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現場の外国為替!コミュの円安とプロキシー・トレード

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しばらく更新できない間に為替相場では大きな動きが起こっている。
ドル円相場が87円10銭まで円高が進行したのが、1月21日そこから約2ヶ月半で101円台まで円安となった。

この円安はドルが強かったのかといえば、そうではない。ドルは円に続いて弱く、市場ではドルも円も弱いという構図であった。
「ドルも円も弱い」・・そう、それは過去数年間に市場を支配してきた大きなトレンドである。今では円安バブルであったと指摘されているが、ユーロ円は100円割れから170円近辺まで、ポンド円は170円台から250円にも強烈に円安が進んだのだ。その時は、まさに「ドルも円も弱い」という状況だった。



今回も、まるで当時のように「ドルも円も弱い状態」となり、その結果クロス円は大きな円安となり、ユーロ円は115円割れから一時137円台に20円以上も反発している。

問題はなぜ今、このタイミングで円が弱いのか、これほど円安が進んでいるのか?ということである。

過去数年の円安トレンドを生み出したのは、「キャリートレード」と「テクニカル要因」、そして「世界同時好況」であった。そしてキャリートレードに最適な状況とは、「低い市場の変動率」、「日本だけが圧倒的に金利が低い状況」、「日本の投資家の外貨投資への目覚め」である。

もう少し簡単な言葉で説明すれば、世界が好況でお金が溢れており、人々は投資に夢中になった。投資をするために金利の低い国の通貨で借り入れて、高い金利の通貨に投資した。市場の変動率が異常に低いため、相場の方向性で儲けることは難しいため、金利差で儲ける動きが顕著だった。こうした動きを世界中のプロの投資家も、個人投資家も夢中で行ってきたのである。

では、今そのような環境にあるのだろうか?
答えはノーである。市場の変動率は一時期よりも下落したとはいえ、過去の平均からは極めて高い状態に張り付いたままだし、株価の上昇もまだまだ鈍い。一番異なるのは、もはや主要国で高金利と自信を持っていえる国はなくなったことだ。今や日本だけが低金利という状況ではない。
あきらかに、今の円安は過去数年の円安トレンドが復活してきたわけではなさそうである。

私は今回の円安は一時的なものであると判断している。今回の円安の要因は幾つもある。例えば、日本の貿易黒字が赤字に転落したこと、もっとも赤字は一時的だが、それにしても規模は確実に縮小していること、株価が最悪期を脱したという楽観論が出てきたこと(ミニキャリートレードの復活)、北朝鮮の不穏な動き、日本の各種の経済指標が米国や欧州よりもなぜか悪いこと、日本の政治力の低下、新年度に入った機関投資家の外貨、外債投資の活発化、ドルを買い損ねたとあわてた個人投資家のドル投資・・・あげればきりはない。

どれも間違いではないと思うが、私は今回の円安の黒幕は「プロキシー・トレード」にあると考えている。
「プロキシー・トレード」とはあまり聞きなれない言葉かもしれないが、ヘッジ取引のために保有している資産と逆の相関関係にある取引を行うことである。
例えば、ドルの外貨的預金を持っているとする。ドルが下落すると損失となる。一方でドルが下落するときは金(ゴールド)が上昇するという逆の相関関係があるとする。ドルが下落した時に、ドルを売り払って損失を確定するのではなく、金を買うことで、ドルが下落した分の損をカバーしようとするヘッジの行動である。

昨年9月のリーマンブラザーズの破綻以降、市場は過去に例のないほど混乱した。エマージング市場もぼろぼろになった。そして恐ろしいことに市場の流動性が枯渇した。つまり下落している資産や取引を解約して、損失を確定させたくても、市場に値段がない、あるいはその取引に応じるプレイヤーがいなくなった。
そんな状態が何か月も続いた。あらゆる資産が暴落した。その時に為替相場では何が起こっていたか?それは顕著な円高の動きであった。ポンド円は約1年で230円から120円まで100円も円高となったし、ドル円相場もながらくサポートされた100円を割り込み、87円台まで円高となった。一斉に円高となったのである。
為替相場とは世界で最も流動性のある取引である。こうした混乱時期でも、何日も市場が消滅することはない。世界の投資家は、自らの資産の暴落をカバーするために円を購入するという「プロキシートレード」を行ってきたのである。この頃は実際に強烈に円高が進み、その取引は効果的だったし、自信を喪失した欧米の投資家にとって、今回のサブプライム、金融不安とは遠く離れた日本は「逃避通貨」として恰好の安心材料となったのである。


ところが、だんだんこのプロキシートレードが有効でなくなってきた。ドル円も80円台に入ってから円高が困難になってきた。さらには大きな円高ショックで日本の景気自体が急激に悪化し、震源地である米国と比較してもなお悪い経済状態になってきていることが明らかになった。「逃避通貨」としてのプレミアムが剥落してしまったのだ。
そして先に円安の理由を掲げたように、円安要因が無数に出てきたし、実際に市場では円安に動き始めた。ここで今度はプロキシー・トレードを巻き戻す動きが起こり始めたのである。すなわち円買いポジションをクローズする動きである。そうした取引の規模は分からないが、相当な規模であったのではないかと推測される。

つまり今回の円安の要因の多くは、過去数年の円安トレンドのような積極的に円売りポジションを作成する動きではなく、ここまでの数か月間で作成してきた円高ポジションをやめる動きであり、これは一時期的な動きであろうというのが、私の結論となる。

もちろんこの後、円安が進まないということではない。円安になるには、なにか新しい材料が必要であり、それがない限りはまた円高になるであろうと予測している。

                                 以上

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