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現場の外国為替!コミュの円安相場は続くのか?

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最近の為替市場の動きは面白い。
なにしろ日銀の動向で為替市場が動く展開など、久しくなかったことだ。
さて、今回は「円安は継続するのか?」というテーマで、細かく検証していきたい。長くなるので、何回かに分けるつもりだ。
まず相場を見ていく場合には、当然ながらドル円相場だけを見ていては全く分からない。結果としてドル高円安が進行しているとしても、それが「ドル高」なのか「円安」なのか、あるいは両方の要因であるのか、更には為替市場とは異なる市場の影響に依るものなのか、そういう要因の分析が重要になってくる。
まずは最近の流れを確認しておこう。
(2011年1月4日)
ドル円:81円61銭、ユーロ:1.3292、ユーロ円:108円63銭、ポンド:1.5455、AUD:1.0028、日経平均:10,398.10、NYダウ:11,691.18、米国長期金利:3.33%、日本長期金利:1.17%、原油:89.38
2011年はこんな年明けだった。その後、東日本大震災やらタイでの大洪水、米国のデフォルト危機、欧州債務問題等の様々なイベントをこなしながら、2011年10月には次の状態となった。
(2011年10月31日)
ドル円:75円53銭、ユーロ:1.3830、ユーロ円:107円01銭、ポンド:1.5965、AUD:1.0507、日経平均:8,988.39、NYダウ:11,955.01、米国長期金利:2.11%、日本長期金利:1.045%、原油:93.19
まずこの為替の動きで明確なポイントは、「ドルの全面安」ということである。特筆すべきは、あれほどの欧州債務危機が騒がれながらも、ドルはそのユーロに対しても継続的に弱かったということである。ちなみにこのドル円の75円53銭は戦後のドル円の「円最高値」である。
次は2011年の年末を確認しよう。
(2011年12月末)
ドル円:76円88銭、ユーロ:1.2904、ユーロ円:99円47銭、ポンド:1.5402、AUD:1.0138、日経平均:8,455.35、NYダウ:12,217.56、米国長期金利:1.876%、日本長期金利:0.978%、原油:98.83
2011年の年末で特徴的なのは「ドル高」と「ユーロ安」の同時進行である。米国経済指標が総じて全体的に強く、ドル、NYダウとも堅調な展開であった。一方でユーロ圏についてはドイツと他のユーロ圏で足並みが揃わず、2012年前半にユーロ債務問題が引続き焦点になることが濃厚な状況でこの波乱の1年を終了した。
(2012年1月16日)
ドル円:76円70銭、ユーロ:1.2626、ユーロ円:97円04銭、ポンド:1.5282、AUD:1.0254、日経平均:8,378.36、NYダウ:12,422.06、米国長期金利:1.862%、日本長期金利:0.95%、原油:98.70
2012年の最初の月は、ユーロが一段と売り込まれた。ドルはそれほど強くないが、単に「ユーロ安」の展開で、ユーロは対円では100円割れとなったほか、対スイスフランや対AUDでも歴史的な安値に落ち込んだ。
(2012年2月14日)
ドル円:77円52銭、ユーロ:1.3080、ユーロ円:101円95銭、ポンド:1.5644、AUD:1.0629、日経平均:9,052.07、NYダウ:12,878.28、米国長期金利:1.934%、日本長期金利:0.96%、原油:100.74
2月にはユーロ安が一服するとともに、ドル安が再開した。米国の経済指標が悪かったわけではない。むしろ逆に米国経済は底堅く、ユーロ圏も最悪の状況の回避が濃厚、世界経済も大きな懸念がないという状況において、市場は「リスク・オンモード」となった。こういう状態では、膨大な経常赤字国の米国のドルは自然に売られるということだ。そして経済安定化での超金融緩和を受けて、NYダウが大幅に上昇し、原油もじりじり上昇した。
ちなみにこの日は、あのサプライズとなった日銀の金融政策決定会合の前日である。
(2012年3月9日)
ドル円:82円65銭、ユーロ:1.3272、ユーロ円:108円65銭、ポンド:1.5829、AUD:1.0665、日経平均:9,929.74、NYダウ:12,922.02、米国長期金利:2.03%、日本長期金利:0.985%、原油:107.40
これがとりあえず直近の数値だ。為替については一目瞭然であるが「円安」が進行している。そして出遅れていた日経平均株価が大きく上昇し、原油価格は一段と跳ね上がっている。

さて、そろそろ振り返りは終了だ。ここまでで分かるのは、まず基本路線として「ドル安」が相変わらず市場の底流に流れていることである。この流れはなんともう10年も継続している。とてつもなく強烈なトレンドであるということだ。ドル安は特殊要因により、一時的にドル高に転じた時以外は終始、市場の底流に存在していると言っていいだろう。ここは物凄く重要なポイントでありながら、すぐに忘れられてしまうので頭に叩き込んでおく必要がある。
そんな中で2月半ば以降は新たな流れとして「円安」という展開が生まれている。これは2月15日の金融政策決定会合にて日銀がサプライズの金融緩和に踏み切ったことが影響している。金融緩和そのものというよりは、日銀が「CPIが1%程度になるまで国債を購入する」というその姿勢が、世界の投資家に驚かれたのである。それは、これまで日銀が頑なに拒否していた政策であり、中央銀行的には「禁じ手」の一歩手前だからだ。
市場で日銀の動向が注目されるのは極めて稀な事態である。白川日銀総裁の名前がここ最近では急に市場参加者の会話に出てくるようになった。その証拠に先般の金融政策決定会合では終了時間が長引いただけで円が売られる展開となった。こんなことは随分久しいことだ。

それにしても、現状の市場環境ほど様々な「円安要因」が複合的に語られて、円安期待が極端に煽られている局面も珍しい。例えば経常収支と貿易収支の話題もその一つだ。2011年の日本の貿易収支は2.5兆円の赤字となった。これは1980年以来31年ぶりのことである。更に日本は所得収支の黒字が大きいことから、貿易収支が赤字でも経常収支全体では黒字の継続が見込まれ、日本の経常収支が赤字化するのは2020年前後ではないかと言われたが、2012年1月についてはなんと経常収支も赤字となった。その額は4373億円と過去最大である。「日本が双子の赤字になる」こんな話まで出ている。
現在、海外投資家が何を考えて円売りポジションを作成しているのかご存知だろうか?海外投資家はこう考えている。「日銀がCPIを1%にするために、本気で政策転換して行動を取り始めたら、日本のCPIは1%では止まらないだろう。あっという間に数パーセントに達し、長期金利は急上昇し、場合によっては日銀には制御不能になる。何故なら日本の財政赤字はボロボロであり、かつそれを表面化させなかった経常収支の黒字が赤字化する可能性があるからだ。そうなれば、ドル円相場など急激に円安となり、あっという間に100円、110円、120円、130円と円の暴落が始まるかもしれない」
このように考えて、円売りを行っているのだ。
こんな展開による円安を我々は喜んでいいのだろうか?海外投資家は結構だ。彼らは日本がどうなろうと関係がない。儲かればそれでよい。しかし、日本人にとって、こんな展開は決してハッピーではない。現在の円高局面よりも遥かに厳しくて辛い未来の到来が待っているのである。

しかし、私はそれほど心配していない。なぜなら円安は継続しないからである。まず日銀が本気で政策転換したと考えるのは無理がある。これまでの金融の歴史、金融マンという人種の特性から鑑みても、日銀が海外投資家が期待するように激しい金融緩和を実施することはないだろう。更に貿易収支の赤字化も徐々に縮小するだろうし、通年では経常収支も赤字に陥ることはないだろう。加えて、もしも日本の長期金利が上昇することになれば、短期的には海外からの資金が日本に戻されて、逆に激しい円高になる可能性もある。現在の円安は、あまりに「円安要因」が過大に語られて、妄想によって支えられているのだ。日米の金利差も同様だ。最近の米国の好調な経済指標を受けてドル円相場と相関関係が高いとされる日米の2年物金利格差は拡大している。現在の市場では米国経済指標で予想よりも良い数字が発表され、2年物金利が上昇すると、「ドル買い円売りだ!」と反応する。しかし、より長期的に見れば、日米の2年物金利格差が1.5%未満の場合で、持続的な円安基調となったことはない。現状では格差は0.2%足らずに過ぎないのだ。円安の妄想が一人歩きしているのだ。

それでも円安の勢いがあるのは、昨年の8月から今年の3月まで、なんと7ヶ月間もドル円相場は75円〜80円という狭いレンジで膠着しており、市場にはどちらかに動きたいパワーが蓄積されていたのである。それが妄想とはいえレンジを上抜けしたことで勢いがある。しかも、その妄想のテーマがこれまで市場で話題になったことのない新鮮なテーマであり、まだ市場はこのテーマに「飽きていない」ということである。最近のドル円相場は、日々ドルの高値引けの展開が継続しており、まだまだその勢いは衰えていない。それどころか、ドル買い円売りポジションを作り遅れたと感じている市場参加者も多く、少しでも円高方向に反転すれば、すかさずドル買いが湧き出てきやすい環境である。テクニカル的にも現在はドル買い円売りのシグナルがピカピカと点灯中だ。そして、ドル円相場は直近では83円70銭近辺まで円安が加速している。せいぜい82円台かな?と予想していたが、私の予想以上に円安圧力が強い。もっとも円安希望者の正念場はここからだろう。83円70銭は2011年1月7日の高値、そして83円98銭は2月16日の高値である。このゾーンは2011年の前半にかなり売り買いが交錯したゾーンであり、とりあえず84円台に達するかどうかは大きなポイントになろう。そして84円台になれば、いよいよあの介入後の高値である4月6日の85円53銭が大きなターゲットになる。ここを越えるようなら、私も考え方を修正しなくてはならない。
しかし、私はこのような妄想で積み上げられた円安は長くは継続できないと予想する。まずは日々の相場において高値引けがなくなってくる。そして、やがて上値がどんどん重くなり、気が付けば80円割れ・・こんな展開ではないだろうか。市場の底には強烈なドル安圧力が流れている。その流れに終止符が打たれるとしたら、それは米国が持続的な利上げをするという金融政策の変更に出た場合のみであろう。
10年継続中のトレンドを甘く見てはいけないのだ。

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