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★健康美CLIPコミュの「受動喫煙は乳児突然死やこどもの感染症の危険因子となり得る」 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=9685071&comm_id=228347

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Passive smoking, sudden infant death syndrome (SIDS) and childhood infections
  Dybind E1,Sanner T2
   (国立公衆衛生研究所,1環境医学部; 癌研究所, 2環境および労働環境発癌研究部,
    Oslo, Noarway)
 Human & Environmental Toxicology 18 : 202-205 (1999)
 Key Words : 受動喫煙/乳児突然死/感染症01


 西側諸国では乳児突然死症候群 (SIDS) が乳児死因のトップを占める.SIDS の危険因子はいろいろ挙げられているが,親の喫煙と SIDS の関係については多くの研究がある.過剰喫煙は早産や新生児の低体重につながり,妊娠中の受診頻度の低さや新生児との添い寝もSIDSの危険因子であり,また,生後120日以降では冬季に発症が偏るなど喫煙以外の影響もあるが,これらの因子を除外しても,母親が妊娠中喫煙した場合SIDS発症の危険性は母親が非喫煙者の場合の2.08倍になる.さらに,母親の喫煙の程度が SIDS 発症頻度と相関することも明らかになっている.はたして妊娠中の喫煙だけが問題かということから,出産前後を扱った8研究報告を調べると,出産後喫煙の影響が大きいとする報告と妊娠中喫煙の影響が大きいとする報告に二分されるが,いずれにせよ,母親の喫煙が影響しないという報告はない.一方,両親の喫煙による影響を比較した最近の6報告では,母親に加え父親も喫煙する場合にSIDSの危険性が増し,父親だけが喫煙者の場合は影響が見られなかったという.どの報告でも,同居する喫煙者数と喫煙者の一日喫煙量とSIDSの危険性増大との相関が示され,喫煙がSIDSの危険因子の一つであることは紛れもない事実である.
 母親が喫煙者である乳児はそうでない乳児に比べ有意に気管支炎あるいは肺炎になりやすいという調査結果が1974年に報告された.母親の喫煙による影響は生後6〜9か月で著しく,気管支炎あるいは肺炎の発症頻度増大は喫煙量に相関していた.同じころ公表された別の調査結果も,生後1年間の気管支炎および肺炎発症頻度が親の喫煙習慣の有無と関連することを報じ,両親とも非喫煙者の場合に最も低く,喫煙者の場合に最も高く,片親が喫煙者の場合はその中間にあったとしている.幼児の呼吸器疾患と親の喫煙の関連については,その後の25年間,多くの報告がある.
 3歳までの幼児を扱った最近の報告50編を系統的にまとめた結果をみると,父母どちらかが喫煙者の子供が呼吸器疾患にかかる危険性は,両親とも非喫煙者の場合の1.57倍,母親が喫煙者の場合は1.72倍,母親が喫煙しない場合でも同居する他の家族が喫煙する場合は1.29倍となっている.生後どの時期がもっとも危険かという点では,古くは,生後6か月間のリスクがもっとも大きく,その後は徐々に小さくなり3歳までには両親とも非喫煙者の場合の程度まで小さくなるとしているが,最近の報告では母親の喫煙と子供の呼吸器疾患の相関は5歳まで続くという.また,もっと大きい子供の呼吸器感染と受動喫煙も関連しているようで,9歳児でも受動喫煙への曝露量と急性呼吸器感染の間に相関があると報告されている.アレルギー症と受動喫煙がある場合は急性気道感染の危険性がさらに増し,両親とも非喫煙者の場合のおよそ3倍になるという.受動喫煙の予防に関しては,生後1年間は授乳期間が長いことが呼吸器感染の予防に効果的であるという.
 受動喫煙と中耳の諸症候との関係を研究したおよそ20の報告全てが,受動喫煙により慢性滲出性中耳炎にかかる危険性が増すことを示しているが,急性中耳感染との関わりは決定的ではない.唾液中のコチニン量から受動喫煙の程度をを見積り,中耳腔圧変化をティンパノメトリーで測定すると,唾液中コチニン濃度が高いと中耳腔圧変化の異常がみられ,コチニン濃度が倍になると慢性滲出性中耳炎にかかる危険性が1.14倍になったという.生後3年間,幼児の血中コチニン濃度から受動喫煙を測り,慢性滲出性中耳炎罹患率あるいは慢性滲出性中耳炎の罹患日数との関係を調べると,慢性滲出性中耳炎発症の8%,慢性滲出性中耳炎の罹患日数の18%と受動喫煙に因果関係があることが明らかになったという.新生児の体重が平均値である 3.5kgを下回り,母親が1日20本以上の紙巻きタバコを吸う場合,健康で生まれた新生児が1年の間に再発性の中耳炎にかかる危険性は母親が非喫煙者である場合の3倍になったが,父親の喫煙との関連はなかったと報じられている.
 その他の感染症と受動喫煙との関連では,5歳未満の子供の髄膜炎菌感染の危険性が,1日のべ30本以上の紙巻きタバコを吸う人がいる場合の受動喫煙では,そうでない場合の7.5倍であり,この危険性は喫煙者数およびその喫煙量と相関したことが報じられている.肺結核も受動喫煙によって感染直後に発病する率が増し,発病危険性は受動喫煙がない場合の5.39倍となり,10歳以上の子供より,0〜9歳の乳幼児で特に危険性が増したという.
 1992〜1995年の自己申告調査で,スウェーデン,ノルウェーおよびアメリカでは妊婦の15〜22%が喫煙していることがわかった.実際の妊婦喫煙人口はさらに多いと考えられるが,喫煙の害が取り沙汰される中で,妊婦の喫煙人口が激増中の国もあり,家庭での喫煙が子供の健康に及ぼす影響については注意を促す必要がある.喫煙者のそばにいることで,胎児は血流を介し,子供は吸気を介してニコチン,ベンゼン,ニトロソジメチルアミンなどに曝される.両親が1日20本以上の紙巻タバコを吸う場合,同居している子供は1日にタバコ1/2本分のニコチン,4〜5本分のニトロソジメチルアミンを吸わされる.受動喫煙と乳児突然死や感染症との関連を調べた研究をまとめてみると,親の喫煙が知らず知らずに子供を蝕む危険性が再認識された.

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