ゴスペルハウスコミュの「よしあき君」ゴスペルハウス2022夏便り(6)

2022年8月夏休み
ゴスペルハウスからのお便り（６）

「よしあき君」（小話）

よしあき君は、中学１年生。
今日は、通っている塾で模擬試験です。

よしあき君は、あまり勉強が得意ではありませんが、テストに向けて準備もし、一生懸命テストに取り組んでいました。
そのせいか、一番苦手な数学の試験でも、いつもよりたくさん問題が解けているような気もしました。

試験終了間近になって、試験官の先生が、終了までの時間をアナウンスしました。
「あと３分です。受験番号・氏名などの書き忘れがないか、確認しましょう」

すると、よしあき君は消しゴムを手にとって、字を消し始めたのです。
先生は、遠くから見て「筆算を消してるんだな」と思って、近寄っていきました。
よしあき君に「余白に書いた筆算などは残しておいていいんだよ」と伝えるつもりでした。

ところが、よしあき君が消していたのは、答案だったのです。
彼が書いた答えは、すべて消されてしまいました。
そこで試験終了。

試験官の先生は、試験後によしあき君に聞いてみました。
「どうしたんだい？」
すると、よしあき君は、答えました。
「間違えてるかもしれないから、心配になって消したんです。」

私たちキリスト者も、つい、失敗や間違いをおそれて、チャレンジをためらうことがあります。
消極的になってしまうことがあります。
臆病になってしまうことがあります。
そして、自分自身を責めたり、弱い自分を隠そうとしたりするのです。
逆に、他の人に対して攻撃的になったりすることもあるでしょう。
まるで、自分の罪が何一つ赦されていないような不安の中で。

でも、忘れないでください。
あなたの失敗や間違いは、イエスさまがすべてご存知です。
そして、そんなあなたを赦して、愛してくれるのです。
イエスさまの十字架の愛の血潮は、あなたを完全に聖めたのです。
もう、あなたは自分を責めることも、隠れることも必要ないのです。
臆病を超えた、愛の世界に生きましょう！

よしあき君は、先生に励まされ、堂々と間違うことのできる生徒になりました。
そして、勉強はとても楽しくなり、今では数学は彼の得意科目です。