですかね?」Yさんは園長先生にいいました。                       「それがね、A子だけしか‥…」                     「だったら断りましょう!」                       「いや、里親の方はお金持ちだし、人格的にも申し分ない方だよ〜将来A子ちゃんの為を考えれば悪い話ではないんだがね…」              「そんな〜二人は納得しないですよ」                                                        ところが、お兄ちゃんのT君はこの話を聞いて、じっと考えてこう答えました。    
                                    「本当によいかたならばお願いします。」                                                  「え?」Y君は耳を疑いました!                                                        「A子の将来の事を考えれば、きちんと教育も受けれるし、何でも買って貰えるなら、今みたいに何でも我慢させてやるよはりいいかも、 でも約束してくださいね〜必ず、二十歳になったら、会わして欲しい!そして、もし一緒に暮らしたいと本人が言ったら、そうしてほしいと!」                                                     里親に園長先生がその旨を伝えたら、里親は大喜びでした。

しかし、説明を、園長先生からしてもらってもA子ちゃんは納得しません。
    
いやだいやだと泣くばかりです。

最終的にお兄ちゃんのT君から説得することに。
    
「お兄ちゃん!行きたくないよ〜ずっとお兄ちゃん!のそばにいていいでしょ?」

「だめだよ!今度行くお家のお父さんとお母さんになる人は本当にいい人だよ!どこにでも連れて行ってくれるし、おいしいもの 
たくさん食べれるんだよ、お前が行きたがっていたデイズニーランドも連れて行ってくれるよ。」

「お兄ちゃん!そんなに私がいらないの?もうわがまま言わないから、服もお下がりでいいから、遊園地に連れて行ってって言わないから」
 
「お兄ちゃんはもう、お前の面倒見るのに疲れたんだよ〜」

「そんな〜〜」
                                A子ちゃんは、さんざん泣きましたが、最後は泣く泣く承知しました。
    
 最後に、A子ちゃんは園長先生に向かって言いました。

「お兄ちゃんをよろしくお願いします!」
    
 二人とも涙でボロボロになっていました。

「どっちが年上かわからないなあ〜」とYさんは笑いましたが 二人の心がわかるだけにつらくてつらくて、思わずもらい泣きしてしましました。 」

    そして、別れの日になりました。

つらかったのでしょう
お兄ちゃんのT君はとうとう部屋から出てきませんでした。

A子ちゃんがもらわれていってから、しばらくすると
T君は、ぐれていきました。
寂しかったのでしょう。
気持ちの持って行き場がなくって、よく傷害事件を起こしては自坊自棄になっていました。

ある日、警察から電話がかかってきて、T君を園長先生の代わりに 迎えに行ったYさんは、警察でT君に言いました。
    
「お前の気持ちはわかる!しかしいつまでも面倒ばかり起こしていたら
A子はどう思うかな?お前が立派な大人にならなければ、A子と
いつまでたっても一緒に暮らしていけないぞ!A子のために頑張るん だ!早く一人前の大人になるんだよ!!」

その一言でT君は変わりました。
悪い友人ともきっぱりと縁を切り
手に職をつけるために中学を卒業したら、大工職になるべく親方に弟子入りしました。そして自立しました。
   
そして、会いたい気持ちはありましたが、じっと我慢しました。
妹からは手紙が最初のころはしょっちゅう来ていましたが、そのうち
来なくなりました。

そして、時は流れていまだにTさんは25歳になっていました。

ある時、施設のほうにお兄さんのTさんに妹のAさんが、あと三ヶ月後に20歳になるので、会いたいから連絡を取ってほしいと連絡があったのですぐさま、園長先生はT君に連絡をとりました。

そして、A子ちゃんのお誕生日であるクリスマスイブの日に
会うことになりました。

Tさんは、ドキドキしていました。Yさんにも相談を。。。

「A子は俺のこと覚えてくれてるかな?
  
嫌がられたらどうしよう? 」
 
「大丈夫だよ!」Yさんは笑いました。

「いよいよだな〜!よかったな〜 」

しかし。。。。。。。。

信じられないことが起こりました。

あと2週間でA子ちゃんが二十歳になろうという時に。。。。

お兄ちゃんのT君が家の屋根から落ちてしまいました。

あっと言う間のことでした。

すぐさま、A子ちゃんのもとにYさんは連絡を入れました。

「A子ちゃん、久しぶり」

「Y先生、お元気ですか?」

「それよりも、お兄さんが屋根から落ちて大変なんだ
 すぐ来てくれるかな?」
「え?兄がですか?」

なんかA子ちゃんの様子が変です。

「兄は、本当に私に会いたいのかな?」

「なんでそんなこと言うの?」

「だって、私はたくさん手紙を出していたのに一通だって返事くれなかったし、20歳になるって言うのに、連絡さえくれないし、もう私のことなんか忘れているんだって思っていたの。。。お兄ちゃんは私のこと
どう思っているの?私は忘れたことなかったのに。。。。」
とA子ちゃんは泣き崩れました。
Yさんは、目をじっと見て言いました。

「会ったらわかるよ!それよりも、思ったより危ないんだよ〜!
早く支度して〜」

すぐに、支度してA子さんと一緒にYさんは病院へ。。。。


Tさんは意識がなくずっと集中治療室に居ました。

お医者様から「ご近親の方はおられませんか?」という言葉が。。。
すぐに!
A子さんはTさんの寝室に行きました。
そして、手を取って言いました。
「お兄ちゃん!やっと会えたというのに何でよ!!」
 私がどんなに会いたかったかわかる?
 お願い!一人にしないで〜!」


A子さんは大声で泣きじゃくりました。

今まで意識がなかったT君が。。。目を覚ましました。

「A子。。。。会いたかった。。。。。

本当に会いたかった。。。。。

最後に、もう一度顔を
見せてくれ〜〜

綺麗になったな。。。。

幸せになってくれよ。。。。」

そして。。。。数時間後。。。T君は息を引き取りました。

そして。。。

YさんはT君の遺品をA子さんに後日渡しに行きました。

「身の回りを整理してたらこんなものが出てきたよ」

Yさんは大きな袋をA子さんに渡しました。

「これ?何?」

「実は、こんなものが出てきたんだ。。。。」

見ると、中から数百枚の手紙が。。。。。

そう、これはA子さんあてに書かれた、送られなかったTさんの
手紙だったのです。

{○月○日、A子は元気にしていますか? 僕はお前がいなくて
寂しいよ。。。でもこの手紙を送るとお前に里心つくかもしれないので
送らないでおきます。いつか、お前に会えたときに読んでもらうよ。。。でも寂しいよ。。。本当に寂しい。。。おいしいものは食べられたかい?いつか大人になった時、一緒においしいものをたくさん食べようね〜!}

{○月○日、お誕生日おめでとう もうすぐ離れてから五年になりますが元気ですか?僕は、元気です。この手紙が届かないのはわかっていますがどうしても書きたくて。。。お前にもらった手袋大切に使っているよ!とっても暖かいよ!いつも、お前のこと考えています。いつか一緒に住めるように貯金をしています。もう150万もたまったんだよ!
風邪引かないでね}

そして、最後の手紙には。。。。

{○月○日、お前に会えるのにあと数週間だね!本当に待ち遠しいよ
実は、養父母の方から連絡貰う前にこちらから連絡しようと思っていたんだ、連絡をもらって本当にうれしかったんだ!どうやらいい人みたいだね。よかった!もし一緒に住めないとなっても、会うのは許してくれそうかな?早く会いたいよ!}


すべての手紙をA子さんは読みながら何度も涙を流し続けました。
体中の水がなくなるかと心配するほどでした。


そしてA子さんは、Tさんが貯金していたお金をすべて
施設に寄付しました。

そして。。。

毎年、クリスマスイブの日には必ずお兄さんのお墓に行くそうです。
手袋を持って。。。。


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