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星を見つけるたびコミュの物語

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コメント(27)

1年前の冬、僕らは森を彷徨っていた。
空は真っ暗で星は見えない。
「あとどれくらい?」
 彼女が白い息を吐きながら言った。
「もう少しだよ」
 僕は笑顔を作りながら答えた。
「……寒いね」
 彼女は笑顔でそう言った。
僕は何も言わず彼女の手を握ろうとした。
彼女は僕の差し出した手を優しく握った。

もう1時間ぐらい歩いているだろうか。
「遠いね。少し休みたいわ。」
「2,3時間歩いたと思うの。」
彼女の声以外何も聞こえない。
彼女の疲れはピークに達しているようだ。
「ほんとにもう少しだよ。凍死するかもしれないけどここで休む?」
僕は笑顔を作りながら答えた。
「じゃあ、もう少し歩く。」
彼女は薄ら笑いを浮かべて答えた。

森の奥に光が見えてきた。
――着いた!
 弾んだ声。
 彼女は嬉しそうに見上げている。
「ちょっと休憩しよう」
 僕はそう言うと近くにあったベンチに腰を下ろす。
「ねーねー」
 彼女がとことことこちらに歩いてくる。
「なに?」
 僕は笑顔で応えた。
(着いた!なのにベンチで休憩するは非常に難解だが…)

「この家って叔母さんのうちなんだよね?」
彼女は言った。
「ちがうよ」
僕は笑顔で言った。
「どこなの?」
彼女は不安そうに聞いた。
「わからない」
僕は答えた。

彼女の顔から笑顔が消えていた。

「大丈夫だから。」
僕にはこう言ってあげることしかできない。
恐る恐るノブに手を伸ばした。
ドアには鍵がかかっていなかった。
中に入ると、そこは女の子の子供部屋だった。
机の上にはその部屋の主が書いたと思われる、絵本と小説がたくさんおいてあった。
僕はそのなかから一冊の本を手に取った。

「絶望の空…。なんだこれは。」
僕は本を読んでみることにした。
空は真っ青。
雲ひとつない。
小鳥は鳴いていない。
風のおしゃべりは聞こえない。
木のささやきも聞こえない。



一面に星の滴。
街では賑やかにお祭りが行われている。
幼馴染のK君が同じクラスのAさんと手をつないでいる。
あたしはその後をこっそりとつける。



あたしには未来が見えない。
眩し過ぎて。
みんなは明るくていいねって言うけど
中身は何もないの。
眩しいのは理想と現実のギャップがありすぎるから。
過去・現在・未来。
あたしは何処にいるの?



5年後のあなたは…
私の瞳には過去しか映らない。
なんで素直になれないの?
なんで心を閉ざしているの?
なんで裏切るの?
なんで…。
あんなに私を想ってくれてるのに。

私の瞳には現代(いま)と未来は映らない。いまは過去にならならいと見えてこない。
未来は見ることさえ恐いの。
「何を見てるの?」
彼女は言った。

「いや、なんでもないよ。」
僕は少し焦りながら本を隠した。
(この人は僕に似てる…気がする。)
(彼女には見せたくないな。)
(何か言われたら嫌だな。)

「変なの。」
彼女は少しすねたそぶりを見せながら、クリーム色をした絵本を手に取った。
おじいちゃんを亡くしたばかりの一人の少女がいました。

10年前おじいちゃんは、少女を拾いました。
とてもまずしい生活をしていました。
おじいちゃんは少女と同じくらいの歳の少年と住んでいました。
少女は少年といつも湖で遊んでいました。少女は三人で暮らしていた幸せな日々がいつまでも続くことを願っていました。

少女が15歳の時、少年は無理やりひきとられていきました。

少女の悲しみを覚えました。

けれどおじいさんがいたので少女は気丈にふるまいました。
しかし、すぐにおじいさんも病気にかかって亡くなってしまいました。

少女は悲しみを覚えました。

少女は後を追うように湖に入水し逝きました。
おじいさんはウサギになりました。
少年はウサギになりました。
少女はさくらになって少年をいつも見守っています。
どれくらい時間がたったのだろう。
彼女は偶然手に取ったであろうクリーム色の本を読みつづけていた。

――ぱたん

彼女は音を立てるように本を閉じた。
そしてそのまま彼女は僕を見つめてきた。
少し歩けば届く距離、なのに僕には前へ進むことは許されない。
そんな気がするような視線を彼女から僕は感じていたのかもしれない。
僕も君の気持ちがわかるよ。
兄さんのように不倫という危険な道を通ってみたいよ。
さっきあった絵本をもう一度見てみた。
そこに、彼女はいた。
彼女はうさぎに縄をつけていた。
信じられなかった。
自分の目を疑った。

――なんで彼女が?

その疑問に答えてくれる人は誰もいない。
しかし、靴のサイズが合わずに入れなかった。
どうしよう、と僕は頭の中でお遍路巡りすることにした。
僕はすべての絵本を燃やした。
その灰を僕のお墓にまいてもらうんだ。

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