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一流トレーナーをめざそう!コミュのスポーツ科学フォーラム開催

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AQUARIUS Presents スポーツ科学フォーラム開催決定!!

入場無料!!ご予約はお早めに!!

【東京会場】先着400名
<内容>
第一部 筑波大学大学院人間総合科学研究か・徳山薫平教授
「血糖変動と自給的な運動パフォーマンスとの関係についての研究」
第二部 奈良女子大学生活環境学部・鷹股亮准教授の講演
「暑熱環境下での水分摂取と運動パフォーマンス」
第三部 アスリートパネルディスカッション
 パネラー   古賀稔彦氏(バルセロナ五輪金メダリスト)
        中畑清氏(元プロ野球選手)
        鈴木大地氏(ソウル五輪金メダリスト)
 モデレーター 長田渚左氏(ノンフィクション作家)
<日時>7月8日(日)13時30分開場 14時開演予定
<場所>丸ビルホール 
    〒102-6307 千代田区丸の内2−4−1丸ビル7F
<アクセス>
JR東京丸の内南口から徒歩1分、地下鉄丸の内線「東京」駅より直結、地下鉄千代田線「二重橋前」駅より直結

【大阪会場】先着300名
<内容>
第一部 筑波大学大学院人間総合科学研究か・徳山薫平教授
「血糖変動と自給的な運動パフォーマンスとの関係についての研究」
第二部 奈良女子大学生活環境学部・鷹股亮准教授の講演
「暑熱環境下での水分摂取と運動パフォーマンス」
第三部 アスリートパネルディスカッション
 パネラー   古賀稔彦氏(バルセロナ五輪金メダリスト)
        高木豊氏(元プロ野球選手)
        宋茂氏(ソウル五輪金メダリスト)
 モデレーター 長田渚左氏(ノンフィクション作家)
<日時>7月16日(月・祝日)13時30分開場 14時開演予定
<場所>毎日新聞ビル オーバルホール
    〒530−8251 大阪市北区梅田3−4−5
<アクセス>
JR大阪駅(桜橋口)から徒歩8分、JR環状線福島駅から徒歩5分、阪神梅田駅から徒歩5分、地下鉄谷町線西梅田駅から徒歩5分

お申し込みはこちらから↓
定員になり次第締切りとなります。

http://www.cc119.jp/

コメント(10)

まいたけさん
書き込みありがとうございます。

残念ながら私は名古屋ですので気軽にはなかなか参加することが難しいですが、
皆さん 入場無料ですし、東京・大阪近郊で勉強されたい方は検討されてもいいのでは?

皆さんお気軽に書き込み下さいね!
長女の輿入れにつき、両家打ち合わせの緊急所用で
出席がかないませんでした。
う〜ん、誠に残念。。。でしたがまん顔がまん顔がまん顔
やっと、同フーラムの詳細が一部開示されましたので
ご移牒します。

スポーツ指導者のためのオススメセミナー情報スポーツ科学フォーラム

AQUARIUS Presentu 
第3回スポーツ科学フォーラム

 先月8日に東京(丸ビルホール)で、16日に大阪(毎日新聞ビル オーバルホール)で開催されたスポーツ科学フォーラムは、両会場とも3部構成で行われ、

 1部では徳山薫平先生(筑波大学大学院人間総合科学研究科准教授)が「血糖変動と持久的な運動パフォーマンスとの関係についての研究」を、
 2部では鷹股亮先生(奈良女子大学生活環境学部准教授)が「暑熱環境下での水分摂取と運動パフォーマンス」と題した内容の講演を行いました。
 3部ではアスリートパネルディスカッションが行われ、東京会場は、パネラーに古賀稔彦氏(バルセロナ五輪金メダリスト)、中畑清氏(元プロ野球選手)、鈴木 大地氏(ソウル五輪金メダリスト)を迎え、大阪会場は、パネラーに古賀稔彦氏(バルセロナ五輪金メダリスト)、高木豊氏(元プロ野球選手)、宗茂氏(旭化成陸上競技部顧問)を迎え、両会場とも長田渚さん(ノンフィクション作家)の軽快な司会進行によって、楽しくためになるパネルディスカッションが行われました。

 今回レビューでは、夏場のトレーニングや試合を乗り切るためにも知っておきたい役に立つ情報が詰まった1部、2部で行われた講演の詳細をご紹介します。




スポーツ科学フォーラム
東京・大阪会場レビュー
 第1部 |  第2部

第1部講演
 「血糖変動と持久的な運動パフォーマンスとの関係についての研究」
 徳山薫平先生(筑波大学大学院人間総合科学研究科准教授)

人間の血糖値は明け方が一番低い
 CGMSの説明をされる徳山先生/BBM PHOTO
 私の研究室では、血液中のブドウ糖の濃度、つまり血糖値を測定する機械を使用して「何かスポーツ選手の役に立つことができないだろうか」という実験を行っています。この携帯用の血糖測定器ですが、ベルトに装着し、お腹の辺りに1cm弱のプラスチック製の針を刺し、バンソウコウで固定して計測します。そして、3日間の数値を機械に記憶させ、コンピュータで解析した3日間の血糖値データを、5分間ごとに記録していくわけです。

 健康な人の血糖値は100mg/dlくらいで、食事を摂ると120mg/dlくらいまで上がります。しかし、それ以上に血糖値が上がらないように、すい臓からインスリンというホルモンが血液中に分泌されます。そして、上昇した分の血液中のブドウ糖は肝臓や筋肉へ行ってグリコーゲンとなって蓄えられます。

 ところが、糖尿病の患者さんはインスリンの働きが芳しくないので、何か物を食べると血糖値がポーンと上がり、健康な人の2〜3倍のブドウ糖が血液中に現れるわけです。一見すると血液中にブドウ糖がたくさんあると栄養豊富でいいように思えますが、本来は肝臓や筋肉に行くべきものが腎臓へ行き、尿に混じって排出されるわけですから、エネルギーとして活用されないということになります。

 また、糖尿病の患者さんは血糖値が高いことに加えて、数値の上下動が激しく、なかなか安定しません。食事をした後に血糖値が400mg/dl近くまで上がるケースも見られ、そのために朝・昼・夕食の前後、就寝前と1日4回、インスリンを注射して血糖値が高くならないようにコントロールしながら生活をしている方もいます。しかし、インスリンを大量に投与すると、今度は低血糖になる恐れがあります。

 通常、起床前は血糖値が一番低い状態にありますが、糖尿病の方は、明け方から早朝にかけて血糖値が上昇する“あかつき現象”を引き起こすことがあります。同じような現象は健康な方にも起きるのですが、健康な方はインスリンが作用して血糖値を適当な値に留めてくれます。

 血糖値が低下すると体はエネルギー不足になるので、肝臓からブドウ糖をたくさん出して低血糖から元の状態に戻そうとします。そのため、起床時には血糖値が低めの状態となり、なおかつ肝臓のブドウ糖も枯渇します。ですから、朝食をしっかり摂取してエネルギー補給をすることが大切になるわけです。もし朝食抜きで通勤や通学をすると、その最中に今度は筋肉がブドウ糖をどんどん使って、低血糖になる可能性もあります。

 朝食前にスポーツ選手は朝練習をしますが、一番エネルギーの枯渇した状態で運動をして大丈夫なのか、低血糖にならないのかという疑問が湧いてきます。また、朝に限らず、激しい運動を長時間した後に低血糖にならないのでしょうか。この疑問を解決するため、携帯型の血糖測定器を使用して、いくつかの実験を行ってみました。             つづく

健康な陸上選手はハードな朝練習をしても低血糖にはならない  以前、筑波大学の陸上選手に朝練習時に装置を付けてもらい、1日の血糖値の変動を調査したことがあります。結果から言えば、健康体ですから血糖値はあまり変動しませんでした。これはすい臓から出るインスリンにより、食事の摂取などによって上がった分の血糖は筋肉や肝臓に運ばれて、きちんと蓄えられているからです。この選手は起床後しばらくして、朝練習で20kmを走りました。朝食前に20kmも走って低血糖にならないのかということですが、ある距離からスパートをしたところ、血糖値はどんどん上がっていきました。

 もちろん何のエネルギー補給もしていません。走っていると筋肉がどんどんブドウ糖を使うので、血液中のブドウ糖は減るはずですが、実際は増えています。これは肝臓から血液中にブドウ糖が送られているからです。つまり、健康な陸上選手は20kmほどの距離を完走できるエネルギーを、肝臓に貯蓄しているのです。ただし、体調がベストコンディションである、つまり、前日に3食しっかりと摂取している、風邪などをひいていないという条件はあります。

 先の実験ではありませんが、別の陸上選手に、やはり朝食前に距離は短いのですがスピードを上げるペース走の練習をしてもらいました。練習を始めると血糖値が30mg/dlくらい上がりました。これは食事をした後と同じくらいの数値の上昇で、1時間ほどの朝練習を難なくこなしています。しかし、練習後は肝臓のエネルギーをほぼ使い果たした状態になりますから、しっかりと朝食を摂取して、きちんと栄養を補給することが大切です。



マラソン選手の血糖値の変動について
具体例を挙げた説明は参加者の理解を高めてくれた/BBM PHOTO
 私の研究室では、いろいろな種類の運動と血糖値の関係について実験をしていますが、運動を1時間以内の運動と1時間を超える運動に分けて考えたいと思います。1時間以内の運動であれば、健康できちんと3食を摂取しているスポーツ選手は、前述の陸上選手のように、運動をサポートするエネルギーが肝臓の中に入っていますので、血糖値が大きく変動することは少ないはずです。では1時間を超える運動、陸上競技でいうとマラソンはどうでしょうか。

 本当のレースではなく実験のために、ある選手に筑波大学近くの公園にある周回コース42.195kmを完走してもらったことがあります。この選手も朝起きる直前が血糖値は一番低く、起床すると血糖値が上がります。健康な人は目が覚めると、体は動くための準備を始めるわけです。朝食を摂ると血糖値が上がり、昼食後にも上がりました。

 そして午後3時、実験マラソンのスタートです。途中までペースメーカーの人に誘導してもらいましたが、残り10km過ぎからスパートして、この実験で彼は自己新記録を更新しました。マラソン中、彼の血糖値は上がっています。上がった分のブドウ糖は筋肉へ運ばれて、うまく燃焼されます。それを感知した肝臓がブドウ糖を出して補給していく。この循環がうまくいって好タイムが出たわけです。ゴールした後も血糖値は少し上がっていますが、これは運動をやめてもしばらく肝臓からブドウ糖が血液中に送り込まれているからです。

 「つくばマラソン」というレースを走った選手は、起床前は血糖値が一番低く、朝食後に上昇しました。このレースは昼前のスタートで、昼食は摂らずにのぞみましたが、マラソン開始と同時に彼の血糖値は上がっていきます。前半は快調な走りでしたが、後半30km過ぎになるとペースが落ちました。足が止まり始めた時間と、血糖値が下がり始めた時間がほぼ同じです。レース中に120mg/dlくらいまで上がっていた血糖値が80mg/dlくらいまでダウンしました。ブドウ糖の欠乏によって筋肉がうまく動かなくなったことが考えられます。

 このように2時間くらいの運動では、健康な選手であってもエネルギー切れが起こることがあり、それを想定した作戦を考えておく必要があります。マラソンは昼ごろのスタートが多く、昼食を摂らずに走る選手がほとんどのようです。しかし、自己新記録を出した選手は朝食と昼食を摂取した後にマラソンを走りましたが、この1食分が大事なポイントになりそうです。

 マラソンレースでは30km付近でペースが落ちる光景をよく見かけます。2003年の東京国際女子マラソンでは、エチオピアのアレム選手が優勝しましたが、みなさんは高橋尚子選手が負けてしまったレースとして記憶に残っているのではないでしょうか。後半にスパートした高橋選手がまさかの逆転を許したレースです。                    つづく
その敗因について、「高地トレーニングの効果はどうだったのか」「レース中の水分補給に問題はなかったのか」などいろいろなことが論議されましたが、当時の小出監督が「もう一切れのおもちを朝に食べていてくれたら」ということをおっしゃっていました。これは運動と栄養の重要性を示唆する発言で、スポーツ栄養学にスポットが当たるきっかけにもなりました。

 肝臓と筋肉のグリコーゲンが運動エネルギーの源になる 私たちが運動中に使っているエネルギーは、筋肉と肝臓に蓄えられているブドウ糖=グリコーゲン(筋グリコーゲン300g、1200kcalや肝臓グリコーゲン75g、300kcal)にあります。筋肉中のグリコーゲンは筋肉で使われ、肝臓のグリコーゲンは一度ブドウ糖となって血液中を流れ、筋肉や脳などに送られます。血糖は5g、20kcalしかないため、肝臓から血液中にブドウ糖が供給されなければ、すぐに低血糖の状態になってしまうわけです。

 低血糖状態を回避するためのもう1つのエネルギー源は体脂肪(〜30000kcal)です。やせている人でもマラソンを数回走る分くらいの体脂肪があります。これは燃料切れになることはありませんが、うまく燃焼させることが難しいとされています。そこで筋肉中のグリコーゲンの量を増やす方法=グリコーゲン・ローディングが数十年前にヨーロッパの研究者によって開発されました。

 通常、食事の後に激しい運動をすると筋グリコーゲンが枯渇しますが、また食事を摂取するとグリコーゲンが増えていきます。これを超回復理論と呼んでいます。こうした通常の食事摂取でもよいのですが、3日間くらい炭水化物を含まない食事をするとグリコーゲンがからっぽの状態になります。そうしますと筋肉がグリコーゲンをすごく要求する状態になり、ここで炭水化物や糖質の食物、米類や麺類などを摂取するとグリコーゲンが飛躍的に増加するというのがグリコーゲン・ローディングの理論です。

 これを実践するには1週間くらいのスケジュールが必要ですから、週1回以上の試合をひかえる選手は無理ですが、1年に数回レースを走るマラソン選手などは有効な手段になると思います。ここまで極端な食事をしなくても、練習や試合の後にしっかりと炭水化物や糖質を補給すればグリコーゲンは増えます。ですから、運動選手は毎日の食事で必ず炭水化物を含む食物を摂取し、できるだけ多くの食材から豊富な栄養を補給することが大切になります。しかし、ハードな練習の後では食欲が落ちることもあります。選手の練習メニューを理解できる競技経験者が食事メニューを作成するのが理想といえます。

 しっかりと考えられた食事メニューで栄養を摂取できる環境が整えられたのなら、1日の中でいつ練習するのが効果的なのでしょうか? 筑波大学の研究所には「人間が吐き出す二酸化炭素の濃度から、どれだけ炭水化物を燃焼しているか」を計測できる“ヒューマン・カロリーメーター”という装置があります。運動選手に同装置を設置した部屋に入ってもらい、1日のデータを測定しました。

 結果、朝昼晩の食事後に炭水化物の燃焼量が増えて、少しずつ減っていきますが、エネルギーの貯蓄が見られました。つまり、朝食のエネルギーが残っている状態で昼食を補給し、さらにエネルギー貯めていくわけです。ですから、昼食を食べずに走るマラソンと食べて走るマラソンではエネルギーに大きな差があるのです。今後も、エネルギーの燃焼と運動する時間帯の関係について、さらに研究を続けていきたいと考えています。 つづく
第2部講演
 「暑熱環境下での水分摂取と運動パフォーマンス」
 鷹股 亮先生(奈良女子大学生活環境学部准教授)
心拍出量と運動量は比例する 日常から運動をしている人でも運動をしていない人でも、同じ酸素摂取量=運動強度、つまり同じ強度の運動を行った場合には、最大の心拍数は同じです。では、なぜ運動能力が異なってくるのかというと、運動している人は心拍出量をたくさん増やすことができるからです。心拍出量とは1分間にどれくらい心臓から血液を送れるかを示す数値ですが、運動している人は1回に心臓から送る血液の量が多いという特長があります。これに対して運動をしていない人は1回に少量の血液しか心臓から送ることができません。この差が運動能力の違いとなってきます。

 強度の高い運動ほど心臓から血液をたくさん送り出さなくてはいけないのですが、増えた分の血液は筋肉に行くわけです。筋肉中の血液が増えるということは、酸素の供給をしていることになりますから、より強度の高い運動が可能になります。

 では、心臓から血液をたくさん送り出すにはどのようにすればよいのか。そのためには心臓が1回にたくさんの血液を吐き出せばよいのですが、心臓は返ってきた血液よりも多い血液を送り出すことはできません。ということは、まず心臓により多くの血液が戻ってくることが必要になります。その量を静脈還流量といいますが、たくさんの血液が返ってくると心臓は大きく脹らみ、1回に多くの血液を送り出すことができるようになります。

 血液の量が多ければ酸素摂取量も多くなり、有酸素運動をする上で極めて有利になります。つまり、血液の量を維持することが持久的運動を行う上で重要になり、血液の量が増えれば運動量も増えるというわけです。



運動時の体温調節と発汗について
夏場に役立つ情報を講演された鷹股先生/BBM PHOTO

 次に運動時の体温についてですが、運動を開始すると人間の体温は上昇します。これは運動によって筋肉での熱放散が増え、熱がたくさん作られるからです。しかし、運動強度が低いと体温の上がり方は少なく、一定値でストップします。ところが、中程度の運動=最大酸素摂取量が60〜70%くらいの運動を行うと40分くらいで体温は約1度上昇し、強度の高い運動を行った場合はさらに上がり続けていきます。つまり、体温の上昇は運動強度によって決まるわけです。

 では、体温が上がったらどのような体温調節が起こるのかということですが、2つの調節系があります。1つは皮膚血管の拡張です。運動をすると顔が赤くなったりしますが、これは皮膚血管の血流が増えて拡張するから起こることです。血流を増やすということは体の内側の熱を外側に運び、その熱を体外に放出するラジエターのような働きに似ています。体温が上昇すると発汗が起こり、蒸発することによって熱が奪われていきます。しかし、ポタポタ落ちる汗は蒸発しません。これは無効発汗といって、体温調節には効果がありません。

 この体温調節は体に対して、どのような影響をあたえるのでしょうか。まず、暑い環境と寒い環境の時の運動状態ですが、寒い環境時の心拍出量は6リットルくらいですが、暑い環境時はその2倍以上に増えます。増えた血液は皮膚血管に行きます。そうするとどのようなことが起こるのか。運動時に体温が上がると体温調節のために皮膚血管に血液を送らなくてはなりません。さらに運動するために筋肉にも血液を送る必要もありますから、筋肉の血流量を維持することが困難な状況が生まれるわけです。

 もう1つは、暑熱環境下では皮膚血流が増えると血液は足に多く溜まる傾向にあるということです。足に溜まった血液というのは、出血した状態と同じことになり、全体の血液量は減少していなくても静脈還流量が減ることになります。そうしますと、心臓から1回に送り出す血液量も減少します。さらに発汗によっても血液量が減りますから、ますます筋肉に血液を送ることが困難になり、運動の続行が不可能になるわけです。
 

 脱水症状になると血液量が減少する 発汗による脱水症状の場合にどういうことが起きるのかといいますと、まず細胞外壁が燃焼します。そして細胞外壁の浸透圧も上昇します。つまり、基本的に血液が濃くなるということが起こります。そうなりますと、体温調節にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

 利尿剤によってあらかじめ体液量を減少させた状態で運動を行うと、皮膚血流は減少してしまいます。つまり、細胞外液の量が少ないと体温が上昇しても、皮膚血流を増やすことがうまくできなくなります。また、脱水状態になると細胞から血液の量が減り、さらに体温調節反応も抑制されるということです。                 つづく

 では逆に濃い塩水を点滴で入れて、実験的に体液を濃くしたケースで運動をした場合を考えてみます。普通の状態では体温が0.1度上昇するか、しないかくらいの時に発汗が起こります。しかし体液が濃い状態の時は発汗が起こりにくく、体温が0.6度くらい上がって初めて発汗が見られます。同じように皮膚血管もなかなか拡張しません。

 脱水症状は体温調節を抑制し、細胞外壁の浸透圧の上昇をまねき、熱中症を誘発する要因になります。また、運動持久時間やパフォーマンスの低下にもつながりますので、早め対応が必要です。

暑熱環境下の水分摂取では何を飲むのが最適だろうか
水分摂取の話は、ベテラン指導者にとっても参考になる点が多かった/BBM PHOTO
 脱水症状を起こさないためには、水分補給が必要なことは広く知られていますが、では何を飲むのがよいのでしょうか?のどが渇くのは体液の量が減ったからと思いがちですが、実は体液の量が減ってもあまりのどは渇きません。例えば、出血によって血液が10%くらい減るとのどの渇きをおぼえるかもしれませんが、それよりも血液の浸透圧が1〜2%変わると強烈にのどが渇くものです。基本的にのどの渇きは浸透圧で調節されるものと考えてください。

 水分摂取では何が大切かというとナトリウムです。脱水して体液量が減った時に、水だけを摂取して塩分は補給しないとします。食事も塩分ゼロにすると、体液はだんだん回復していきます。しかし、6時間くらいすると水を補給しても尿となって排出され、体液量は60%くらい回復しますが、あとの40%は脱水した状態が続くことになります。

 それに対してナトリウムを含む水を摂取すると、体液の回復は大変良好になります。脱水症状が起こった後、浸透圧の回復はナトリウムがなくてもできますが、血液量や細胞外液量の回復にナトリウムは必要不可欠ですから、ナトリウムや電解質溶液を含んだスポーツ飲料などを摂取することが重要です。

どのタイミングでの水分摂取がベストか それでは、どのタイミングで水分を摂取すると効果的なのか、運動を始める前がよいのか、運動中がよいのかということですが、水分摂取の影響を考えてみましょう。

 運動開始前、開始40分後、同80分後で考えますと、運動開始前が一番効果的です。つまり、脱水状態が始まる前に水分を摂取しておいたほうがよいということです。実際は運動前にスポーツ飲料などを飲んでおき、運動を開始して足りなくなった水分をさらに補給するのがベストでしょう。

 ここで注意してほしいことは、むりやり水分を摂取することです。人間の体は水を飲みすぎないようにできています。水を過剰に摂取すると水中毒になりますが、それを防御するシステムが備わっています。それが口腔咽頭反射です。

 脱水した後に水を飲むと、血液の浸透圧は元に戻りますが、のどの渇きはそれより前に水がのどを通った時に止まります。のどの渇きは浸透圧が高くなると起こりますが、その渇きが止まるのは浸透圧が下がる前に起こるわけです。

 例えば、脱水時にチューブなどを使用して、胃に直接水分を入れたとします。浸透圧は元の状態に戻りますが、のどの渇きはいやされません。今度はのどから水を飲んだら、すぐに胃から水分をチューブで抜くとします。それでものどの渇きは止まります。つまり、のどの渇きは水分がのどを通過することによって起こるわけです。

 なぜこのようなシステムになっているかというと、浸透圧が下がる前にのどの渇きを止めておかないと水分を過剰に摂取してしまうからです。浸透圧が元に戻っているのに、のどの渇きが収まらないからと水分摂取を続けると、浸透圧はどんどん下がって水中毒になるケースもあります。

 また、多量な発汗をともなう運動時に、過剰な水分を摂取すると血中ナトリウムが異常に低下する低ナトリウム血症を引き起こす恐れがありますので、十分な注意が必要です。大量の水を一気に飲むことは危険ですので、何回かに分けてゆっくり飲むようにしてください。

 しかし、あまりにも小分けにして飲むのも問題です。暑熱環境下では、のどから水が入るという情報が行くと発汗が起こります。この時、少量の水分に対し、大量の発汗が起こると逆に脱水が進むこともあります。運動開始前、運動中に、ナトリウム入りの水分をある程度の量、しっかり摂取することが脱水予防になります。スポーツドリンクを薄めて飲む人を見かけますが、ナトリウム量が少なくなり、暑熱環境下では水分摂取の効果が半減しますので注意してください。

 


<ご参考>スポーツコーチングhttp://www.sportsclick.jp/s_coaching/backnum.html
・エンジョイ・エクササイズ 全23回

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