「起業の天国と地獄」無料相談室コミュの「空手と起業」　オフ会回顧録

先日のオフ会は、盛況のうちに終えることが出来ました。
勝手に、私用のため延期したにもかかわらず、約40名の方に集まって頂きました。
皆さん本当にありがとうございます。

初めて会ったにもかかわらず、旧知の友のように楽しくお話させてもらいました。
改めて、メンバーの方々の質の高さに感謝致します。

皆さん、二次会まででは話し足りなかったみたいで、三次会まで突入してしまいましたｗ
三次会はカラオケボックスだったにもかかわらず、誰も一曲も歌うことなく三時間も盛り上がり詰めですｗ
本当に皆さん、バカですよねぇｗ

その時の写真を一次会、二次会、三次会の順に貼っておきます。
（三次会の写真の真ん中の女性Mayさんの顔が「リング」のようにぶれていますｗ　何事もなければ良いのですが・・・ｗ）

一次会については、二部構成でやらせて頂きました。
前半部分は、空手に例えて、「起業にとって大切な心構え」を、後半では、実践編として「経営に必要な管理数値」の考え方について話させてもらいました。
人によりどちらの話が良かったかは分かりませんが、少しはお役に立てたかと思います。

その全てをここに書くわけにはいきませんので、前半部分より一部抜粋して述べさせてもらおうかと思います。




私は学生時代、暴走族との抗争を通して、それなりに名前が売れていました。

周りの人間には、「お前は怖いものなんてないんじゃないか」とよく言われましたが、そんなことはありません。
人はよく「強い人間」と「弱い人間」に二分しようとしますが、私に言わせれば、生まれながらにして強い人間などいません。
いや、弱さを持たない人間などいないのです。

私は、今でも自分は弱い人間だと思っています。
小心者だし、根性もないと痛感しています。
しかし、自分がまだまだ弱い人間だと思うからこそ、強い人間になりたいという気持ちは人一倍強いと自負しています。

確かに若いころは、暴走族やヤクザ相手にケンカを吹っかけたりしたものですが、今にして思えば、所詮、それは子供の遊びに毛が生えた程度のものでした。

第一ケンカが強い、弱いなんて事は、「人間の本当の強さ」とはまったく関係ありません。
ビジネスの最前線においては、この「強さ」がものをいいます。
決して「うまさ」ではありません。「うまさ」とはテクニックです。
ある程度までは「うまさ」だけで進むことは出来ますが、それだけでは必ずどこかで致命的な失敗をします。

まず、自分は弱い人間なのだと自覚して下さい。
弱い人間だ、だから強くなりたいと思えば、いろいろな方法論が浮かんできます。
人間は、自分の弱さを知って始めて一人前になります。
自分の弱さを知ることで、他人の心の痛みも分かるようになり、情を備えた器量ができてくるのです。

弱者、すなわち器が小さいと自覚することは、決して恥じるべきことではありません。
自分を成長させるうえで、その原動力となるのです。
逆風を受けたときには、わが身を嘆くことなく、強くなるための試練だと受け止めたらいい。
順風の時にはおごらず、むしろ自分の弱さを噛み締めて、もっと前をみつめていけばいいのです。

私は、空手の試合を組み立てる時、常に相手より自分を下においてスタートしました。
相手に打たれ、窮地に立った自分を想定してから戦略を立てます。
誰も、最初から負けるつもりで試合に臨む選手はいません。
皆、自分が勝つと思ってコートに立ちます。
じゃあ、その根拠は何なのか、なぜそう思えるのか、そこを徹底的に考え抜くのです。

私は恐怖を打ち負かすほど強い人間ではありません。
恐怖は恐怖であり続けるからこそ、本当の恐怖なのです。
私は負けることが怖い。
だから、もし自分が私の対戦相手だったらどう攻めるかといった、私自身の弱点を研究するのです。
そして、その弱点をカバーするために、何度も何度も繰り返し練習します。

いいですか、空手はスポーツではありません。
人が生き死にする武道、格闘技なのです。
だから私は、自分より格下の選手とやるのも怖いです。
何もない選手でも、「スキあらば」と狙っている。
だから怖いのです。
怖いから死に物狂いで相手のことを、自分のことを研究するのです。

他の選手のように「負けてもいいから良い試合がしたい」という言葉が吐けたら、どれだけ楽だろうかと思います。
でも、私は負けることが怖い。
負けてしまったら、自分が苦労して作り上げてきた世界が一瞬にしてウソになってしまう。
自分が何者でもなくなってしまうことが怖いのです。

当時、後輩が私の試合を見てよく言っていました。
「先輩の試合は、見ていて胸が痛くなってきます」
「打たれても、蹴られても、なぜそこまで耐え抜けるのか。もうダメだとは思わないんですか。」
確かに、歯を食いしばって苦痛に耐えるより、倒すか倒されるかの打ち合いを挑むほうが本当は楽だと思います。
けれど、私はそうしません。
相手が調子に乗って出てくるまで、辛抱強くチャンスを待ちます。

私は勝ちと引き換えなら、全てを犠牲にできます。
しかし、負ける可能性を賭けて危険を冒すことは、私の価値観に合わないのです。
それは、私にとっては「逃げ」を意味することです。
私のような弱い選手は、崖っぷちに立たないことには本当の力は出てこないのです。

これは私のビジネスでも同様です。
私はまず会社の現状分析から行ないます。
数字はウソを言いませんから、すべての希望的観測を除いた、ありのままの自分の会社をまず理解します。
その上で、不足している部分とその対応策を徹底的に考えます。

そのときに「これがあれば」とか「こんなことがなければ」とか、どうにもならない要素は、一切考慮しません。
それは単なる言い訳でしかないからです。

自分の持っている経営資源内での最高のパフォーマンスを追及します。
ビジネスの世界は、空手と同様、勝つか負けるかの殺し合いの世界です。
殺し合いの場で、「体重が軽いから、怪我をしているから仕方がない」とは誰も考えないでしょう。
どんな相手であろうとも、自分がどんなに不利な環境にあろうと、与えられた現状がすべてです。

私は、そうした不利な状況の中で戦い、そして生き残りました。
「自分が勝つ」という気持ちを強く持たない限り、生きるか死ぬかの勝負はできません。

事業は継続してナンボの世界です。
皆さんも継続することの難しさが、これから身にしみて分かると思います。
経営というものは、最悪の状況を想定して戦略を立てなければなりません。
会社の利益にならないことは、何一つしてはなりません。
すこしお金が入れば、ベンツを買う。女の子のいるところで飲み食いする。
そういうヤツの夢は、所詮、その程度だということです。
私が自分に厳しいのは、自分自身に自信がないからです。
そんなことをしていたのでは、生き残れないと思っているからです。

一度や二度のささやかな勝ちにすがり付いて、自分を弱者だと認めようとしない。
それどころか、自分は特別だと思い、ますます増長し高慢になっていく。
だからダメなのです。

自社ビルを建てるだとか、高級車を乗り回すだとか、そんなものは一時的な刺激であってすぐに飽きるものです。
バカは気づかずにもっともっとと続けて、どこかで破局を迎えることになります。

結局、そうした人達は悪い意味で自分に自信がないのだと思います。
バカはバカと仲良くなるから、仲間のバカに「すごいな！」とか「うらやましいな！」とか言われ続けていないと不安になるのでしょうね。

バカは、その人物が何を成し遂げたのではなくて、何を所有しているかにポイントを置いてしまうからいけないのです。

これから先、必ず起こりうるであろう大きな勝負に、一度でも負けたら、もう一生自分の望んでいる場所にたどりつけない。
そのことを体験的に知っている人間は、そんな小さな勝利で調子にのっている暇はないことを理解できています。

事業をやっていると、ある日突然、目の前に、絶対勝ちたい大きな勝負が降ってわいてきます。
そのときまで、小さな勝負での勝利体験を積み重ね、無駄に力を分散することなく溜め込んでおかなければ、その勝負には絶対勝てません。
起業家の経営手法は、守り重視のカウンターパンチしかないと、つくづく思います。

人はだませても、自分自身はだませません。
勝ったことのない人間は、いくら自分で「俺はスゴイ」と言っても、心の中では「そんなことはない」と言い返しています。
努力して勝利体験を積み重ねるしかないのです。

「勝利体験」というと、「相手に勝つ」というイメージを持つかもしれませんが、決してそれだけではありません。
たとえ結果が出なくても、「誰よりも努力した」と言い聞かせる。
すると自分が信じられる。
それでちょっとだけ勝つのです。
ほんのちょっとだけど。
すると、不思議と自信がついてくるものなのです。
「自分に勝つ」ということも、「勝利体験」には欠かせない要素です。

周りの人は、私のことを、空手の世界でもビジネスの世界でもあまり負けを経験していないと誤解しているようですが、そんなことはありません。
実は、試合の前、勝負の前に何十連敗もしているのです。

そこで徹底して自分と相手を研究し、最悪のパターンまで含め、いろいろな展開をイメージすることによって、ぎりぎりかもしれないけれど、相手より自分を少しだけ上に持っていっているに過ぎないのです。

どちらの世界にも、私以上の選手や会社はたくさんあります。
でも私は勝ち残らなければなりません。

嫌なこと、つらいこと、苦しいこと・・・・
勝つためなら、どんなことでも引き換えに出来る覚悟があります。
また、そういう代償を払うことによってしか、私は相手に勝つことができないのです。

自分の力を肯定しないで下さい。
肯定した瞬間に皆さんの成長はなくなります。
100の力の人間が100の仕事をしているうちは、いつまでたっても200の力になりっこありません。
今できないと思う仕事をやり遂げて、成功する経験値を積み上げてこそ、初めて自分の限界を押し上げることが出来るのです。

自分を正当化して「できない」と言わないで下さい。
経済的・時間的・人的要因を「できない」理由にしてはいけません。

確かに、人生は苦労したからといって報われるほど単純なものではありません。
しかし、事業で成功する方法はビックリするくらい「簡単な」ことです。
私がここで言う「簡単な」という意味は「楽な」という意味ではありません。
私がこれまで実践してきたやり方をすれば、必ず成功するから「簡単な」と言っているのです。
その方法を、私は皆さんに伝えたいのです。

経営の世界には、マンガに出てくるような「必殺技」は存在しません。
空手の世界でもそうですが、初心者を教える時は、まず基本から一つ一つ叩き込んでいきます。
悪いクセは口で言っても直りません。
何度も何度も同じ事をやらせて、体に覚えさせるしかありません。
頭でなく、痛い思いをして初めて体の一部になります。

特訓の辛さから、必殺技だのなんだのありえない技に憧れないこと。
ありえない技に逃げる。
その精神の弱さこそが問題なのです。
小手先の邪道に陥らないこと。

目指した以上は、堂々と経営の王道をまっすぐ進んでください。




以上です。

その時の講演でも言いましたが、私が基本的にノウハウめいた話は好きではありません。
なぜなら、そうした「真理」は、聞いたり読んだりしたぐらいで理解できるほど簡単なものではないからです。
ひとつひとつの体験が血となり肉となることによってしか、身につけることが出来ないのです。

見たり、聞いたりしただけで「分かったような気になる」、それが怖いのです。

ですから、今回の講演内容もそうですが、私の話の中から皆さん自身が、その答えを見つけ出して欲しいのです。
逆に言えば、その程度の「感性」がなければ、起業されても難しいのではないかと思います。



今回のオフ会に参加された方にお願いです。

講演内容や、その後の交流会について、率直な意見を書いていただけたらと思います。
後半部分の「経営の管理数値」の話については、ここでは書きませんでしたが、その内容についても自分の感じたことを率直に書いて頂けたらと思います。

次回、オフ会を開催するようなことがありましたら、その参考にさせてもらいたいと思っています。

よろしくお願い致します。