ゴスペルハウスコミュの「２つのたとえばなし（レント-2）」2021.02.28

ゴスペルハウスメッセージ 2021.02.28
「２つのたとえばなし（レント-2）」マタイ 13:44-46

44 天の御国は畑に隠された宝のようなものです。その宝を見つけた人は、それをそのまま隠しておきます。そして喜びのあまり、行って、持っている物すべてを売り払い、その畑を買います。
45 天の御国はまた、良い真珠を探している商人のようなものです。
46 高価な真珠を一つ見つけた商人は、行って、持っていた物すべてを売り払い、それを買います。

今週の聖書箇所は、短い２つのたとえばなしです。
同じ内容のように感じる方もいるかも知れませんが、これらは２つの違うたとえばなしです。
そして、対になったたとえばなしが、あなたに、神様の愛をしっかりと伝えるのです。

２つのたとえばなしのどこが違うかを、はじめに説明しましょう。
第一のたとえばなし（４４節）では、天の御国は「宝」です。
つまり、見つけられる側です。
第二のたとえばなし（４５・４６節）では、天の御国は「商人」です。
こちらは、見つける側です。
この違いを意識しながら、たとえばなしを開いていきましょう。

補足ながら、
新改訳聖書・口語訳聖書・リビングバイブル・欽定訳聖書・ＮＩＶなど多くの聖書（日本語・英語）は、このように訳しています。
新共同訳聖書は、「天の国は次のようにたとえられる。」と、どちらを指しているのか判断できない翻訳になっています。

第一のたとえばなし（４４節）です。
ここで、天の御国は「地中に隠された宝」です。
それは、耕していた人の目の前に、突然現れます。
それを求めていたわけでもないのに、多分に偶発的な要素を伴って、現れたのです。

当時、このように畑などの地中に財産を隠すことは、よく行われたことでした。
また、それらを見つけた場合は、土地の所有者ではなく、見つけた人のものになるということでした。
見つけた人は、何もしなくても、この畑を買わなくても、この宝を手に入れることができたのです。
しかし彼は、持っている物すべてを売り払い、その畑を買ってしまうのです。
きっと、あまりの喜びで、今まで自分が持っていた物が、ゴミ同様に思えてしまったのでしょう。
それほど、天国はすばらしく、見つけた時の喜びが大きいというたとえばなしなのです。

それは、偶然に思えるような出会いかもしれません。
しかし、その喜びの大きさは、他のすべてのものを失ってでも、これだけは失いたくないという大きさなのです。
天の御国は、すべてを手放さないと手に入らないというものではありません。
手に入れた喜びで、すべてを手放すこともできるようになってしまうものなのです。

私がはじめて神様の愛を心の底から体験したとき、つまり、天の御国を発見したとき、私はとっさに祈りました。
「ああ、神様。この実感を私から取り除かないでください。今までの賜物も、今からの賜物も何もいりません。預言も、異言も必要ありません。仕事も、お金も、妻や子どもすらいりません。ただ、この愛の実感だけを取り除かないでください。」
まったく非常識な祈りです。
妻や子どもにとっては非常に不愉快な祈りかもしれません。
しかし、これが本音だったのです。
それは自己犠牲ということではなく、まったくの自然な祈りでした。

ピリピ人への手紙第３章８節で、パウロはこう書いています。
「それどころか、私の主であるキリスト・イエスを知っていることのすばらしさのゆえに、私はすべてを損と思っています。私はキリストのゆえにすべてを失いましたが、それらはちりあくただと考えています。」（ピリピ３：８）

これが、畑に隠された宝を見つけた人なのです。
そしてこの宝の発見は、あなたの人生にもあるのです。
あなたにも、喜びのあまりすべてが無価値に思えるとき、そんなときが来るのです。

第二のたとえばなし（４５・４６節）です。
天の御国は「真珠を探し求める商人」です。

真珠は、貝の体内で作られる宝石です。
貝の中に異物が入り込み、外套膜を傷つけ巻き込んだときに、生成されます。
異物を受け入れ、傷が癒やされていく過程で、真珠になると言ってもいいでしょう。
真珠は、汚れてキズ物であるにも関わらず、尊い宝石という存在なのです。
天の御国は、それを探し求めているというのです。

汚れやキズ、神様はそれらを受け入れないと宣言しました。
にもかかわらず、それらの産物である真珠を、神様は探し求めているのです。

あなたの人生にも、思いも寄らない異物が入り込んだり、傷をつけられたりしたことが、たくさんあったでしょう。
苦しい思い、悔しい思い、悲しい思いも、たくさんしたことでしょう。
しかし、それらを受け入れ、癒やされて、あなたは神様の宝物に、高価な真珠になるのです。
あなたの傷を癒やすのは、真珠層を作るような白い成分ではありません。
真っ赤な成分です。
そう、イエスさまの十字架の血潮です。
あなたの汚れも、あなたの傷も、十字架の血潮によって、宝物に変えられるのです。

それは、あなたが十分に求めたことによって与えられたものではありません。
それは、あなたが多くの犠牲を払ったから与えられたものではありません。
商人が、探し続け求め続けたように、神様が、あなたを探し続けたからこそ、与えられたものです。
イエスさまが、十字架であなたの汚れも傷も負ったからこそ、与えられたものです。

天の御国に出会うことは、他のすべてのことが無価値に思えるほどの、人生の大きな喜びです。
そして、天の御国は、すべてをなげうってでも、あなたを探し求めているのです。
この２つのたとえばなしは、あなたに、そのことを伝えているのです。
すばらしい天の御国は、もう、あなたのものなのです。