ゴスペルハウスコミュの「ぶどう酒と皮袋のたとえ」 2022.08.28

ゴスペルハウスメッセージ 2022.08.28
「ぶどう酒と皮袋のたとえ」 マルコ2:18-22（並行聖書箇所 マタイ9:14-17、ルカ5:33-39）

18 さて、ヨハネの弟子たちとパリサイ人たちは、断食をしていた。そこで、人々はイエスのもとに来て言った。「ヨハネの弟子たちやパリサイ人の弟子たちは断食をしているのに、なぜあなたの弟子たちは断食をしないのですか。」
19 イエスは彼らに言われた。「花婿に付き添う友人たちは、花婿が一緒にいる間、断食できるでしょうか。花婿が一緒にいる間は、断食できないのです。
20 しかし、彼らから花婿が取り去られる日が来ます。その日には断食をします。
21 だれも、真新しい布切れで古い衣に継ぎを当てたりはしません。そんなことをすれば、継ぎ切れが衣を、新しいものが古いものを引き裂き、破れはもっとひどくなります。
22 まただれも、新しいぶどう酒を古い皮袋に入れたりはしません。そんなことをすれば、ぶどう酒は皮袋を裂き、ぶどう酒も皮袋もだめになります。新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れるものです。」

今週の聖書箇所は、イエスさまが質問を受けて、小さな３つのたとえ話をしています。
マタイの福音書第９章、ルカの福音書第５章にも、同じ場面の描写があります。

イエスさまは、質問を受けることが、多くありました。
パリサイ人や律法学者や祭司などは、イエスさまを陥れるための質問を用意することが多くありました。
イエスさまの弟子たちは、イエスさまの言っていることを理解できなくて、質問をしました。
その他の人々は、少し批判の意をこめた疑問のための質問をすることが多かったように感じます。
この箇所でも、そういうニュアンスが伝わりますね。
（マタイの福音書では、「バプテスマのヨハネの弟子たち」が質問したと記されています）

当時、敬虔なユダヤ人は、週２回の断食をしていました。
それは、罪の悔い改めや、へりくだりのしるしであり、哀悼の意を表すことでもありました。
イエスさまは、断食を禁止してはいません。
むしろ、断食を実践し、すすめてもいます（マタイ４：２、マタイ６：１６−１８など）。

さて、イエスさまは、弟子たちや罪人たちと一緒に、食事をとることが多くありました。
聖書にも、何度も記されています。
しかし、弟子たちや罪人たちとともに断食する箇所は、見たことがありません。
そういったこともあり、今週の聖書箇所のような、質問が出たのでしょう。

そこでイエスさまは、花婿のたとえをしました。
花婿、それは旧約聖書では父なる神様を表すことが多く、新約聖書ではイエスさまを表すことが多いのです。
どちらの場合も、花婿に対する花嫁は、人間たちです。

花婿とは、結婚式のときだけの呼び名です。
結婚式が済んでしまえば「夫」となりますし、結婚式の前までは「婚約者」です。
結婚式という、特別な、一時的な、喜びと祝いの時だけの、呼び名なのです。

そして世界史上、人類史上、最も特別な、一時的な喜びと祝いの時が、イエスさまが地上で過ごした約３０年なのです。
神様のひとり子が、人間の姿をとって、地上で生まれ、育ち、生きた約３０年間。
長い人類史上、それは後にも先にもない、特別な時なのです。
「花婿が取り去られる日が来ます」（２０節）というのは、イエスさまが十字架にかかり、よみに降り、三日目によみがえって、４０日後に天に戻ることです。
そうしたなら、そうなったなら、断食するときが来るのです。

そしてそのときから、神様と罪人である人間との、新しい関係が始まったのです。
十字架以前には、罪人は裁かれ、呪われて、滅ぶしかありませんでした。
善を貫いた者だけが、恵みと祝福に預かるのです。
そして、善を貫いた人は、だれもいなかったのです。
しかし、十字架によって、新しい関係が与えられました。
罪人は、イエスさまの十字架の贖いによって赦され、永遠のいのちを得ることができるようになったのです。

新しいこの関係は、新しいこの約束は、古い関係の上に、古い約束の上に、貼り付けることができません。
全く新しいものだからです。
それを、イエスさまは「継ぎを当てるたとえ」と「ぶどう酒と皮袋のたとえ」で説明したのです。

私は学生時代に、気に入ったジーンズで、実際に体験したことがあります。
生地が古くなって穴があいてしまったときに、そこを覆うためにワッペンを縫い付けました。
しばらくして、他の箇所にも穴があき、次々にワッペンを縫い付けたのです。
すると、ワッペンだらけのジーンズができ上がりました。
そして、ワッペンに引っ張られるかたちで、ジーンズは履いている間に、ビリビリに裂け始めたのです。

また、新しいぶどう酒は、発酵が進むため、炭酸ガスを発生します。
古い皮袋は、弾力性がなくなっているので、膨張を支えきれずに、裂けてしまうのです。

新しい布や新しい皮袋には、強さがあり、しなやかさがあります。
それは、いのちが与えた強さです。
このいのちの契約の中に、あなたも生きていいのです。

週２回の断食などの、あなたの熱心が、あなたを救うことはありません。
献金や奉仕の多さも、だれも救うことができないのです。
イエスさまの十字架の贖い以外に、救いはない。
これが、聖書のメッセージです。

マルコ福音書に記されている、イエスさまの最初の言葉は何でしょう。
それは、第１章１５節にあります。

「時が満ち、神の国が近づいた。悔い改めて福音を信じなさい。」（マルコ１：１５）

これは、新しい約束の、オープニングの宣言です。
努力やがんばりや熱心ではなく、救いの時代が開幕したとの、高らかな宣言です。
イエスさまの、いのちがけの、宣言なのです。

そして、この宣言に招かれているのは、他のだれでもない、あなたなのです！

あなたのために、お祈りしましょう。




【並行聖書箇所】
マタイ9:14-17
14 それから、ヨハネの弟子たちがイエスのところに来て、「私たちとパリサイ人はたびたび断食をしているのに、なぜあなたの弟子たちは断食をしないのですか」と言った。
15 イエスは彼らに言われた。「花婿に付き添う友人たちは、花婿が一緒にいる間、悲しむことができるでしょうか。しかし、彼らから花婿が取り去られる日が来ます。そのときには断食をします。
16 だれも、真新しい布切れで古い衣に継ぎを当てたりはしません。そんな継ぎ切れは衣を引き裂き、破れがもっとひどくなるからです。
17 また、人は新しいぶどう酒を古い皮袋に入れたりはしません。そんなことをすれば皮袋は裂け、ぶどう酒が流れ出て、皮袋もだめになります。新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れます。そうすれば両方とも保てます。」

ルカ5:33-39
33 また彼らはイエスに言った。「ヨハネの弟子たちはよく断食をし、祈りをしています。パリサイ人の弟子たちも同じです。ところが、あなたの弟子たちは食べたり飲んだりしています。」
34 イエスは彼らに言われた。「花婿が一緒にいるのに、花婿に付き添う友人たちに断食させることが、あなたがたにできますか。
35 しかし、やがて時が来て、花婿が取り去られたら、その日には彼らは断食します。」
36 イエスはまた一つのたとえを彼らに話された。「だれも、新しい衣から布切れを引き裂いて、古い衣に継ぎを当てたりはしません。そんなことをすれば、その新しい衣を裂くことになり、新しい衣から取った布切れも古い衣には合いません。
37 まただれも、新しいぶどう酒を古い皮袋に入れたりはしません。そんなことをすれば、新しいぶどう酒は皮袋を裂き、ぶどう酒が流れ出て、皮袋もだめになります。
38 新しいぶどう酒は、新しい皮袋に入れなければなりません。
39 まただれも、古いぶどう酒を飲んでから、新しい物を望みはしません。『古い物が良い』と言います。」