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みんなにやさしい自作小説コミュの−視線の奥に−

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『視線の奥に』

−この物語は、タイトルは忘れましたが、おかざき真里先生のまんが
彼女の相手をしていなかったら彼女が大きなさなぎになってしまうというお話が
元となって作っています。余談ながら。−

作:朝野 善果一

−保坂 香織がその視線に気がついたのは4月半ばの事だった−。

○プロローグ はじまりの視線

株式会社日夜(にちや)の新入社員のOL保坂は同僚の塚本の視線に敏感に
反応するようになった。『見られている、、、。』
意識が過剰になっている。本来、見られていようがいまいが、
我が道を行く、保坂であったが、意識しだすと何かとまどろこしい。
明日こそその視線の意味をはっきり問いただそう。

だが次の日いつも居るはずの塚本君の姿はなく、塚本のいるところには
机と椅子だけ。肝心の塚本の姿がない。そんな状況で一週間が過ぎ去ろうと
していた。

今日は金曜日。明日のお休みには塚本君の家にいって直接問いただそう。
住所をメモし、明日は塚本の家に行って問いただす事にわくわくしていた。

○出会い1 サッカーの子供達

『、、、町756−99 塚本 修平 へぇー修平って言うんだ。』

塚本の名前を知った保坂は何か自分が上位にたった気分でご機嫌になった。
だがそのご機嫌もなんとやら。保坂は住所にもとづいて塚本の家を探しに行った。
だがすぐには見つからない。住所の番号順に家が並んでいない為だ。
公園で子供達がサッカーをしてあそんでいる。とりあえずその子供達に聞いてみる。
『ちょっとちょっと集まって!ねぇ君達、塚本 修平さんの家知らない?』
『修平兄ちゃん、修平兄ちゃん知ってるよ』と子供の一人が言うと
『お姉さん恋人?うわー、兄ちゃん隅におけない!!』と他の子供。
『な、なにを言うのこの子、、、』保坂戸惑いを隠せない。
『修平兄ちゃんの家までなら僕が一緒にいってあげるよ』とまた他の子供。
『だめよ!知らない人について行っちゃ行けないって
 学校やお父さんお母さんにならわなかった?
 だいたいの位置でいいのよ教えてくれる?』
保坂はだいたいの位置を聞き子供達と別れた。

『塚本君は子供とサッカーをしてた好青年だったんだ。』
なんとなく塚本の秘密をしった気がしてご機嫌になった。

○出会い2 近所のおばさん

『、、、町756−99 ここだわ』
一度深呼吸をして保坂は呼び鈴を鳴らす。

ピンポーン ピンポーン

だが反応がない。
『塚本さん、塚本さん!!!』どんどんと保坂はドアを叩く。

近所のおばさんがやってきてこういう
『おや、塚本さんに用事かい?塚本さんなら今週あたまに引っ越したよ。
あなた塚本さんの恋人かい?あの子も隅におけないね、、、くくく』
『な、失礼します。』保坂は足早にその場を去った。

『そっか引越しで休んでたんだ』保坂は病気で休んでたとばかり
思ってたので、少し安心をした。ただ塚本の足取りがつかめない、
あのおばさんに聞くのもシャクだし、、、とほうにくれていると
自分の眼前に小さな喫茶店が見えた。

○出会い3 喫茶店にて
から〜ん
『いらっしゃーい、おやべっぴんさん 』とマスター。
『マスターお世辞を言ってもなにもでないわよ。ブレンドおねがいね』と保坂。
『しばらくお待ちを、、、』
カウンターに座り、コーヒーのフラスコに見とれているとマスターが言う。
『塚本君のお友達ですか?』
『な、なんで???』
『そこのメモ』
塚本の住所が書かれているメモをカウンターの上に置いていた。
『塚本君はね、自転車でいつか日本一周をしようとしているんですよ』
『日本一周、、、』

『そっか塚本君は日本一周をしようとしているんだ、、、』

○出会い4 塚本 修平
会いたい

いつしかそんな心に満たされていた。今すぐあいたい。
でも叶わないそんな願い。でも会いたい。

でも会えない。

保坂は家に着きベッドに飛び込んだ。枕をぬらしながら
今すぐにでも、塚本が自分に会いにやってくる。そんな幻想の中、
現実は何も起こらない、いつもの週末。

その時だった。
りーりりん、りーりりん

電話だ。
『もしもし』
『、、、』無言電話だ。
『もしかして塚本君? 』
『!、、、ああ、そうだよ塚本だ。』
塚本君と話をした。思いのほかぶっきらぼうだがやさしかった。
彼は今保坂の家の近くにいるらしい。
近くのファミレスに待ち合わせをした。

自分でもどうかしていると思う。
知り合って間もないそんな彼にどうしても惹かれていく。
彼の胸に飛び込んで行きたい。そんなキモチいっぱいの心。

彼にもうすぐ会える。ただそれだけで心満開の花が咲いていた。

○エピローグ 彼女の願い
ファミレスで保坂と塚本は食事をしていろいろ話した。
そして
『ねぇ、視線の訳をおしえて、、、』と保坂
『(ぽりぽり)それは、、、内緒です、、、。』と塚本
『!男は男らしく、はっきりしなさい!』
『(困りながら)つきあってください!』
『、、、(満身の笑みを浮かべながら勝ち誇ったように)ダメよ。』
『、、、え?、、、』
塚本はこのムードなら絶対彼女は自分に好意を示していると
思っていた。男はこういう拒絶を恐れているものなのかもしれない。

『自転車で日本一周したら、付き合いましょう。それが私とあなたの一線よ。』
塚本はふっと笑いながら満身の笑みで彼女の気持ちを受け入れた。

塚本が自転車で日本一周する日もそう遠くはないのだろう。

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