TOKYO ポエケットコミュの2015.7.5 第19回ポエケット連詩

2015.7.5　第19回ポエケット連詩（雨天）

声の重力　ことばの引力
星と雨も迷走中　　　　　　　　　　　　　　　ヤリタミサコ

ほどけてゆく雨は、庭にあふれてまどい　　　　　　望月遊馬

生まれたばかりの星は
身の置き処をさがしている　　　　　　　　　　　　平田真紀

小さい夜が兄を求めている橋の上　　　　　　　そらしといろ

それらまばゆくありたがるばかりのせつなたちは　　舟橋空兎

言問橋にあつまり　　　　　　　　　　　　　　　　隅田　有

流れのなかに逃がした言葉はゆれ　　　　　　　　　北爪満喜

明滅する兄の気配　　　　　　　　　　　　　　　市方井亜稀

雨の流れに浮かびゆく世界に　　　　　　　　グリーンヴィル

「兄ちゃん、長靴持ってなかったの？」
「うん、裸足」　　　　　　　　　　　　　　　　角田寿星

ちっちゃいところで、どうしても、どうしても
つながってしまう　　　　　　　　　　　　　　　　武田祐子

「兄ちゃん、空を見て」　　　　　　　　　　　　　山田亮太

つきぬけたところにある光、夜、膜
そして窓と　またもうひとつの星　　　　　　　　　広友詞子

星は光ることを仕事とせずに　　　　　　　　　　　友尾真魚

止まれ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　森川雅美

止まってどうなったかって？
くすんだ宝石に隠れたのさ　　　　　　　　　　　　唯沢　遙

ななめになってかしいでいた / わたしは波に
なったんだわ　　　　　　　　　　　　　　　　　のをあある

あぁそういうのねっ・・・
そうそうそういうの・・・・ね・・・
“ことば”と“ことば”をくりかえす　　　　　　　　　☆ＨＩＤＥ

兄ちゃん　あれ食べれんの？　　　　　　　　　カレー野獣館

アニー、それは食べられる明日だよ
雨が上がれば、ジャムのような夕陽が沈む　　　　　レイニー

深まる闇のドット・パー・インチ。
安心してお眠り。　　　　　　　　　　　　　　　　　　石渡

眠りたくなんかないね。暗い水たまりで
金魚がパーティ　　　　　　　　　　　　　　　　　竹村転子

踊りそうらえ、踊りそうらえ、暗い水たまりで
金魚が誘いの口上　　　　　　　　　　　　　　　　相川徹也

無茶をしすぎて、尾びれも立たず　　　　　　　　　大澤正智

パイパン・ピーチを・プリプリ・ペロっと・ポエケット
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　松岡　宮

スカイツリーを逆につなげゆかいな楽団
ドッチラケー　　　　　　　　　　　　　　　　　　並四日記

さかさまに堕ちたきみとぼくはトライアングル
を鳴らす　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　為平　澪

ぼくは真白な黒い魚、きみは真黒な
白い鳥になって、きみに食べられた。　　　　　　　一色真理

雨降る逢魔が時　　　　　　　　　　　　　　　
ぼくの骨は星の欠片となって
きみを包んでいくんだ　さあ光れ　　　　　　　　川江一二三