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マジシャンのすべらない話コミュのちょっと心温まる話14

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この話はもうこの世にいない先輩マジシャンKさんの大切なお話です。
Kさんはデパートのマジックコーナーの売り場でデイーラーとして
頑張っておられました。当時マジックは、それほど今ほど流行しておらず、せいぜいデパートで売り子としてみんなに見せて面白いと思ったら
買ってもらうという風な営業でした。ある日、いつものブースでマジックを見せていたら、お母さんに連れられた小さな男の子がじっとこちらを見ているではないですか。「僕マジック好きなの?」「うん、僕も好きなんだけど妹が大好きなんだよ!」聞けば一週間前に、家が火事になり
逃げ遅れた妹さんは煙を吸って現在は意識不明の重体だそうです。妹を助けに火の中に飛び込んだお父さんは残念ながら亡くなったそうです。
男の子は妹が目を覚ました時に元気づけるためにマジックを買って
練習すると言っていました。
お兄ちゃんの男の子は、なんで自分が逃げた時に妹の手を
離してしまったのかといつまでも後悔していると言っていました。
「もし、妹が目を覚ましたら僕のことを怒ってるんだろうなあ
許してくれると思う?おにいちゃん!」
「大丈夫だよ!しょうがなかったんだから」
「そうかなあ?」
お兄ちゃんの男の子はちょっとうれしそうにしていました。
「よし!妹が喜ぶマジック教えてよおにいちゃん!」
「いいよ!
がんばって覚えなよ!!」
そしてKさんは
簡単だけど素敵なマジックを教えてあげました。そばで見ていた
お母さんが心配そうに見ています。あの〜それはいくらくらいですかね
火事で何もかも焼けてしまって、お金があまりないので〜〜
いいですよ、これは、亡くなった妹さんのためにあげます。ですから
元気出してくださいね。
ありがとう!おにいちゃん!
また来るね!!
おう!!
いつでもおいで!!

そして、2週間がすぎて

また、あの男の子がやってきました。

「おにいちゃん!こんにちは」

「あれ?今日は一人?」

「そう、実はうれしいことがあったの」

「何?」

「妹が目を覚ましたの!」

「よかったねえ」

男の子はとても嬉しそうです

「でね!一生懸命マジックするんだけども
すぐに種がわかっちゃうんだ」

「そうなんかあ」

「でね?」

「お兄ちゃんにお願いが!」

「何?」

「妹の病室でマジックしてもらえないかなあ」

「え?」

「実は、もう妹にすごいマジシャンの人連れてくるからって
言っちゃった」

「え〜〜〜〜」

おにいちゃんは仕事あるんだけどなああ〜〜
Kさんは困りました

でも

一日だけお休みがもらえたので

その日は 妹さんの病院へお見舞いに行きました

病室にいたお母さんはびっくり!

お休みの日に来てくれたということで
すごく感謝されました

「そんな、この子のわがままですいません」

「いいですよ!どうせ暇ですから」

「お兄ちゃん!本当にマジシャンのお兄ちゃん
来てくれたんだ〜〜」

「だろ!約束したとおりだろ」

「うん、お兄ちゃんありがとう」

妹もお兄ちゃんもとてもうれしそうです

そして、Kさんは楽しそうなマジックをできる限り
してくれました。

病室では、噂を聞きつけて
さいごには
病室が見物の患者さんでいっぱいになりました。

最後は

病院のみんなから
ありがとう!!といわれなんか照れくさいやら
恥ずかしいやらで

Kさんは帰って行きました。


今日はみんなよろこんでくれたなあ
とても満足していた
K君のもとに
いましがた行っていた病院から電話が、、、、

「おにいちゃん!!
妹が、、、
今さっき
死んじゃった」

「え?」

そして
男の子のお母さんが
かわりに
電話に出てくれました


「先ほどは本当にありがとうございました
たった今、容体が急変して
娘が亡くなりました
意識を取り戻してから
最後の会話もできましたし
楽しい時間が過ごせて
本当に感謝しております」

そして

また、男の子が電話に出て言いました
ほとんど声にならないくらい泣いていました
「お兄ちゃん
本当にありがとう
僕のマジックを
妹はすごく気に入ってくれたんだよ
マジック教えてくれて
ありがとうね
そして
妹は僕が手を放したことを
許してくれたんだよ
こんな
だめなお兄ちゃんなのに
、、、ううう」

「お兄ちゃんのマジック
また見たいって
言ってたの

もう見せてあげられないけど」
、、、、、、

「そんなことないよ」
Kさんは
男の子に電話口で言いました

「妹さんは

いつも君のそばにいるよ
だから

これからも
マジックがんばって
練習しなよ

僕が教えてあげるから」

「うん

おにいちゃん

ありがとう」


それから十数年すぎてから

Kさんは病気で亡くなってしまいました

そして、男の子は、一人前のマジシャンになったそうです

Kさんの葬儀にも来ていたそうです

そして機会がある時にいつでも
その当時の話を懐かしく語ってKさんの人柄をしのんで
いたそうです。



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