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カヌー・カヤックコミュのインシデント・リポート

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インシデントとはアクシデントの一歩手前、いわゆる「ヒヤリ・ハット」のことです。

シーカヤックの世界では:
http://g-outfitter.com/soukaiya/incident.html
がありますが、残念ながら掲示板が SPAM 攻撃に遭って閉鎖されてしまったとのことです。
残されている情報だけでも十分有用ですが、新たなレポートができないのは非常に残念です。

そこで、シー/リバー問わず、すべてのカヌー・カヤックのインシデントを収集して、安全に繋げられればよいな、と思ってこんなトピックを立ててみました。


同様の趣旨の情報としては、「カヌーライフ」誌における JSCA の森下さんの連載「リバーセーフティ講座」があります。
あの連載の意義は大いに認めるところでありますが、我々のパドリングシーンで、実際にアクシデント (事故) に繋がるような経験をお持ちの方は少ないでしょうし、また少なくあるべきです。


それより、実際の事故に繋がらなかったまでも、「一歩間違えれば事故が起きたかも……」という事例は、程度の多寡はあれ、誰しもがお持ちなのではないでしょうか?
それを蓄積することで、すべてのパドラーの安全に繋げたいという趣旨で、僭越ながらこんなトピックを立てさせてもらいました。


投稿フォーマットは次の通り (上記「漕海屋」さんのフォーマットを流用・一部改変)。
--------------------------
◆日時/場所
日時については、それがインシデントに関連がある場合、それが特定できるような情報。たとえば夏か冬か、午前か午後か、などでも構いません。

場所はフィールドの名称・状況をなるべく具体的にお願いします。
たとえば海の場合は「xx海岸」「xx島付近」など。
川の場合は河川名だけでなく、区間やスポット名など。
湖の場合も湖沼名だけでなく、なるべく場所を特定できるように。

◆インシデントの内容
ヒヤリ・ハットの内容を一言で。

◆詳細
インシデントの状況をできるだけ詳しく。

◆処置
そのインシデントをどうやってアクシデントにせず回避できたか。

◆原因
そのインシデントが起きたと思われる直接的、間接的原因。

◆考察
そのインシデントはどうやって防ぐことができたか、インシデントを繰り返さないためにはどうすればよいかなど、思うところがあれば。
--------------------------

また、インシデントに対するコメントがある場合、コメント番号を明記してください。

ここでオイラに行動力があれば、ホームページでも立ち上げるか、知り合いがいる JSCA に働きかけて投稿ページでも作ってもらうところですが、内弁慶なので mixi 内でこっそりやります。
だれか行動力がある人、上記のような活動お願いします冷や汗


とりあえずは mixi 内だけでも、このトピックがみなさんのパドリングライフの一助になれば。


◆関連リンク
○Rescue 3:
http://www.canoelife.ne.jp/rescue3/r3_3.htm

急流での救助を専門とした世界的な救助プログラム。
日本では、元カヌーライフ編集長の藤原さんの会社、フィールドワークスが普及活動につとめている。

○日本セーフティカヌーイング協会
 (Japan Safety Canoeing Association: JSCA):
http://www.jsca.net/

名前の通り、日本におけるカヌー・カヤックの安全に対する普及活動を行うことを目的とする組織。指導者団体の側面が強いため、インストラクターの公認試験などの活動が目立つが、それ以外の安全啓蒙活動も行っている。

------

【注】
私が立てた類似トピック:
「インシデントリポート (リバー編)」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=21978812&comm_id=19818
は本トピックに吸収する形で収束させるつもりです。
Ryu さんからのコメントなど興味深い内容もありますので削除はしないつもりですが、該トピックに対する新規の書き込みはご遠慮ください。

コメント(20)

ではさっそく、例を兼ねて。(前トピからのコピーです)
--------------------------
◆日時/場所
2007年8月、長野県犀川、旧大岡村から信州新町までの区間。
日原橋下 (だと思う) 右岸河原のエディにて。

◆インシデントの内容
紛らわしい位置取りによる初心者の混乱

◆詳細
私が会社の同僚 (初心者) を連れて某カヤックスクールに行ったときの話。
私は別のインストラクターのクラスで、同僚達とは別に下っていた。
昼食の休憩を取るために橋下のエディを取り、上がって休憩することになった。
エディは狭い入り口から斜めの流れを横切って入る形ではあるが、さほど強い流れでもなく、経験者ならば問題なく入れるものであった。

実は私は足を怪我していて河原歩きが辛かったのと、食べ物はライジャケのポケットに入れていたので、陸に上がらずボートに乗ったままでいた。

すると、上流から同僚の初心者グループが下ってきた。
エディは十分な大きさはあるとはいえ、初心者には繊細なコントロールは難しかろうと考え、私は邪魔にならないようにエディライン上に移動し、落とされないように漕ぎながらみんなが陸に上がるのを見ていた。

そうしたら、初心者の何人かが私の姿を見て、その場所がいい場所だと勘違いしたらしく、こっちの方に来てしまった。
エディの奥を指して「そっちだよ!」と叫んだにも関わらず、一人エディラインで喰われて沈、一人は沈こそしなかったものの、エディを落とされそうになりヒヤヒヤした。

◆処置
エディライン自体にさほどパワーがなかったこと、くるぶし程度までしか水深がなかったこともあって、重大な事故にはならなかった。
# ただし、沈した一人は靴を流出してしまった。

◆原因
自分の存在そのものが初心者を混乱させるということ自体をまったく考慮していなかった。
しかもそれを、インストラクターから指摘されるまで気づかなかった。

◆考察
そもそも、「私は足が痛いのでボートに乗ったまま昼食を取りたい」ということをインストラクターにちゃんと伝えていなかった。
もしその旨を伝えていたら、「その場所はあとから来る人が混乱するから、一個下で待っていて」などといった、より適切な助言を受けられたかもしれない。

基本的には初心者の気持ちを想像できなかった (インストラクターの指示より、よく見知った自分の方につい来てしまう) のが問題だと思う。

今後は初心者を混乱させないよう、はっきりと意志が伝わる位置取りを行い、またチームで行動している以上、自分だけの判断ではなく、インストラクターの指示を仰ぐように心がけるようにしたい。
はじめまして。
去年、じぶんの日記にレポートを書きましたが、
自分への戒めのため、読み直して、
もう一度報告することにしました。
ちょっと長い文章なんですが、
よろしければ読んでください。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=165877966&owner_id=3417870
>#2 備長炭さま
非常にシリアスなインシデントで、公開するのにも勇気が要ったと思います。その勇気に感服するとともに、今でもシーカヤックを楽しんで居られるようでよかったです。

私はリバー専門でシーカヤックに疎いのでタコな質問かもしれませんが、いくつか不思議に思ったことがあるので教えていただけるとありがたいです。(ご本人でなくても)

(1) ご主人の沈はラダーの不調が原因とのことでしたが、シーカヤックにおいてはラダーの不調とはさほどに頻繁に起こることなのでしょうか?
それを防止することは可能なのでしょうか?
また、不調になった場合洋上で対処する適切な方法はあるのでしょうか?

(2) この件がインシデント止まりでアクシデントに繋がらなかったのは、ご主人の冷静な対応が一つあると思いますが、それ以外に考えられることはありますか?
また、ご主人が冷静でいられた要因は (持って生まれた性格以外に) なにかありますでしょうか。たとえば装備面であるとか、その他のことで不安が軽減できたなど。
>#3なるひこ様
読んでいただいてありがとう御座います。
一度公開してましたから、さほど抵抗はなかったです。
実は、まだ続いていれば漕海屋さんのレポートするといいと、
ご意見をいただいてました。
あれからあっという間に一年たってしまいました。
いい機会をくださいました。

さて、ご質問の件ですが、

(1) 頻繁かどうかはわかりませんが、たまにあるらしいです。
予防としては、前点検を怠らないことなんでしょうね。
洋上での対応は、非常に難しいと思いますが、  
私もラダーつきのカヤックの経験があまりありませんので、
気軽にお答えできません。

(2)後で本人に聞いたのですが、風の状況から、
流されても陸地に到着できるとわかっていたので、
まったくあわてなかったそうです。
あと考えられるのは、
水温が暖かかったこと。
カヤックから離れなかったこと。
当然ですが、PFDをつけていたこと。
でしょうか。

後は、運も良かったと思います。
お答えになったでしょうか?
>#4 備長炭さま

大変参考になりました。ご回答ありがとうございます。

(1) についてはどなたか、ラダー付きシーカヤック乗りの方からのコメントをいただければありがたいですね。
作ったはいいがちっとも盛り上がらないこのトピ。
みんなそんなにドキドキする目に遭ってないってことかな?
それなら喜ばしいんだけど。

ということで、またもや我が身の恥を晒してみようと思います。
--------------------------
◆日時/場所
2007年9月、東京都青梅市 御岳
沢井のホールの少し上のポアオーバーしている岩裏エディ (ホール) にて

◆インシデントの内容
ホールに捕まってしまったための体力の大幅な消耗

◆詳細
最近ソロパドリングが多かった私。
久しぶりに人と漕ぐので少しテンション高めだった。
しかしそのせいか、寝不足で漕ぎの調子は悪い。
なんでもないところで転ぶ転ぶ……。

で、私はエディキャッチを愛しているので、取れるエディは全部取るもんね! という勢いでエディを取りまくっていた。
そして問題の、ポワオーバーしている岩裏のエディ……というかホール、をキャッチ。
入った瞬間、ぐぐっと引っ張られる感触があったので、しまった、ここは入ってはいけないところだった、と思い、スカーリングで離れようとしたが、引き戻される力の方が強くがっちり捕まり、上流沈。

ロールで起きるものの、起きたところはまたホールのなかで、そのまま沈とロールをなんどか繰り返す。
上流沈を恐れてリーニングを一杯にすると重心がボートから出てしまってパドルに寄りかかる形になり、そのままパドルを抜くと下流沈、かといってリーンを緩めるとデッキに水が乗って上流沈。

◆処置
どうせ沈するならと、体をうんと伸ばして下流後ろ側 (ホールの外側) の水をキャッチして転んだところ、それがきっかけでロールしたらなんとかホールの外に出ることができた。

しかしホールに捕まっている間に相当体力を消耗しており、そのあとなんでもない流れで粗沈。
腹筋も疲れていたためロールも危うい状態だった。


◆原因
・入っていいエディか、捕まるホールかの見極めの甘さ。
・ホールのキープ力に対し、漕ぐ力が弱いスカーリングで逃げようとしたこと。

◆考察
一番の問題は判断ミス。
ポアオーバーしている岩の裏がホールになっていることぐらい誰でも気づくこと。
取ってすぐ出ようとした (留まるつもりはなかった) とはいえ、そもそも入ること自体が間違い。

そのあとの対応も、そのままフォワードで漕ぎ抜けてSターンで抜ければなんとかなったのに、手を抜いてスカーリングで抜けようとしたのは、さらなる判断ミス。

また、ホームゲレンデという甘えもあり、体調が悪い状態でシビアなチャレンジをしすぎた。
体調が悪いときには無理せず休むことも重要。
>#5 なるひこさん

ラダーの件について。

シーカヤックという艇で、おそらくもっともトラブルがおきやすいのは、ラダーやスケグだと思います。
どれくらいという率ははっきりと示せませんが、相当な頻度でトラブルが起きます。

洋上での修理ですが、不可能ではありません。
もちろん程度にもよりますし、艇の種類、グループ構成、修理技術、道具や予備の部品の有無(および海上で取り出せるところにしまっているかどうか)など、いろんな要因があるのでひとことではいえませんが。

僕らの場合、お客様の艇にラダー・トラブルが起きた場合、9割以上は海上で対処してしまいます。
でも相手がシングル艇だと、海上での対応はもっと難しいですね。



10月に葉山で講習会を予定してしますが、これを拝見してラダー・トラブルの海上対応の方法も盛り込んでみようかと思いました。
ありがとうございます>備長炭さん、なるひこさん
>#7 Ryu さん
なるほど、「相当な頻度」で起きるトラブルではあると。

シーカヤックの場合、リバーと異なり、一度沖に出てしまってからだと再上陸してのトラブルシュートというのは考えにくいので、もし「相当な頻度」で起きるトラブルなのであれば、それを洋上で解決するスキルはかなり重要と言えるでしょうね。

このトピックでのやりとりがきっかけに、すこしでも多くのシーカヤッカーさんがそのスキルを得るチャンスができれば幸いです。
>#5 なるひこさん
どうも読ませていただいていると、なるひこさんは相当な腕前のようで、恥ずかしくなってしまいます。

>#7 Ryu さん
実ははじめましてではありません。
2・3年前、常神半島でお見かけしました。
Ryuさんは大きな声で「大丈夫かー?、大丈夫かー?」と
叫んでおられました。
何事?とびっくりした記憶があります。
レスキューの講習会だったんですね。
印象的でした。
>#9 備長炭さん
えっ、どこが? って感じですが冷や汗

リバーだとシーカヤックに比べて大きな判断 (天候を見極めるとか、潮流を考えて漕ぐとか) が不要な代わりに、それなりにスポーツっぽいというか、瞬間の判断に対応できるパドリング力がないとダメなところがありますからね。
シーカヤッカーな方から見ると慌ただしく見えるかもしれません。

まあ、もちろんそういうスキルを必要としないフィールドやボート選択もあるから、一概にリバーカヤックはスポーツ指向とは言えないと思いますけど。

で、漕ぎのスキルにしても判断力にしても、オイラはまだまだだと思いますヨ。
ここに書こうと思ってるネタもまだまだありますし冷や汗

そんなオイラのようなへっぽこでも末永くカヤックを楽しめるよう、アクシデントを起こさないために、ここのトピックが盛り上がってくれればいいなあ、と思うんですけどねー。
はじめまして、なるひこさん、備長炭さん。

ラダーやスケグのトラブルについてですがツアー・スクール中に確かにあるトラブルです。

スクール後、カヤックを洗う時には必ずラダーやスケグのチェックやカヤックの破損がないかを確認しながら洗っています。当たり前のようですがこれをしっかりやっておくのが僕の場合大事な事故防止策の一つです。

これをやってもラダーやスケグのトラブルは起きるときは起きてしまうのですが。。。


もちろんラダー・スケグを使用するカヤックの場合は修理できる道具やワイヤー・ナットなどを持って海に出る事をお勧めします。
>#11 マッキ〜木下さん
どうも、返信書いたはずなのに消失してる……。
たぶん「確認」画面で「書き込み」を押し忘れちゃったんだろうな (よくやるんだ、これが)。

なるほどぉ。
やはり日常のチェックがまず第一なんですね。
洋上での修理方法っていうのは誰でも分かる (知っている) ものなんでしょうか?
そういう情報がどこかの Web ページに上がっていればよいですね。

しかし川なら最悪途中リタイアもできるけど、シーカヤックはやっぱり大変だなぁ……。
なんか一人上手で恐縮ですがあせあせ
みなさん、沈脱ってインシデントだと思いますか?

けっこいますよね、「沈脱もまたカヤックの醍醐味の一つだ」みたいなことを言う人。
状況に依ってはオイラもそれを100%否定するわけじゃありませんです。

けど、やっぱ沈脱ってインシデントなんですよ。
リバーカヤックの場合、川の中を生身で泳ぐってことはやっぱりそれなりにリスクありますし、仮に泳いだって安全な場所だとしても、泳ぐことは体力の消耗に繋がるわけでして。

そんなわけでオイラは、たとえば自分より力量 (パドリングスキル、川読みのスキル、などなど) が劣る人と一緒に漕いでて、その人が沈脱したときに笑うような人とはセーフティ意識を共有できません。はっきり言えば嫌い。

ま、そんな前置きはサテオキ、沈脱がらみのインシデントを二つ投稿します。

------------------
◆日時/場所
2007年10月初旬、山梨県桂川 (相模川の上流の通称)。
清流センターから四方津の区間のエディにて。

◆インシデントの内容
自分の能力の過信による沈脱

◆詳細
私はエディキャッチという行為そのものが大好きである。
もちろんそれは、本当に必要な状況を考えたときの練習という意味もあるわけだが、狙ったエディを狙ったとおりにビシっと取れたときの感触が溜まらなく好きなので、ダウンリバー中はそれこそ、取れるだけエディを取ってやる、みたいなイキオイでエディを取ってばかりいる。

その日は桂川に来て二日目。
初日に十二分に堪能して、この日は普段めったにしないホール遊びも3時間ぐらいしたおかげで、自分では感じていなかったがけっこう疲労が溜まっていたのだと思う。

そんなわけで、エディを取り取り下っていた中。
あるエディをなんの気もなしに取ろうとした。
そのエディは冷静に考えると、流れが岸壁に当たっていて、それが渦を巻いていたので、決して安全なエディではなかったが、大してエディラインはきつくないし、渦もボートに乗って漕げる分には出られないほどではなく、難しくもなんともない、とそのときは思ったので、ちょろっと取ってスラローム的にワンパドルでエディを出る、そんな動きを頭に思い描いてエディに入った。

すると、スコンとエディラインで喰われて沈。
「あー粗沈しちゃった」と思い、ロールで上がろうとしたが、上がったところで岩に押しつけられてまた沈。
それを2〜3回繰り返したところでさすがに焦った。
パドルで岩壁を押して離れてロールしても、上がるときには押しつけられてしまい無理。
それではとパドルで水中の岩をガリガリ漕いで、エディから出ようとしたが、渦が強くてこれもできない。
ロールで上がりかけたところで岩を掴んでムリヤリ体を起こそうとしたが、手が届くところに掴めるところがなくそれも無理。
結局、あきらめて沈脱した。

◆処置
パドルを握って艇から出たときに、艇が渦でぐるぐる回っているのを目にする。
一緒に下ってきたメンバーがレスキューに来ようとしたが、自分の事例を考え、二重遭難だけは避けたいと思い「来ないで!」と声をかけ、自力でのリカバリーを考えた。
エディを出れば流れが緩やかなのは見て分かっていたので、まずはボートをエディから出せば仲間が拾ってくれるだろうと考え、なんとかボートを押し出した。
それから岩を伝ってエディライン際まで行き、泳いでエディラインを突破、その下で岸に泳ぎ着いて、仲間が拾ってくれたボートに乗り込み、ダウンリバーを続けることができた。


◆原因
確かにいつもの自分ならそこのエディラインで喰われ沈はしないと思う。
しかし疲労があり、いつものように漕げなかったため、結局沈をした。

「こんなところで沈するわけがない」という思いが、そのエディで万が一沈したときに安全かどうかという判断を鈍らせ、結果として沈脱に繋がった。


◆考察
自動車教習所で「かもしれない運転」という言葉を習った覚えのある方も多いと思う。
ダウンリバーでも一緒で、「かもしれないダウンリバー」という意識が必要であった。

「オレはこのエディキャッチでは絶対沈しない」

と思ったとしても、万が一沈したときに果たしてそこは安全なのか、まず第一にそれを考えるべきであった。
それは私のカヤックの師匠から強く言われていたことで、理性的なときにはそれを意識しているのだが、気持ちよくエディキャッチが上手く行ってノッているときには、どんどんその意識が希薄になっていく傾向が自分にはある。
それは意識しているのだが、なかなか治らない。

折に触れて、「自分は今、自信過剰になっていないか」というのを振り返りながらダウンリバーをする必要があることを再認識した。
もいっちょ沈脱ネタ。
------------------
◆日時/場所
2007年10月初旬、多摩川上流部、御岳渓谷
三ツ岩の瀬にて

◆インシデントの内容
思いこみとチームメンバーのスキル見誤りによる沈脱


◆詳細
その日は、ロールが上がらない二人組と一緒に、御岳の放水口→軍畑区間を漕ぐことになった。
私は彼らと漕いだことがなく、したがって彼らがどの程度漕げるかの情報も持っていなかった。

本来ならそこで一緒に漕ぐべきではなかったのだが、諸事情により彼らはこの区間を「瀬をぜんぶポーテージするつもりでも行きたい」とのことだったので、私の技量でも、それよりは楽しんで貰えるのではないかと思い一緒に漕ぐことにした。

とりあえず御岳最難関の瀬である三ツ岩、歯っ欠けの瀬まで下ってきて、一度ガイドミスで一人が沈脱したが、二人のスキルもそれなりに分かってきたつもりであった。

三ツ岩、歯っ欠けについては、一人(Aさん)はそこそこ漕げるので、ガイディングさえちゃんとすれば大丈夫。
もう一人(Bさん)はパドリング力は劣るものの、セルフレスキューのスキルは非常に高く (沈脱後にすかさずパドルとボートを確保して力強くエディに泳ぎ込める)、ボート (パーセプションのダンサー) が長くて走るので、8〜9割は大丈夫だろうが、今日はレスキューが私しかいないので、残りの1〜2割を考えると陸ルートだな、というのが私の見立て。

などと考えていたら、Bさんが自分から「ここは担ぎます」と言ってくれた。
Aさんに「どうします?」と聞いたら、チャレンジするとのことで、二人で下ることになった。

御岳の三ツ岩というのは図のような瀬で (ヘタクソなのは許してください。トラックポイントで絵を描くのは大変なのです) 名前のとおり岩が三つあるが、ミソは最初の二つの岩。それぞれ流れが当たっていてけっこう大きなピローウェーブが立っている。
一個目の岩を左に抜けると、一個目の岩のピローに加え、岸のピローウェーブが気になる。
その点右ルートなら、二個目の岩のピローだけ気にしていればよい。
ということで、ここのセオリーとしては「初心者は右」とされている。

ので、今回は右ルートを選択して漕ぎ出し。
しかし、それまでのパドリングを見てて十分イケると思ったAさん、初めての三ツ岩と、先日の台風来の濁った川で気持ちが負けたか、ほとんど漕がずにルートに突入、なおかつ岩を怖がって岩と逆にリーンしたため、ピローウェーブにやられて沈、あえなく沈脱してしまった。

◆処置
御岳パドラーなら周知だが、三ツ岩で泳ぐとその下には歯っ欠けというこれまた嫌な瀬があり、二つの瀬の距離が短いのでいやらしい。

しかし右岸に大きなエディがあることはスカウティングのときに言っておいたので、ボートを捨ててパドルを持ってそこのエディに入ってくれたおかげで、怪我もなく無事に上陸できた。


◆原因
ダウンリバーの経験が少ないメンバーと下るときのアドバイスが欠けていた。
この場合、Aさんに「怖くても岩側にリーンして漕げば安定する」ってヒトコト言っておけばまったく問題なく下れたはずである。
この場合、不安感を拭うだけのアドバイスができなかったのはツアーリーダーの責任であると考える。

また「初心者は右ルート」というセオリーに囚われるあまり、Aさんにとって本当に右ルートがベターなのかという考えが甘かったし、また川の読みも甘かったと思う。
実際の川の様子から考えると、左ルートの場合ロックピローと距離を取ってエントリーでき、なおかつ壁沿いのピローウェーブの処理はできていた実績があったので、そちらのチョイスの方がAさん向きだったのではないかと思われる。


◆考察
ある川を下るとき、初心者ならこっちを通す、といったセオリーを知っていることは大事。
だが、もっと大事なのは、やはり川を見て、メンバーの力量を見て、適切なコースを判断することである。
セオリーに囚われるあまり自分の判断を放棄してしまったのが今回のインシデントの主因であると思われる。

また、アドバイスの点については、これはなかなか完璧を目指すのは難しい。
アマチュアとして漕いでいる以上、常に的確なアドバイスをできるとは限らないからである。
しかしもしそうなのであれば、気軽にガイドを引き受けるべきではないし、引き受けた以上、不安感を拭うだけのアドバイスをきちっとすることが求められる……というか、自分に求めて行く必要があると思う。
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ちなみにこのインシデント、続きがあります。
長文に呆れず読んでくださいませ。
#14 の続きです。
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◆日時/場所
2007年10月初旬、多摩川上流部、御岳渓谷
歯っ欠けの瀬にて


◆インシデントの内容
自己ののレスキュースキルの過信による二重遭難


◆詳細
#14 で放棄したAさんのボートを追いかけ、すぐに捕まえた。
すぐ横に大きいエディがあるので、カウテールで牽引すれば余裕だろうという気持ちで、あまり考えずにカウテールのカラビナをボートにかけた。

が、私はときどきこの失敗をやるのだが、私の PFD ではカウテールは右側についている。
それを右手ではずして、左側にあるボートにかけて、左にあるエディには……ボートがじゃまで漕ぎ出すことができない。
それをなんとかしようともたついているうち、どんどんと落とされてしまった。
なんとか漕げるようになったときにはときすでに遅く、かなり必死に漕いだがエディに入ることはできず、そのまま歯っ欠けの瀬に突入してしまった。

ボートを引きずったまま沈、ロールをトライするも、ボートが邪魔なのと、パドリング四日目ということで疲れが溜まっていて上がらない。
結局、沈脱か、クイックリリースを引くかの二択を迫られることになった。


◆処置
これはダメだと諦め、クイックリリースを引くか、それとも自分が出るかを考えたが、そのときの位置からいって、自分が出てすぐにボートをエディに押し込むことができると考えた。
またその下は浅くて大きな瀞場なので、ボートを引っ張って泳ぐのはさほど危険ではないと判断した (この判断が的確だったかどうかは正直不明)。

ので、まずは自分が脱艇し、考えたとおりにボートをエディに押し込んで、あとは少し泳いだら足が着いたので、Aさんのボートを引き寄せて中州にあげた。
そして自分のボートを上のエディまで泳いで取りに行き、結果、ギアの流出も怪我もなく、ダウンリバーを続けることができた。


◆原因
カウテールもまともにかけられない人間 (私です) がツアーリーダーをやろうとしたことがそもそもの間違い。


◆考察
セーフティギアの誤用は二重遭難を引き起こすことがあるので、自信がないなら持たない、使わないのが第一である。
使うのであれば普段から仲間同士で練習するなどの努力が必要である。
陸カヤッカーのtoyです。
なるぽんさん、ご無沙汰しております。
相変わらず激しく攻めているようですが、14の事例について一言。
連れているパドラーの技量が分かりませんので、とんちんかんなコメントかもしれませんが、盛り上がりに欠けるトピだと凹んでいるようですし、私の主観的判断基準を少々。

初心者のライン取りでもっとも気をつけるべき事は、瀬の中で向きを変えずに下れるラインを選ぶ事だと思います。
特にダンサーのような、流れの影響を受けやすい艇の場合、進むべき方向に瀬に入る前にバウを向け全力で漕ぐようにアドバイスしてあげることが重要かと。
余裕がないパドラーの場合、瀬の中では1つの事に集中できるよう状況を整理することが必要です。

セオリーが誰にとってのセオリーなのか…。
刻々と変わる状況に合わせて判断しなければならないところが、ダウンリバーの楽しみですね。
えらそーな事書きましたが、付き合いの長さに免じてお許しください。
>#16 toy さん
コメントどーもです。

# 馴れ馴れしいのは toy さんも書いてるように、彼はオイラの先輩カヤッカーであり、
# オイラにカヤックという遊びを紹介してくれた人だからです。高校以来の友人。

激しく攻めてるというのは……実力に見合わないパドリングをしてるってことかな?
だとしたら I agree with you ですが。

サテオキ。
まずは誤読訂正。
ダンサーに乗っていたのは陸ルートを選んだBさんです。
Aさんは Ace に乗ってました。

それで、toy さんのコメントの本筋ですが、

> 初心者のライン取りでもっとも気をつけるべき事は、瀬の中で向きを変えずに下れるラインを選ぶ事だと思います。

これはまさにその通りだと私も思います。
いかに状況をかんたんに整理して、それを伝えるか。
それが初心者相手のガイディングでは必須だと私も思います。

だから三ツ岩のルート指示も「岩を過ぎたらターンしてあとはまっすぐ」というものでした。
ターンは一回入ってしまいますが、これは三ツ岩という瀬の構造自体どうしようもない。

もしそれができない人なら、一つは三つの岩のぜんぶの右岸側をまっすぐ漕いで、右岸にある大きな岩の上のエディを形成している隠れ岩をジャンプして抜ける。
ダンサーの突破力ならそれが可能なので、もしBさんをどうしても下らせなければいけない状況なら、たぶんそのルート指示をしたと思います。
しかしそれは度胸一発のルートで、岩に蹴られて沈する可能性が否定できない。
だから今回Bさんは陸ルートしかなかったと思ってます。レスキュアーがあと二人いれば別でしたが。

ともかく、岩を過ぎたらターンしてまっすぐ。
その程度のパドリングは、Aさんならできる、というのが、それまでの漕ぎを見ていた私の判断でした。


その判断はさほど間違っていなかったと思いますが、メンタル面まで読み切れなかった。
あとからBさんが陸から取った動画を見せていただいたのですが、初めて下る三ツ岩、迫りくる岩とロックピローにビビってしまい、Aさんはここでまったく漕いでないのです。
パドル上がったまんま。
「しっかり漕いで抜けて」って指示はしたつもりで、しっかり漕いでさえいればAさんのそれまでの漕ぎを見ていれば問題なかったはずなのに。

そうそう、ここで私のもう一つの失敗があるんですね。
「彼の漕ぎなら行ける」と判断したため、岩をパスするところでは私は後ろをあまり見ていなかった。
いいわけすれば、模範ルートを見せるのに専念していたというものあるのですが、もしチラとでも後ろを見ていたら、「漕いで!」と叫べば済んだはず。

ガイディングの際には、キモとなるところでは後ろのパドラーの様子も確認しなければいけませんね。
「ここがキモである」という認識が足りなかったのも、原因の一つだと思ってます。


> 刻々と変わる状況に合わせて判断しなければならないところが、ダウンリバーの楽しみですね。

そう、川に決まった正解はない。
だから楽しいんですよねぇ。

有意義なコメントありがとうでした。
おかげでもう一つの失敗 (= インシデントの原因) に気づくことができました。
こんにちわ。
#14のAさんことJuneです♪
#14で説明されている三つ岩の右ルートのインシデントですが、
瀬や沈の状況が伝わりやすいように動画で掲載します。

<video src="1613396:8186c229e5519d1cdbcd8790c65daa25">

何かのお役に立てれば幸いです。
>#18 June さん
せっかく名乗り出ていただいたのに放置ですみません。

動画をごらんいただくと、ほとんどパドリングせずどんどん岩の方に押しやられ、岩をいやがって逆リーンして沈している様子がおわかりいただけると思います。
有用な動画をありがとうございました。>June さん

なお June さんの名誉のために補足しておきますと、翌週同じ区間を漕いだときは、しっかりここを漕ぎ抜けてクリアに成功しました。
下のエディで合流したときの笑顔は最高でしたね!
ちょっと前のインシデントですが、記録には残しておこうかと……。
============================================
◆日時/場所
2008年5月11日、会津阿賀川(大川)ダム下区間にて

◆インシデントの内容阿賀川(大川)
流れの見誤りによる危険なルート取り

◆詳細
会津阿賀川(大川)は距離はあまりとれないがダウンリバーしていて非常に楽しい川であり、何度も訪れている。
GW あたりまでは少し水は多めだが、1週あとだったので水はずいぶん落ち着いていた。

行程の約半分を過ぎたあたりに、図のような大きな岩がある瀬がある。
岩の左岸側は若干浅いので右岸側がルートになる。
そして、ここの右岸側はかなりエディラインがキツイので、この岩裏エディキャッチはかなり楽しいチャレンジであり、なにも考えずにエディをキャッチすべく進路を取った。

が、近くまで来てみると、前に来たときにはなかった隠れ岩(赤い丸)が二つ、エディライン上に存在する。気づいたのは、今からでは避けること自体が危ない、という状況下であった。
あとから聞いてみたら、1、2年前に岩が崩れ、エディライン上に落ちたのだとか。
もちろん上流からちゃんと見ていれば気づいたはずなのだが、何度も来ている川だという油断があり、まともに見ていなかった。
水量によってはボートが岩の間に挟まる非常に危険な状態であった。今回は私だけのことで済んだが、私の後ろに仮にパドラーがいたら、


◆処置
ルートは大きな岩の横をギリギリ掠めてエディを取るような感じだったので、気づいたときに変に進路を変えると却ってよくない、水位からみて大きな岩と隠れ岩の幅はボートがハマるほどではないと判断して、そのまま隠れ岩をゴリっと掠めながらエディを取り、事なきを得た。
あの時点で下手に迷わなかったのが結果としてはよかったと思う。

もし水量的に少なければ隠れ岩の存在にもう少し早く気づくことができたと思われるし、その場合は対応も早かっただろうから、大きな事故につながることはないとは思うが、ヒヤッとした一瞬出会った。


◆原因
何度も来ている川だからという安心感、緊張感のなさ。
毎週漕いでいる川ならともかく、年に1回やそれ以下の間隔であるなら、川は変化するものだという意識を持ち、自分の目で流れをしっかり見るという意識が不可欠である。


◆考察
繰り返しになるが、過去の知識は参考にとどめおき、自分の目を大事にすることがダウンリバーでは大事である。
今回の場合、私の後ろに例えば人がついてきていたときなどは、どのような結果になったかぞっとしない。
何度か行ったことのある川でも、油断はインシデントを生み、場合によってはアクシデントにつながるということを肝に命じておきたい。

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