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伊藤 友彦コミュのRestart〜湘南の鼓動〜(ぴあ )より 

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第2回 伊藤友彦インタビュー「色」


セレッソ大阪での3年間を経て、再びベルマーレに戻ってきた伊藤友彦。
トップリーグでの経験を生かし、ベルマーレと共にゼロからのスタートをきった新守護神にインタビュー!




 かつて2001年から2シーズンを過ごしたベルマーレだが、当時の記憶は伊藤友彦にとってあまりよいものではない。
「練習のなかで、プレーの正解と不正解をハッキリと色分けして教え込まれたんです。この場面ではこう動かなければいけない、逆にこの場面でこの動き方はいけない、というふうに。でも僕は試合のなかで状況に応じて自然に体が反応するタイプ。頭で考え始めるとプレースタイルがどんどん変ってしまい、そのうち自分の個性を見失ってしまった」

「練習では誰よりも下手くそ」と、自身を評して憚らない。基本技術や理詰めのプレーは、伊藤にとってもっとも苦手な分野だ。自然体で試合に入り何も考えずに反応できている状態が、彼本来のスタイルだった。練習よりも本番で能力を示すタイプである。

 しかし日々のトレーニングで能力を認められなければ当然、公式戦に出場することは叶わない。と同時に、試合に出られなければ自身の色は褪せていく。悪循環が次第に伊藤を追い詰めた。「自分はサッカーを何もしてない」と自らを責め、グラウンドへ向かう足取りも重くなっていく。存在価値を見失い引退さえ考えた、辛い2年間だった。

 サッカー選手としての魂を失いかけた伊藤を救ったのが、セレッソ大阪である。的確なコーチングでDFラインを動かし、シュートもことごとくセーブしたトライアウトでの彼のプレーが、セレッソを動かした。以来続いた大阪での3年間で、伊藤は自身のプレーを取り戻し、また厳しい残留争いを戦うなかで勝ち点1、ひいては1ゴールの重みを実感した。

伊藤は言う。「48試合は一見すると長く感じますが、最後はきっと勝ち点1に泣き、勝ち点1に笑うチームに分かれる。最後の最後でその“1”に泣かないためにも、ロスタイムで追いついた開幕戦の引き分けは大きかったと思います」

  3月4日に行なわれた開幕戦で、ベルマーレはJ1から降格した柏レイソルと対戦した。地力に勝る柏にポゼッションを許し先制点を奪われるが、ロスタイムも4分を経過した最後のワンプレーでファビオが同点弾を突き刺し、勝ち点1をもぎ取ったのだった。

 相手に1点を献上したものの、伊藤自身のプレーも光っていた。相手の前線からのプレッシャーに対しDFラインが落ち着きを失うなか、再三にわたりシュートを跳ね返した。だが彼は、「自分のプレー内容にはまったく納得してない」と振り返る。
「セットプレーやサイドからのクロスに対して、スムーズに対応はできたと思います。でも、もう少し落ち着いてプレーできた筈。シーズン前の怪我の影響からキック力も足りないし、DF陣とのコミュニケーションも深めなければなりません」

さらに柏戦で露呈した課題は、自身のそれだけに留まらない。「セットプレーに対する危機感が足りない」と、彼はチームを叱咤する。
「試合中の声が少ない。それはつまり、みんなが自分のプレーでいっぱいだということの表れ。視野が広くないと指示できませんから。選手たちがもう少し余裕を持てるようになれば、もっといいサッカーができるようになると思います。その余裕を持つためにも、たとえばファーストタッチの質や状況判断など、一人ひとりが意識して高いレベルを求め、あらゆる能力を伸ばしていく必要がある。もちろん僕自身についても言えることで、その意識が最終的に昇格に繋がると思う」

 先を見ないようにしていると、伊藤はいう。「目の前の一試合をどれだけ戦えるか。じつは開幕戦のプレッシャーは強かった。ベルマーレで自分の色をまだ何も見せてない僕にとって、また僕を呼んでくれたひとたちのためにも最初の印象は大事だから。ただ開幕では自分のためにそのようなプレッシャーをかけたけど、今後は信頼を築き上げてチームに還元しなければいけないと思っています」
セレッソでの3年間で、伊藤はトップリーグでしか得られない経験を蓄えた。自身のプレーを確立し、ふたたびゼロからスタートするベルマーレの記憶は今度こそ、鮮やかな色に変えたい。


取材・文◎隈元大吾

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