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安田均コミュの安田さん担当回のSFスキャナー

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 安田さん担当回のSFスキャナーのタイトルとおもな紹介作品のリストです。
 ほかのトピと重複気味ですが、トピ立て発言の中でデータを見られるトピがあったほうが便利かなと思って、とりあえず立ててみます。あとで混乱するようだったら、削除なり融合なりしてください>管理人さん。
 各回タイトル以外は、コラム内での表記と関係なく、邦訳されたものは訳題で示し、作者名も現在一般的な表記にしました。コラムでの仮題に思いいれがあったり、むしろそっちのほうで覚えてるケースもけっこうありますけどね^^;。


75年11月号《ポスト・ニュー・ウェーブの大型新人マイクル・ビショップ》
マイクル・ビショップ「幼年期の白ラッコ」(SFM91.8)、「アサディ族における死と指名」(集英社『樹海伝説』に組みこみ)、『焔の眼』(海外SFノヴェルズ)の原型長篇、など。

76年5月号《男どもをブッ殺せ!》
ジョアンナ・ラス『フィーメール・マン』、サミュエル・R・ディレイニー『ダルグレン』(未来の文学・刊行予定)、ほか75年の主要作品

76年11月号《二つの年刊傑作選》
テリイ・カー編とドナルド・A・ウォルハイム編の年刊SF傑作選より、ジョージ・R・R・マーティン&リサ・タトル「ウィンドヘブンのあらし」(集英社ワールドSFシリーズ『翼人の掟』第一部)、ジョン・ヴァーリイ「逆行の夏」(ハヤカワ文庫SF『残像』)、リチャード・カウパー「監視者」(SFM77.10)、フリッツ・ライバー「あの飛行船をつかまえろ」(河出文庫『20世紀SF?』)、ほか

77年5月号《大ウエルズの末裔》
クリストファー・プリースト『逆転世界』(創元SF文庫)、『スペース・マシン』(同)、ほかイアン・ワトスンなどイギリスSF界の近況

77年11月号《エリスンは健在だ、そう思った》
ハーラン・エリスン「ジェフティは五つ」(SFM79.10)、ほか〈F&SF〉誌77年7月号(エリスン特集)、77年9月号

78年5月号《やはりイギリスSFはすばらしいのだ》
マイクル・G・コーニイ『ハローサマー、グッドバイ』(河出文庫で来夏新訳予定)、Monitor Found in Orbit、ほか

78年10月号《新鋭グレッグ・ベンフォードのSF版「スナーク狩り」》
グレゴリイ・ベンフォード『夜の大海の中で』(ハヤカワ文庫SF)

79年2月号《たまにはシェクリイの新作長篇などいかが?》
ロバート・シェクリイThe Alchemical Marriage of Alistair Crompton

79年5月号《SF小説ってのはもう時代遅れ?》
サミュエル・R・ディレイニーEmpire、ほかアート集、参考書、イラスト・ブック

79年9月号《返り咲きの大物作家ピアズ・アンソニイ》
ピアズ・アンソニイ『カメレオンの呪文』(ハヤカワ文庫FT)、ほか

80年2月号《ヴォネガットの描いた心やさしい社会革命》
カート・ヴォネガット『ジェイルバード』(ハヤカワ文庫SF)、執筆者別SFスキャナー担当回数リスト

80年7月号《アシモフの自叙伝》
アイザック・アシモフ『アシモフ自伝』(早川書房)

80年12月号《フレデリック・ポールの「JEM」は傑作だァ!》
フレデリック・ポール『ゲイトウエイ2』(ハヤカワ文庫SF)、『JEM』(同)、ほか

81年5月号《今年のヒューゴー賞最有力候補「タイム・スケープ」》
ビル・プロンジーニ&バリー・N・マルツバーグ『決戦!プローズ・ボール』(新潮文庫)、ほかSF出版トピックス

コメント(12)

山岸さん、お忙しい所、詳細なデータを提供してくださり、ありがとうございました。翻訳時のタイトルや、今後の出版情報までいただき、感謝感激です。
こうして眺めてみると、既訳率が高いですね。他の担当者との単純な比較はできませんが、安田さんの鑑識眼はするどかったのですね。

というわけでみなさん、このリストを眺めて、記憶を呼び起こしましょう。
スターライトさんからお誘いを受けて、このコミュに参加したgonza=渡辺英樹です。

山岸真さん、リストのアップ、どうもありがとうございます。本来なら自分か睦夫が『スキャナー・インデックス』を電子データ化して、アップしなきゃいけないんでしょうが……。

それにしても、懐かしいタイトルがずらりと並んでますね。
何を隠そう、初めて買ったSFMが77年5月号でしたので、いきなり安田さんのスキャナーに遭遇したわけです。しかも内容がプリーストとイアン・ワトスン! いやあ、熟読しましたねえ。あらすじ紹介を読んでとにかく『逆転世界』が読みたくて、読みたくて……。堀さんがプリーストにライバル意識を持ってるなんて記事も面白かった覚えがあります。
gonzaさん、このコミュに参加してくださり、ありがとうございます。最初に買ったSFMが安田スキャナーだったなんて…。
今後ともよろしくお願いいたします。
安田均氏の最初のスキャナー(75年11月号)を読んだ。
氏にとってビショップは、”秘密の作家”だったらしい。『焔の眼』の解説の冒頭で、そう告白している。安田氏もSFMで「キャサドニアのオデッセイ」(SFM75年4月号、浅倉久志訳)や「宇宙飛行士とジプシー」(SFM75年5月号)が訳されるまで、「そんなにすばらしい感覚を秘めているとは気がつかなかった」(『焔の眼』解説)らしい。
たしかにその点を考慮に入れて、75年11月号のスキャナーを読むと、評価はしているが、どこか控えめに感じるのは、私だけだろうか。安田氏なら、もっと手放しでベタホメしていてもおかしくない気がする。

スキャナーで気になるのは、どうやら未訳らしい"On the Street of the Serpents"だ。75年のネビュラ賞の候補に上がった観念的な実験SFらしい。

どなたか訳していただけないだろうか?
安田均氏のスキャナー第2回(76年5月号)を読んだ。

《男どもをブッ殺せ!》という物騒なタイトルがつけられているが、内容は上記リストにある通り、まず75年の主要作品に触れた後、国書刊行会から近刊予定の"Dhalgren"紹介する。書影も載っているが、総ページ数896はさすかに貫禄にあふれている。
そして主な作品紹介は、ラスの(その後サンリオSF文庫から邦訳された)『フィーメール・マン』に移る。
ここまでの流れはさすがに安田さんで、一気に読ませる。『フィーメール・マン』の紹介も3つのストーリーが絡み合って…とその絡まりを少しずつ解きほぐすように紹介する。
アチラでは愚作の烙印を押されたラスだが、安田さんのお眼鏡にはかなったようで、愚作と評した人々を「(非難されるべきは、)従来の形式にひたりこみ、その形式が最初に持っていた意味を完全になくしてしまったのちも、受け入れやすさだけでそうしたまがいものを評価する側にあると思う」と、きっぱり断言する。

そうした姿勢に私は共感を覚えた。

それにしても掲載時点では未訳でも、その後翻訳されている作品が多い。
「75年の主要作品」とひとまとめに表現したが、『コンピューター・コネクション』(ベスター)『衝撃波を乗り切れ』(ブラナー)『ユニコーンの徴』(ゼラズニイ)『地球帝国』(クラーク)…。
版元はそれぞれ違うが、きちんと翻訳されているあたり、75年は充実していた年といえそうだ。
>山岸さん

第1回目の解説だから、ちょっと控えめなのかとも思いましたが…。当時の英米SF紹介については、当方にあまり知識がありませんが、そういわれると「大型新人」ですね<安田さん

>その弱さが長篇でどうだったか直截には書かずに終わってる

あいまいな記憶ですが、安田さんが作家や作品をストレートにけなしたことはない気がします。評価に?のある作品もやんわりと指摘していた気が…。

ともあれ、私の本音は、久々に書き込みがあって嬉しかったことでした(笑)
解説者の推移は、ここを見れば参考になるようです。

http://www.asahi-net.or.jp/~li7m-oon/thatta01/that153/kaisetu.htm
安田さんの担当スキャナー第3回は、SFM76年11月号。《二つの年刊SF傑作選》についてである。
この号が出ていた時点で、「年刊SF傑作選」はテリイ・カー、ドナルド・ウォルハイム、オールディス&ハリスン、レスター・デル・リイ、アメリカSF作家協会各編の5種類。
このうち最初の二人は共同で編集していたことがあり、それぞれ独立して5年。どちらがより優れているか、検証してみようというもの。

まず俎上に上がったのがテリイ・カー編。12編の中から、新人作家としてリサ・タトル&ジョージ・R・R・マーティンの合作゛The Storm of Windheaven”(集英社ワールドSFシリーズ『翼人の掟』第一部とのこと)。ざっと作家の経歴を紹介した上で、ストーリイの解説へと流れていく。
結局、安田氏の感想は「いかにも新人らしいみずみずしさに溢れているが、ストーリイ自体はもう一つくいたりなかった」と一定の評価をしながらも、率直な意見もきちんと加えているところが、安田節。

次いでP・J・プロージャーの”Child of All Ages”。こちらは短めの紹介で、「読んでいて泣かせるタイプの話なんだろうなとは思うものの、余りにも見えすいたメロドラマ調に気が乗らぬまに終わってしまった」と、ちょっと手厳しい指摘。

そして真打(?)、ジョン・バーレイ(ママ)の「逆行の夏」(ハヤカワ文庫SF『残像』所収)。作家紹介からして力が入っており、いわく「昨年からめきめき頭角を現わし、今年のジョン・W・キャンベル賞のやはり有力候補だ」。
ストーリイ紹介にも安田節炸裂。全部を引用するわけには行かないので、ぜひ当該SFM(と『残像』)を読んで確認していただきたい。
何しろ「読み終えた時には快い感動が残った」(安田氏)作品なのだから。

その他の収録作品を軽く紹介した後、結論として、全体の質の高さには評価を与えながらも、「「ほんとうに傑作だ」と叫びだしたくなるような作品が率直にいって一つもない」(安田氏)。余りに優等生すぎるというのが最終的な評価のようだ。

一方、ウォルハイムはどうか。収録された10編の中から選ばれたのは、リチャード・クーパー(ママ)の「監視者」(SFM77年10月号)。
ここでも作家紹介のあと、ストーリイにふれる。「少し毛色の変わったファンタジイ」で、「ラヴクラフトの『ネクロノミコン』を素材に、ボルヘス風の描き方をしたような感じもして奇妙な味をあじわった」作品らしい。これだけでもどんな作品か読みたくなるから、安田マジックはすごい、

2本目は、マイクル・ビショップ”Allegiances”。
ストーリイを説明した後、ビショップに対し安田氏は、「いつもながらビショップの小説は巧いといえるだろう」とほめながら、「だがその反面、そうした小説のうまさがいわゆる「センス・オブ・ワンダー」面での弱点になっていないこともない」と、注文を忘れない。

最後にカー、ウォルハイムの両編の中で「最高と思われる作品」についてふれる。それは、フリッツ・ライバーの「あの飛行船をつかまえろ」(河出文庫『20世紀SF?』所収)。ネビュラ短篇賞受賞作品であるこの作品を、安田氏は「先ほど述べた傑作がないという不満は」、「一気に解消したといってよい」と大変なほめよう。
そしてこの作品を収録した、ウォルハイム編に安田氏は軍配をあげたのだった。
プロージャーの作品は、「時の流れを超えて」と題して邦訳がありました(赤尾秀子訳/SFM86年7月号)。失礼しました。
今回は連載第4回のSFM77年5月号。《大ウェルズの末裔》とのタイトル。もちろんイギリスSFについての話である。
イギリスのSF作家といえば(この当時は)、アーサー・C・クラークだが、それ以外の、たとえばNWで活躍した作家たちはどうなのか、と話を進めた上で、具体的には、下記の作家の近況を取り上げている。

●ブライアン・オールディス
 『解放されたフランケンシュタイン』(早川海外SFノヴェルズ)
 "The Eighty Minute Hour"
 『マラキア・タペストリ』(サンリオSF文庫)

●J・G・バラード
 "Ultimate City"(未刊?改題?)

●マイクル・ムアコック
 コーネリアスの長編1作、短篇集2作
 <時の果てのダンサー>シリーズ3冊
 エルリック・シリーズの新作長編

●ボブ・ショウ
 "Orbitville"
"A Wreath of Stars"

●ジョン・スラデック
 "Roderik,or the Education of a Young Robot"

こうしてみると、サンリオで刊行予定に上がっていながら刊行されなかったタイトルが散見される。そして話は、プリーストとワトスンの「新人」作家へと進んでいく。

まず取り上げられたのは、プリースト。この時まだ33才!(簡単な紹介の後、余談として日本作家の堀晃氏が、プリーストをライバル視していることを明かす)
ここで『所有せざる人々』(早川海外SFノヴェルズ)がいなかったらヒューゴー賞の本命だった作品、『逆転世界』(サンリオSF文庫→創元SF文庫)を紹介する。
詳細は省くが、安田氏もこの作品でプリーストにまいってしまい、ためらうことなく『スペースマシン』(創元SF文庫)を買ったことを告白する。
ここから『スペースマシン』の紹介が始まるが、まるで映画を見ているがごとく、丹念にストーリーを追っている。勢い余って、ワトスンの紹介スペースがほとんどなくなるくらい。
H・G・ウェルズにささげられたこの作品は、至るところにウェルズの作品を思わせる個所があり、安田氏は「(一部構成に乱れがあるとはいえ、)全く意表をついた大パロディといえるだろう、と評している。

続くワトスンについては、軽く略歴を紹介し(プリーストとほぼ同年齢の34才)、処女長編『エンベディング』(国書刊行会刊)と『ヨナ・キット』(サンリオSF文庫)の説明にかかるのだが、深くは触れられず、時間切れ。

最後に「プリーストの様々なテーマを操るその才気煥発さ、ワトスンの一つのテーマをじっくり書き込んでいく重厚な語り口」が、ウェルズの真の末裔という感じで気持ちのよいものだった、と結んでいる。
 

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