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シュタイナー的生活を楽しむコミュの第44週 冬はつとめて(枕草子)

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2/19〜2/25

かつて成就された
霊の誕生を思いつつ

新たに感覚を刺戟された明澄な魂が、
混沌から芽生えはじめた
宇宙生成のいとなみを
私の思考の創造意志でみたそうとする。
           (Rudolf Steiner  高橋 巌訳)
--------------

魂界において魂を浄化していくための

第一条件ともいえるのは、

「共感」の心である。

シュタイナーの人智学を学びはじめたころから

この生き方は、日本人が大自然の中で育んできた

心に通じるものがあると感じていた。

その一つが四季の移り変わりの中で

厳しい自然の中でも

そこに趣を見いだし、

「共感」して生きるという姿勢である。

平安時代の国風文化の代表作である

随筆『枕草子』の中にも

それが見られる。

日本人が育んできた国風文化は、

私たちの遺伝子の中に残っている。

季節にぴったりの『枕草子』の第一段をみてみたい。
--------------

冬はつとめて。

雪の降りたるはいふべきにもあらず、

霜のいとしろきも、

またさらでもいと寒きに、

火などいそぎおこして、

炭もてわたるもいとつきづきし、

昼になりて、

ぬるくゆるびもていけば、

火桶の火もしろき灰がちになりてわろし。
--------------
(口語訳)
「冬は早朝が良い。

雪の降っているときの風情はいうまでもない。

霜がおりて真っ白な様子も、

また、そうではなくても、とても寒い朝は、

炭火を急いで起こし

屋敷のあちこちに配ってまわるのも、

いかにも冬の情感にぴったりである。

もっとも、昼になって、寒さがやわらいでくると、

火桶の火も白い灰が多くなって、

つまらないけど。」
--------------

宮仕え中の清少納言が

冬の京都御所での宮廷の朝を表現したものである。

平安時代が地球規模で低温の時期にあったことは

広範な研究によって明らかである。

その事実の一端は、貴族の着用していた十二単(ひとえ)にも表れ、

寒い時代にマッチした文化であったことを伺い知ることができる。

おそらく、氷点下の続く朝が何日も続いたことであろう。

そうした中で、

清少納言のお気に入りは、

冬の早朝だというから驚きである。

普通とは全く異なる逆説的な見方である。

現代社会において、

冬は、早朝が良いという人はいないであろう。

むしろ冬の早朝は「大嫌い」と言いたいことだろう。

寒いのに早く着替えて家事をしたり

職場に行かないといけない。

できれば冬の朝は、できるだけ長く布団やこたつの中にいたい。

起きたらすぐにエアコンをつけて部屋を暖かくしたいのだ。

しかし、清少納言は、

早朝が一番良いという。

雪の降るような寒い朝に、

炭火を熾して部屋に運ぶさまがワクワクするというのだ。

まるで極寒の冬の寒さを楽しんでいるかのようである。

これは一見理解しにくいようにも思えるが、

しかし実は私も思うことがあるのだ。

これは雪の朝、散歩をしていて実感する。

冬の早朝の空気は凛としていて

引き締まりとても気持ち良い。

冬の空気は隅々まで張りつめていて、

本当に清らかで澄んでいるのだ。

さらに、清少納言は次の観点に感動する。

宮中で白い雪の広がる世界の中で、

黒い炭が赤く燃える姿が美しいと。

厳寒の冬の朝、女官が一度に大量の炭に火をつけて、

御殿のあちらこちらに、

あわただしく炭を配って回っている。

美しい配色の装束を着た女官が

白い雪景色の中で、赤い火のついた炭を運んでいる。

この赤と白のコントラストに風情がある。

渡り廊下の冷たい空気の中でこそ、

炭火の温かさが引き立つ。

この情景はなんと素晴らしいのだろう。

自然と人間への愛着が、しみじみと感じられる。

自然の厳しさの中にもかかわらず

その寒さに「反感」を抱くのではなく

それと共存し、共感していく趣深い生き方。

これこそ日本人の素晴らしい感性なのだ。

この厳しさの中に共感の心を育んで生きていく。

自然を大切に思い、自然を主体として、

共感し共存して生きていく。

冷たい空気の中で感覚を研ぎ澄まし

情景の語りかけを見たり聴いたりしようとする姿勢。

そこから国風文化独特の

「謙虚」に「共感」して生きていく姿勢が育まれたのだろう。

この「共感」こそシュタイナー的生き方に通じるものだ。

清少納言は、文字にはしていないが『枕草子』を深読みすると

自然の事物やそのいとなみの中に顕現する

霊を体験していたように思える。

このような自然や人間への愛情は、

その人の霊性を開発し、

魂の中に永続的部分を築き上げる。

だからこそ不朽の名作『枕草子』が生まれたのであろう。

特に今年は寒く雪が多いが、この寒さの中にこそ

「共感」の心を育み枕草子に見られるような

豊かな感性を養いたいと思う。

シュタイナーによると、舞い落ちる雪を含めて、

あらゆる自然は

高次の精神存在の産物である。

地球には四大元素、

すなわち・土・水・空気・火(固体・液体・気体・熱)がある。

天使は液体、大天使は気体、

アルカイ(人格の神霊)は熱に宿っている。

そして光はエクスシアイ(形態の神霊)の衣であるという。

雪はまさにその背後に天使の活動が潜んでいるのだ。

では「共感」の心はなぜ大切なのか。

シュタイナーは以下のように書いている。

「魂は体的本性への執着から解放され純化される。

これまで魂を物質界に強く拘束してきたものが

このようにして克服されたので、

今や魂は外へ拡がる共感の諸力を

存分に発揮することができるようになる。

魂はいわば自己を脱却して、

魂界全体の中へ自分を進んで注ぎ込むようになる。」
(『神智学』p121〜122)

コメント(15)

そうですね〜せっかく四季彩り美しい日本に生まれたので季節の移ろいや寒さ蒸し暑さも楽しんで共感してきたいと感じます。。。寒さは、かなり楽しむ事が上手くなってきたのですが・・・今年は蒸し暑さをもう一工夫して楽しみたいと思います。ウッシッシシェアありがとうございます。
今、外は雪が降り続いていて、家も道も木々も真っ白です。

シュタイナーの「芸術と美学」の中に、冬景色の中に立つ二人の女性の話が載っています。

ひとりは「寒いわ」と言い、もうひとりは寒さも忘れて「なんて美しい景色でしょう」と言います。
やがて二人が眠りに落ちた時、寒さだけを感じた女性は死んだように眠り、「なんて美しい景色でしょう」と感じた女性はその感情の余韻で体が温められ、眠りの中でも新鮮な生命を保ち、魂的イマジネーションを体験する…というお話です。

今日の枕草子のお話にどこか通じるような気がしましたぴかぴか(新しい)
ありがとうございます。
最後の部分、
「今や魂は外へ拡がる共感の諸力を存分に発揮することができるようになる。」が、
以前習った「進化」というオイリュトミーのエクササイズを思い出しました。
その動きはとても気に入っていて、心がつらいときは静かに一人一連の動きをするのですが、不思議と何か吹っ切れる感じがするのです。

前半は動作が七つあって、改めて意識してみると、
それぞれに、それぞれの領域を表しているような印象が在り、
後半部分がちょうど、外へ広がる軽やかさと喜びと爽やかさを感じて、平野を渡る風のイメージで、最後の動作は自分の頭頂へ魂がすっと入って行く印象なのです。
新たな発見をした気分です。ありがとうございました。

オイリュトミーは、シュタイナーの哲学世界を体の動きを通して実感/実践できる貴重な機会ですね。ここしばらく、習う機会を失ってしまっていて残念です。

それから、ヒルフェ*ゾフィーさん、
美しいお話をありがとうございました。とても響くものがありました。
日常に慌しく追われ、目の前の事だけに気を取られる日々を過ごしていますから
いつもnaoさんがアップしてくださる魂の暦で、世界が広がる感覚を頂いています。
今はオイリュトミーの時間もなかなか取れないので、本当に感謝しています。
ありがとうございます!
ヘヨカさん
コメントありがとうございます。
今日は、こちらも珍しく先週までとうってかわって春めいた毎日です。
四季折々を「魂のこよみ」と共に味わいたいものですね。

ありがとうございました。
あめじすとさん
ありがとうございます。


ヒルフェ*ゾフィー さん

とても心に響くコメントありがとうございます。

意味深い内容ですね。
シュタイナーによると
眠っている時はアストラル体と自我が
身体とエーテル体から抜け出るとのことですね。

そして、睡眠中に、アストラル体の
感受的心魂は色の調和を感じ、
悟性的心魂は天球の音楽の中に生き、
意識的心魂は霊的な言葉を
知覚するとのことです。

身体から抜け出たアストラル体は、
天球の音楽の中に浸っているのです。

前者の「寒いわ」とだけしか感じない魂は、
睡眠中に素晴らしい天球の音楽が響いているのに、
それを聴くことができなかったのでしょうか。

後者の女性は
自然の事物やそのいとなみの中に顕現する
霊を体験していたように思えます。

このような自然や人間への愛情は、
この女性の霊性を開発し、
魂の中に永続的部分を築き上げたのでしょう。

その魂は、睡眠中に天球に鳴り響く素晴らしい音楽を聴くことができ
その中に浸って眠りの中でも新鮮な生命を保ち、
魂的イマジネーションを体験していたように思われました。

貴重なお話、ありがとうございます。
あやわさん

オイリュトミーとの関連づけての発見、素晴らしい発見ですね。
まさに目から鱗のようでした。

このような発見をした上でオイリュトミーを実践するといいだろうな〜と思いました。

>「今や魂は外へ拡がる共感の諸力を
>存分に発揮することができるようになる。」

私も全く同様にこの部分が、最も関心のある部分です。
神智学』の中に書かれている

「そしてすべての反感作用が魂の中で次第に共感の力によって克服され、
共感そのものも最高の頂点にまでもたらされる。
最高度の共感とは、魂が魂界全体に融合し、
魂界とひとつになることをいう。
そのとき、魂の利己的傾向は完全に消える。
魂はもはや物質的感覚的存在に関心をもとうとはしなくなる。
このようにして、霊が魂を通して解放される。
このようにして魂は、完全なる共感の領域で魂界全体とひとつになるまで、
上述した魂界の諸領域を通過しながら、浄化を続ける。」
の部分を意識したいと思っています。

魂の利己的傾向を地上生活において少しづつ浄化し、
魂がすこしでも魂界全体に融合できるよう意識したいものですね。

オイリュトミーも何度か体験したのですが、
なるほど深いですね。

うまく言葉で表現できませんがおしゃることが理解できるような気がします。
魂界の低次の領域である固体のような魂から解放され、
魂界の高次の領域の境地、

「後半部分がちょうど、外へ広がる軽やかさと喜びと爽やかさを感じて、平野を渡る風のイメージで、最後の動作は自分の頭頂へ魂がすっと入って行く印象なのです。」
に合致するように思います。

魂界の第一領域から第七領域へと進んでいく「進化」というオイリュトミー
とても興味深いです。
機会があればぜひ体験してみたいです。

今回も、とても貴重な体験談をとても感謝しています。
リトセアさん

>ふわふわと舞い降りるたくさんの雪のかけらが精霊に思えてきて、
>とても不思議な感覚に包まれまし

素晴らしい不思議な体験でしたね。
まさに高次の超感覚的世界の中での体験だったのでしょうか。
 
ありがとうございます。

ふうこさん
コメントをとても嬉しく思います

>日常に慌しく追われ、目の前の事だけに気を取られる
 日々を過ごしていますから

本当にそうですね。
私も、毎週シュタイナーの言葉をまとめることで、自らを戒めて
なんとか、日常に完全に埋没しないようにもがいています。

ありがとうございました。
ほしり☆マチル☆ さん

ありがとうございます。

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