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坂本龍一の名曲をさがせコミュのアルバム・レビュー 「こんなアルバム、聴きました」。

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「坂本龍一関連アルバム」のレビューのトピ。

新作、近作、かつての名盤など、いろいろご紹介、おねがいします。ぴかぴか(新しい)

コメント(1)

トリオ編成の前作『1996』とは比べものにならない、深まりと広がりと複雑さと洗練、自由、達成、充実がある。

前作にもすばらしい曲や瞬間はあったが、そうではない部分もあった。
しかし今回の『Three』には、そういう箇所がまったくない。

実験的な不協和音で3者が重なる箇所(「Bibo no aozora」)や、ヴァイオリンとチェロで笙のような音の移ろいが能舞台のように表現されている曲(「Still Life in A」)があった。

そのあと切れ目なく続く「Nostalgia」。音楽がかつてこうした顔つきをしたことがあったのか。
B・イーノの『Music for Airport』への、30余年経た後の東からの解答。

単なる整合感の心地よさのみを求めるリスナーには抵抗感があるかもしれないが、じつはこういった部分こそ、このアンサンブルの自由さと到達度の高さを明かしている。

たとえばロックだとポリスという3ピースバンドがあったし、ジャズだとキース・ジャレット・トリオなどがある。自分が体験した3ピースバンドの究極のひとつは、林英哲・木下伸市・土井啓輔という邦楽トリオの演奏だが、『Three』のアンサンブルは、こうした究極のトリオ編成の域に到達している。

録音も秀逸で、3者の演奏の音色や息づかいなどが見事にすくいあげられている。

特に坂本龍一の磨き上げられた乳白色のピアノの音色はすばらしく、自然な温かみのなかで輝く。

ラストに収録された「Parolibre」では、新加入ヴァイオリニスト、ジュディ・カンの美質が解き放たれている。最後の音が時空に溶け込み、アルバムは幸福感の燐光を放って無音へ還る。

記念碑的などという言葉は大げさかもしれないが、やはりそうした言葉にふさわしい演奏と録音。

2012年10月という段階で、地球が奏でた歌。

地球の母胎から湧きだしたような音楽である。

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