katzmak です。
このトピは自己紹介用です。
簡単に自己紹介だけ書いていただくのでも構いませんが、ついでに「中西伊之助の文章のここが好きだ」っていう、とっておきの箇所、それぞれの方の琴線にふれた箇所を紹介しあうというのは、どうでしょう？
わたしの好きな情景描写のひとつ。
『赭土に芽ぐむもの』（改造社・大正11年）の145ページより。
「もう初夏の水々しい光が天地に溢れていた。江岸のまばらにある楊柳や白楊樹の葉が、吹く風に鮮やかな緑の波を打たせている。分けても胡藤樹は乳白の房々した藤に似た花を一ぱいにつけて、それが芳烈な香りを放っている。江岸に出ると、そんな樹々の蔭には、鶴髯白衣の父老が、やや屈んだ腰の上へ、後ろ手を組んで、静かに流れていく水を凝っと眺めている。「逝者如斯乎、昼夜不舎」−とは這の父老が説いたのではないかと疑われる。彼はこの民族の、こうした閑雅な姿が好きであった。」
中西伊之助が目の前に見える朝鮮半島の自然や文物、そして人びとの生活ぶりを、心から愛おしく思っていたことが、よく読み取れるくだりだと思います。
このトピは自己紹介用です。
簡単に自己紹介だけ書いていただくのでも構いませんが、ついでに「中西伊之助の文章のここが好きだ」っていう、とっておきの箇所、それぞれの方の琴線にふれた箇所を紹介しあうというのは、どうでしょう？
わたしの好きな情景描写のひとつ。
『赭土に芽ぐむもの』（改造社・大正11年）の145ページより。
「もう初夏の水々しい光が天地に溢れていた。江岸のまばらにある楊柳や白楊樹の葉が、吹く風に鮮やかな緑の波を打たせている。分けても胡藤樹は乳白の房々した藤に似た花を一ぱいにつけて、それが芳烈な香りを放っている。江岸に出ると、そんな樹々の蔭には、鶴髯白衣の父老が、やや屈んだ腰の上へ、後ろ手を組んで、静かに流れていく水を凝っと眺めている。「逝者如斯乎、昼夜不舎」−とは這の父老が説いたのではないかと疑われる。彼はこの民族の、こうした閑雅な姿が好きであった。」
中西伊之助が目の前に見える朝鮮半島の自然や文物、そして人びとの生活ぶりを、心から愛おしく思っていたことが、よく読み取れるくだりだと思います。
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