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男性美声歌手クラブコミュの1 ヴィック・ダモン

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ヴィック・ダモン

 天性の美しい喉は誰が聴いても分かるほど特徴的です。シナトラの後継者の一人と言われ久しいのですが、コントロールされた高音域を持つ優れたバラッド・シンガーの一人に数えられましょう。

 イタリア系の移民の子供として1928年に生まれ、エレベーター・ボーイをしていた時にたまたま乗り込んできたヴェテラン歌手ペリー・コモの前で歌い、プロになる事を奨められたという伝説が残っています。ヴィックの子供の名前はペリー・ダモンといい、現在もヴェガスなどで唄い続ける父親のマネージャーをしています。今までに発表したLPは40枚を越していますが、後年編集ものも多数出回りました。

 マーキュリー、コロンビア、キャピトル、RCA、などのメジャー・レーヴェルを経て現在は自分のレコード会社を持ち、今でも時々レコードを発表して居ます。若い頃にはミュージカル映画(MGM)にも出て、トニー・マーティンらと競演しました。コロンビア時代に若き美人女優ピア・アンジェリと結婚し、その際ジェームス・ディーンと競い合った事は有名な話です。映画“ゴッド・ファーザー”に出てくる歌手はこのヴィックではなかったか、という憶測も流れています(映画ではイタリア出身のバラッド・シンガー、アル・マルティーノが扮した)。

 最大のヒット曲は“君住む街で〜 On The Street Where You Live”(コロンビア)でミリオン・セラーを記録、その後も“過ぎし日の恋〜 An Affair To Remember”(同)、“ジジ〜 Gigi“(同)などでスマッシュ・ヒットを放ちます。1955年までのマーキュリー時代にもミリオン・セラーがありました(”アゲイン〜 Again“と”ユー・アー・ブレイキング・マイ・ハート〜 You’re Breaking My Heart“)。

 コロンビア時代にはセンチメンタルな甘いバラッドを数多く録音し、1961年にキャピトルに移ってからは一皮向けて、スウィング作品も多数残しました。1964年には一時期ワーナーに在籍し、すぐにRCAへ移って新境地を開拓しました。その後最近の歌を歌ったLPを次々に出しましたが往年のファンから見放されそうになり、今また古いスタンダードに戻っています。

 シナトラに“彼は業界で最も良い声を持つ“と言わせしめた程の素晴らしい喉を持っていますが、バラッド偏重になったマーキュリー時代もあってこの時期の録音はそれほど重要視されませんでした。しかしコロンビア、キャピトルへと移るに連れ、辛口の評論家たちからも良い評価を得るに至ったのです。

 ヴィックは往年の美声歌手トニー・マーティンがよく引き合いに出され、ヴィックはトニーの現代版とも言われます。ロマンティックな歌を多数残し、我々の耳に心地よい音楽を提供してくれたのです。最近アメリカからコロンビア時代のシングル50曲を収めたCD2枚組みが出されました。

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<コロンビア時代>
That Towering Feeling ! (モノラル)

 コロンビアの第一作目は有名なスタンダードばかり12曲で構成され、評論家がコロンビアでは一番の出来と言う様です。ジャズメンを従えたバラッドと軽いスウィングを楽しめます。彼の Smoke Gets In Your Eyes はヴォーカル・ベスト版にもよく顔を出します。

 冒頭の You Steeped Out Of A Dream は軽いスウィングで、アービー・グリーン(トロンボーン)やバック・クレイトン(トランペット)などのジャズメンの粋な演奏が雰囲気を盛り上げます。ヴィックに編曲を多数提供してきたトゥッティ・カマラタが編曲にあたりました。小さなコンボをバックにしたり、ストリングズで彩を添えたりして変化を付け、例えば Out Of Nowhere はゆったりした出だしから、途中ジョージ・シアリング風の軽いスウィングに変わります。この歌はコロンビアLP第3作目でも歌われました。

 Time On My Hands や The Touch Of Your Lips、Let’s Fall In Love などは軽くスウィングし、The Song Is You や最後の Cheek to Cheek は見事にスウィングしています。Wait Till You See Her や I’m Glad There Is You などは囁くような素晴らしい甘い声が聴かれます。モノラル録音しかなく、写真は日本版です。

 “君住む街で”の大ヒット直後の録音で、その冒頭に出てくる一節(Oh, that towering feeling)をタイトルにしたLPですから、さぞかし天にも昇る気分だった事でしょう。

コメント(24)

<コロンビア時代>
Angela Mia (ステレオ)

 第2作目はイタリアン・ソング(=カンツォーネ)集で、甘く切なく美しいバラッドを揃えました。“Tell Me You’re Mine”、I Have One Heart、“Arrivederci, Roma”、“’O Sole Mio”、“Serenade In The Night”、“Luna Rossa”、“Anema E Core”等の佳曲の他、かつてマーキュリー時代にシングルでミリオン・セラーを飛ばした“You’re Breaking My Heart”他全12曲を歌っています。勿論その頃の録音とは段違いに良くなっています。

編曲はグレン・オッサー(Glenn Osser)で流麗なストリングズ自体のハーモニーが大変綺麗です。いずれも詩情豊かに声を張って熱唱しており、結婚したばかりのピア・アンジェリの事で常に頭が一杯だった事でしょう。最後を飾った“Tell Me That You Love Me”などは白眉と言えましょう。このLP(1957年)から後はステレオ録音になります。
<コロンビア時代>
Closer Than A Kiss (CS-8046)

 コロンビアの第3作目も綺麗なスロー・バラッド集で、古いロマンティックな歌から映画音楽、外国の歌まで、と多彩です。フランク・ドゥヴォル(Frank De Vol)の肌理細かい編曲で、切ないほどに甘く優しいものもあれば、“As Time Goes By”などの様に少々ジャジーな味付けの歌もありました。

 第1作目ではややジャジーに歌った“Out Of Nowhere”はここではリズムが少々エキゾティックです。よく知られた名曲“We Kiss In A Shadow“、“I Kiss Your Hand Madame”、“How Deep Is The Ocean”、“Prelude To A Kiss”、“Day By Day”、“Cuddle Up A Little Closer”など静かに感情を込めて丁寧に歌い、“You And The Night And The Music”では本LP中最も声を張り上げ熱く歌いました。

 “A Toujours”は外国の歌であまり知られていない綺麗なワルツ調の歌で、冒頭の“Closer Than A Kiss”は本LPのために書かれ、そのオーケストラの出だしが素晴らしい編曲です。最後の“Close As Pages In A Book”(シグモンド・ロンバーグ作曲)は今では滅多に聴かれない古い歌ですが、転調が大変綺麗で涙が溢れそうな程に美しい名歌で、ヴィックの素敵な声によくマッチしています。まさに名唱です。1958年の録音。
 彼の歌ではアルバム「Make Someone Happy」(Rebbeca Records)の中の「Here's That Rainy Day」がとりわけ気に入っています。特にアレンジが素晴らしい。女性ではダイナ・ショアが格別ですね。持っているのはLPですので、通販サイトでこの曲の入っているコンピレーションCD「The Look Of Love」(PRISM LEISURE)を見つけ聴いてみたところ、これが全く違うアレンジでガッカリ。
 やはり、怪しげなコンピレーションものは買うべきではないと教訓を得ました。
ちゃいこさん、仰るとおりですね。アレンジ次第では彼の歌は死んでしまいます。素晴らしいアレンジャーと組んだヴォーカルの素晴らしさと言ったらありません。

 ジャック・マーシャル、トゥッティ・カマラタ、グレン・オッサー、ビリー・メイ、ネルソン・リドル、パーシー・フェイス、ジョン・ウィリアムス、フランク・ドゥヴォルなどと組んだものに良い物がたくさんありました。
 特にヴォーカルは、生きるも死ぬもアレンジャー次第だと常日頃思っています。一流アレンジャーは歌手の個性、曲の内容に合わせ千変万化。日本では編曲者の地位が相変わらず低いのは残念なことです。それが優秀な人材の育たない理由のひとつではないかと思います。勿論、そればかりではありませんが。
 因みに、私の選んだ3大アレンジャーは、ネルソン・リドル、ゴードン・ジェンキンズ、ドン・コスタです。
 さすがによくご存知ですね。

 ゴードン・ジェンキンズは大好きです。シナトラのは一度は全て聴いています(”Where Are You ?”が一番好きです)。ナット・コールでは好きなのが”Where Did Everyone Go ?”です。深みがあって選曲も素晴らしいです。パット・ブーンの”The Touch Of Your Lips”は一度聴いてみたいものです。

 リドルも大変優れたアレンジャーで私も好きです。コスタではイーディ・ゴーメの”Eydie In Love”で好きになりました。

 我が国では、ある歌はある歌手によってのみ歌われる、という風土がありますね? いわゆる持ち歌ですが、世界に通用する編曲家が生まれにくい理由はここにあると考えます。
 初めまして。

 オンリー・ザ・ロンリーはリドルのエレガントなアレンジですね。

 ウォータータウンというのは知りませんでした。
「Watertown」は69年の録音で、その2年後シナトラは突然の引退宣言をします。確かにこの頃の録音は声に疲れがみられ、また更に2年後カムバックした時の方が若々しい声に感じられるほどです。しかしながら、フォーシーズンズのメンバーだったボブ・ゴーディオ、そして、ジェイク・ホルムズの書き下ろしをアルバム化するなど、新しいことへのチャレンジ精神を失わなかったのは流石だと思います。所有しているのは米LPですが、シンプルなデザインながら凝った?ジャケットがなかなか素敵です。
 50年代にはせっせと’Record Your Voice’という録音機を使ってシナトラを真似、近付こうとしたダモンだそうですから、決して話題が逸れたとは思っておりません。むしろこのコーナーで盛り上げて頂いて感謝さえしております。
<コロンビア時代>
This Game Of Love (CS-8169)

 第4作目は珍しくストリングズ無しの全編ややジャジーな編曲で、スモール・コンボをバックにスタンダードを披露しています。ピアニストのロバート・スメイル(Robert Smale)が編曲・指揮し、曲によってソロの楽器が異なります。

 リズミカルで速いテンポの“Alone Together”で始まり、続く“My Romance”、“But Beautiful”、“The Things We Did Last Summer”、“I’ll Be Around”、“A Fellow Needs A Girl”などは遅めで緩やかに歌いますがところところでその美声を張っています。“Ain’t Misbehavin’”、“The End Of A Love Affair“、”Am I Blue“、”Me And My Shadow“、”I Like The Likes Of You“は軽快なアップテンポでこなしました。

 いずれも伸びのある声で、最後まで伸び伸びと歌い切っています。大きな会場より少し狭い部屋にピッタリの演奏と歌でしょう。1958年の録音と思われます。
<コロンビア時代>
On The Swingin’ Side (CS-8373)

 第5作目は全12曲フル・スウィングしたアルバムで、有名なスタンダードばかりを選んでいます。ジャック・マーシャル(Jack Marshall)が編曲・指揮する軽快なオーケストラに乗ったダモンがそれに応えました。

 ストリングズは一切なくビッグ・バンドを従え、冒頭の“Falling In Love With Love”からぐいぐい飛ばし“It’s All Right With Me”、“Cry Me A River”、“I Cried For You”、“Speak Low”、“Toot, Toot, Tootsie !”など全12曲、一気に駆け抜けた様なアルバム構成です。ややおとなしいのは“Swingin’ Down The Lane”、“Girl Of My Dreams”、“Deep Purple”あたりでしょうか。

 伸びやかにそして気持ち良さそうに声を張り上げています。1959年頃の録音ですが、他のアルバムとは異なりやや鼻がかかった様に聴こえます。なお、写真はモノラル盤 (CL-1573) です。
<コロンビア時代>
Young & Lively (CS-8712)

 コロンビア時代最後のアルバムは美しいバラッド集です。今をときめく編曲家ジョニー・ウィリアムス(Johnny Williams)のペンで編曲されたスタンダードを、思いっきりスローにロマンティックに仕上げました。全曲重厚なストリングズがヴィックの声を優しく包み込み、更にピアノなどの楽器が彩りを添えています。

 “Solitude”、“Everytime We Say Goodbye”、“Imagination“などのブルー・バラッドもありますが“In The Blue Of Evening”などは大変素敵で甘いメロディです。“Last Night When We Were Young”、“Serenade In Blue”、“It Had To Be You”、“I Got It Bad”、“What Is There To Say”など、どれを聴いてもうっとりさせられる秀作でしょう。

 中でも”Spring Will Be A Little late This Year“は少しブルーな仕上げですが、他の歌手、例えばエラ・フィッツジェラルド(アルバム”Hello Love”)のそれと聴き比べても決して劣りません。その編曲が実に素晴らしくヴァイオリン・ソロの美しさと途中のきめの細かい和音が聴く者を魅了します。ところがCD盤では不可解にもこの最も優れた編曲が大胆にカットされ聴く事が出来ません。1961年初頭の最も綺麗な録音ですが、発売はキャピトル移籍後の1963年に延期されました。
ちゃいこさん。

 このLPは次回のキャピトルを経てRCAの最初にご紹介予定のアルバムです。声の伸び、艶、張りなど次第によさを増していきましたね。RCAでは Stay With Me が最も良い出来ではなかったか、と思っています。仰るとおり、最後の A Time For Love は色んな歌手が採り上げていますが、ヴィックのも素晴らしい演奏と歌唱です。
<コロンビア時代>
1An Affair To Remember(CBS LAALP-002、ステレオ)

 20世紀映画のサウンド・トラック盤で、タイトルの“過ぎし日の恋“は大ヒットを記録したシングル盤とは異なる演奏です。アカデミー映画主題歌賞にノミネートされ惜しくも受賞を逃がした、アメリカの名作曲家ハリー・ウォーレンの名歌です。ケイリー・グラントとデボラ・カー主演の恋愛映画で、1957年に公開されました。写真のLPは再発盤です。


2The Gift Of Love (CL-1113) 

 1958年の映画のサウンド・トラック盤です。ローレン・バコールとロバート・スタック主演の恋愛映画で、そのタイトルをヴィックが歌いました。歌は有名な作曲家サミー・フェインの作です。他にも映画主題歌を歌ったサウンド・トラック盤はいくつかありますが、私は持っていないので割愛します。写真はモノラル盤です。


3On The Street Where You Live: Vic Damone’s Best (HS-11128)

 コロンビアの10曲容りベスト盤で1960年頃のハーモニー・レーベル(コロンビア・レコード傘下)からの発売です。

 “On The Street Where You Live”、“An Affair To Remember”、“Gigi”(以上、Percy Faith編曲)、“Maria”、“The Second Time Around”、“The Pleasure Of Her Company”(以上、Johnny Williams編曲)、“Separate Tables”(Frank De Vol編曲)、“Almost Like Being In Love”(Tootie Camarata編曲)、“If Ever I Would Leave You”(Axel Stordahl編曲)などのシングル・ヒット曲が選ばれていました。他アルバムからの選曲で“We Kiss In A Shadow”(Frank De Vol編曲)が含まれます。本LPはステレオ盤ですが録音当時モノラルの歌も含まれています。
<コロンビア時代>
1Vic Damone Sings / Closer Than A Kiss (英国CBSレーベル、Diamond Memoriesシリーズ CBS-22183)

 LP2枚組のコンピレーションで1967年に出されました。一枚はアルバム“Closer Than A Kiss”から1曲“Out Of Nowhere“を抜いた11曲で、もう一枚は他のアルバムから選んだ“Out Of Nowhere”(“That Towering Feeling”から)、“I Cried For You”、“I Got It Bad”他があり、シングルから“The Night has A Thousand Eyes”なども含め全10曲になっています。


2Sings The Great Songs(英国CBS、カメオ・レーベル、32261)

 コロンビア時代のシングル・ヒットにアルバムからの選曲で全16曲。最後の3曲は Young & Lively から選ばれました。1983年発売当時ヴィックのLPは新しい歌ばかりを録音しており、コロンビア盤もキャピトル盤も既に廃盤となっていたので求めた人も多かった事でしょう。
〜〜〜 Vic Damone 〜〜〜

<キャピトル時代>
Linger A While(ST-1646)

 キャピトル移籍第一弾は彼の最も有名なアルバムのひとつに挙げられるスウィング集です。コロンビア時代で一緒に活動したジャック・マーシャルの編曲の下、スタンダード・ナンバーを実に溌剌とそしてのびのびと歌い上げました。一部のうるさい評論家にはまだ甘いと指摘されますが、そのソフトな唱法や美しいストリングズが入る編曲であっても一般の評価は高い様です。コロンビア時代と異なり声の張りが違って聴こえるのは、何も録音技術の進歩だけではなさそうです。

 ハミングで始まるタイトル曲他、Change Partners、Stella By Starlight、Soft Lights And Sweet Music、When Lights Are Lowなど柔らかいながらもスウィング感を損なうことなく巧くこなし、ややジャジーなClose Your Eyes、Let’s Face The Music And Dance、In The Still Of The Nightなども美声を充分活かし、遅めのAfter The Lights Go Down Low、Deep Night、There! I’ve Said It Againでもジャジーなバックに綺麗に乗り、美しいけれどやや難しく滅多に聴かれないOne Loveも実に巧みにこなしました。

マーキュリー時代はややポップなベッタリしたバラッド偏重で、コロンビアに移ってかなりジャジーな面も出せる歌手だと感じさせ、キャピトルではさらに一皮剥けて磨きがかかったと言えましょう。


<キャピトル時代>
Strange Enchantment(ST-1691)

 第二弾はガラッと雰囲気を変えた極上のムード・アルバムになりました。アメリカ製ハワイアンを含む数々のエキゾティック・サウンドをビリー・メイのカラフルな編曲に乗って美しく仕上げています。遥かな魅惑の南の島々や南米のジャングルを想起させるリズムを配し、ストリングズを駆使して極めてロマンティックに仕上げました。ジャケットも南海の孤島をイメージさせるに相応しいものです。

 有名なThe Hawaiian Wedding Song、Beyond The Reef、ForevermoreやHumming Watersなどのハワイアン、エキゾティック・サウンドに欠かせないStrange Enchantment、Shangri-La、Poinciana、Flamingoの他、ミュージカルなどから出て今や独立しているBali Ha’i、The Moon Of Manakoora、ムード音楽でよく採り上げられるEbb Tideなどが顔を揃えました。キャピトルでは歌手自身が歌詞を書く事が流行だった様で、ここではダモンもYou’re Loveableに歌詞を提供しています。録音された1961年当時はこの様なサウンドが大いに幅を利かせていた時代でした。1970年代にはワールド・レコード・クラブからLinger A Whileと共に再発されたほど本アルバムも大変人気があります。写真3はイギリスEMIから1984年に出た再発アルバムです。
<キャピトル時代>
Lively Ones(ST-1748)

 3作目はスウィング形式に戻ります。ビリー・メイとジャック・マーシャルが編曲を担当しヴィックが声高らかに歌いまくる楽しいアルバムです。Laura、Nina Never Knew、Rubyなどのロマンティックなスロー・バラッドあり、Cherokee、The Most Beautiful Girl In The World、I Want A Little Girl、The Lively Onesなどのストレート速球の歌ありで緩急自在、それらを見事に歌いきりました。Diane、Dearly Beloved、Little Girlなどもビッグ・バンドを従え気分良さそうに歌っています。冒頭のCharmaineではエレキギターが少し顔を出し驚かせました。スウィングでは控えめながらもきめ細やかなストリングズが配されています。ジャケットではヴィックと美女2人がアメリカ車に乗って楽しそうです。1962年頃の録音。写真2は1985年にイギリスEMIから出された再発物です。


<キャピトル時代>
My Baby Loves To Swing(ST-1811)

 4作目もスウィング集でジャック・マーシャルが担当しています。冒頭はLinger A Whileの第一曲目と似た様な出だしですが、こちらはスウィングとスロー・バラッドに加えチャチャチャ調、ジャズ・ワルツ調、ボサ・ノヴァ調などと曲によってリズムに変化を持たせたヴァラエティに富んだアルバムです。明るくスウィンギーな曲が多くヴィック自身が楽しんだ様な作りになりました。I’m Nobody’s Baby、Everybody Loves My Baby、You Must Have Been A Beautiful Baby、Alright Okay, You Win、My Melancholy Baby、Let’s Sit This One Out、My Baby Loves To Swing、My Baby Just Cares For Me、Is You Is, Or Is You Ain’t、Baby, Baby All The Time、Make Me This A Slow Goodbyeの全12曲。1963年頃の録音です。
<キャピトル時代>
The Liveliest(ST-1944)

 これはニュー・ヨークの有名なクラブ、ベイズン・ストリート・イーストでのライヴ盤でリラックスした雰囲気の下で声を張って歌っています。所々にライヴらしくアドリブが入りました。ジョー・パーネロの編曲指揮でスタンダードを中心に歌いましたが、あまり録音が良くないのでこのアルバムが一番だとのお薦めは出来かねます。ただショーにふさわしい作りを垣間見る事が出来、バラッドに始まっても末尾に近付くに連れ盛り上がり、結局スウィング調で終わるものが多く見られます。You And The Night And The Music、When Your Lover Has Gone、What Kind Of Fool Am I?、At Long Last Love、Fascinating Rhythm、Adios、I Left My heart In San Francisco、On The Street Where You Liveなど全12曲。録音は1963年頃。


<キャピトル時代>
On The Street Where You Live(ST-2133)

 キャピトル最後のLPでスタジオに戻っての録音です。タイトルは彼の最大のヒット曲で、しかも最初に持って来ました。やはり持ち歌として巧く歌いましたが、編曲が変わると歌も変わり彼自身も歌いまわしに少し変化を付けています。ピート・キングの編曲であまり派手な色付けはありませんが、スローな歌ではさすがに伸びやかな美しい喉を存分に披露しました。I Am In LoveやI Could Write A Bookなどのスタンダードの他、ミュージカルや比較的新しい歌Tonight、Till There Was You、The Sound Of Musicも取り入れています。Mariaはコロンビア時代にシングル・ヒットさせた歌です。中にはジャジーな演奏もありますが全体にポピュラー色が強く一般受けを狙ったもので、ジャズが好きな人には少々物足りない事でしょう。1963〜4年頃の録音で、前作とはレコード通し番号の間が随分と広がりました。
昨年、アメリカでヴィック・ダモンの自伝がでました。
Singing Was The Easy Partというタイトルです。
除隊後に初めて雇ったピアニストがバート・バカラックだったり、二代目がジョン・ウィリアムスだったという話もでてきます。
大変読みやすいので、ファンの方は是非チャレンジしてみてください。

先週ロスで彼のマネージャーのデイル・シーツ氏(昔はメル・トーメのマネージャー)と話す機会があったので、この伝記は読みやすいと話をしたら、口述筆記だったせいもあるだろうといってました。
ゴルフ大好き人間のダモンは現在フロリダで悠々自適の生活ですが、しばらく前にTVのモーニング・ショウで歌っていましたし、来年1月にはフロリダで特別ショウを開くそうです。

話はそれますが、デイルがマネージしているもうひとりの大物ジャック・ジョーンズが最近アルバムを吹き込みました。トニー・ベネット・トリビュートだった最新作からもう数年は経っています。今回はマイク・レンズィーのピアノを中心に、レギュラーのクリス・コランジェロ(b)、ケンドール・ケイ(ds)のトリオによるアラン&マリリン・バーグマンの作品集です。テスト盤を聴きましたが、70歳を超えているとは思えない張り切った歌いぶりです。

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