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現場の外国為替!コミュの今の相場は円高?円安?

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 先週の為替相場は極めて重要だった。歴史的な展開である。

ところで、今の為替相場は円高なの?円安なの?

この問いにどう答えるだろうか?この答え方は非常に重要なのだ。
「バリバリ円高でしょ!」これでは今の凶暴な相場についていけない。
私ならこう答える。
「本格的な円高トレンドになってきたね。だけど水準としては、まだ円安水準じゃないかな」
まず水準であるが、ドル円90円前半、ユーロ円120円近辺、ポンド円150円、AUD円60円台・・・なんとなく最近為替相場に参入した人にとっては、あまり見たことのない水準で、とんでもない円高に映るかもしれない。

しかし、ドル円の90円前半とポンド円の150円は確かにやや円高水準ではあるが、円全体で俯瞰した場合には、特段に円高ということもなく、むしろ円安水準にある。ここ数年の為替相場の円安進行が、「円安バブル」と称されるほどの異常事態であったことを思い出さねばならない。出発点はそこなのだ。「円の実効レートがプラザ合意前の水準になった」というような記事が。昨年は新聞によく出ていたはずだ。何度も繰り返しになるが、1985年のプラザ合意前のドル円の水準は1ドル=235円近辺である。そんな当時の円の水準と、昨年の円の価値は同じだったのだ。すなわち円はドル以外の、AUDやらNZDやらポンド、ユーロに対して以上に安い状態が発生していたのだ。

余談だが、そんな円安バブルの中で、プロの為替トレーダーは非常に苦しんだ。長年相場に携わっているプロのトレーダーの目には信じられないような円安で、多くのトレーダーが損をし、逆に一般の投資家がなんとなく外貨預金にしたり、FX取引でロングポジションにして儲かった。

しかし、相場はそんなに甘くない。大事なことは、これも繰り返しになるが、過去数年の日本を取り巻く環境は日本の投資家にとって黄金の環境が整備されていた。それは低ボラティリティであり、過剰な流動性であり、日本だけが金利が低いという状況、世界的な景気の成長、世界的な平和、そうした環境で円の全面安と株の上昇が同時に起こり、空前の投資ブームとなったのだ。本屋にチャートの本や株式、FXの本が並び、売れまくったのだ。

そしてそういう黄金期は終わった。
ここは、はっきりと認識しなければならない。前提が変化したのだ。市場のボラティリティは、ユーロ円などは40%以上に達している。過去数年の平和な時には6%だったし、20%を超えれば異常な事態だった。各国の金利はこの先は著しく低下する見通しが濃厚で、すでにAUDやNZDではいきなり1%も金利を引き下げるような過去に例のない大胆な利下げに転じている。日本との金利格差はどんどん縮小する。世界的な景気成長は完全に停止し、南米諸国では債務不履行が懸念されるなど、極めて不安定になってきた。そして世界的な成長が止まると、その先には治安の悪化、国際紛争が待ち受けている。

さて、話を戻そう。歴史的にはまだ円安水準にあるということを書いた。その次に冒頭の「本格的な円高トレンドになってきた」という部分だ。実はここも非常に重要だ。
なぜなら、ここ1か月の相場の主体は、円高でもユーロ安でもなく、単純に「ドルの全面高」であったからだ。ドルは円を除く世界の通貨に対して急激に上昇した。ユーロ安はその結果に過ぎない。ユーロがドルに対して下落する以上に、AUDやポンド、新興国通貨はドルに対して急落している。円だけが103円〜105円くらいでこう着していたのだ。

ドル全面高の理由は、皮肉にも後ろ向きなドル高だ。すなわち米国の経済成長に期待しているわけではなく、ドルを買わざるをえない状況、他国に投資しているマネーを米国に戻さねばならない状況、金利差でいえば米国の金利が上昇するのではなく、他国の金利が米国以上に大きく低下する予測、そうした後ろ向きな材料でドルは全面高で推移した。

ところが、先週から相場の焦点はドル高から円高にシフトし始めた。これはテクニカル的な要因と不安心理が重なり起こった現象である。投資家は今、漠然とこう考えている。

「円が一番安全だ。なぜなら今のところ金融機関のダメージが一番少ないのは日本の金融機関だし、国内の流動性も万全だ。なにより日本は膨大な債権国で黒字がある。原油も低下してきたから、日本にはプラスだし、それにより黒字も増えていくだろう。円が安全だ」

それは恐怖から生じた見方で、妥当かどうかは議論されるところだが、皆そう思っていることは確かだ。

ではこの先、円高はさらに本格的に進むのだろうか?私はYESと考えている。もちろん先週の相場は激しかったので反発もあるだろう、しかし、相場では円高になる具体的な材料がある。

それはデリバティブの恐怖だ。過去数年日本の金融機関はお客に長期の為替予約を売りまくってきた。これは日本の低金利を利用した取引で、正当な取引なのだが、だんだんエスカレートした。円安に進んでいるときは良いが、円高になると5倍のドルを市場よりもかなり円安の水準で買わなければならないとか、一定以上に円高が進むと約束していた予約が消滅してしまうとか、しかもそんな取引を現時点から5年後にスタートして、そこから5年間とか・・・なんでもありの状況で売りまくってきたのだ。円安の時にはお客にも銀行にもメリットがありよく売れた。しかし、ひとたび円高になると、そうした取引はとんでもないことになる。
時価会計の世界では、そうした大きな損を放置できない。ドル円が90円を割れてくると、そうしたここ数年の円安時代の遺物がたくさん牙をむくはずだ。それらは一段の円高を生む。これから年末まで一瞬も気を抜けない展開は続くだろう。

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