ゴスペルハウスコミュの「あなたが受け入れるべきもの」2023.07.15

ゴスペルハウスメッセージ 2023.07.15
「あなたが受け入れるべきもの」使徒10:9-16

9 翌日、この人たちが旅を続けて、町の近くまで来たころ、ペテロは祈るために屋上に上った。昼の十二時ごろであった。
10 彼は空腹を覚え、何か食べたいと思った。ところが、人々が食事の用意をしているうちに、彼は夢心地になった。
11 すると天が開け、大きな敷布のような入れ物が、四隅をつるされて地上に降りて来るのが見えた。
12 その中には、あらゆる四つ足の動物、地を這うもの、空の鳥がいた。
13 そして彼に、「ペテロよ、立ち上がり、屠って食べなさい」という声が聞こえた。
14 しかし、ペテロは言った。「主よ、そんなことはできません。私はまだ一度も、きよくない物や汚れた物を食べたことがありません。」
15 すると、もう一度、声が聞こえた。「神がきよめた物を、あなたがきよくないと言ってはならない。」
16 このようなことが三回あってから、すぐにその入れ物は天に引き上げられた。

使徒の働き第１０章には、コルネリウス(コルネリオの方がわかりやすい人もいるかも知れませんね)という、カイサリアに住む百人隊長が登場します。
彼は、ローマの軍人ですが、ユダヤ人に対して好意を持ち、神様を信じ、畏れ、祈り、割礼はないものの、信者として生きていました。
彼は、幻の中で、ペテロを招くように御使いに告げられます。
どこの町のどこの家にいるのかも、しっかり明示してです。
その使いの人たちが到着するところが、「この人たちが旅を続けて、町の近くまで来たころ」(９節)というわけです。

ペテロは、空腹の中で夢心地になり、そこで神様とやり取りをしました。
敷布のような物の中に、あらゆる獣たちが入れられ、「ペテロよ、立ち上がり、屠って食べなさい」(１３節)というのです。
ペテロは、ユダヤ人として当然の答えをします。
「主よ、そんなことはできません。私はまだ一度も、きよくない物や汚れた物を食べたことがありません。」(１４節)
それに対して「神がきよめた物を、あなたがきよくないと言ってはならない。」(１５節)というやり取りが３回あったのです。
ちょうどそのときに、コルネリウスの使いの人たちが到着したのです。
ペテロは彼らを招き、一緒に一泊してから、カイサリアに向かいます。
そして、コルネリウスに会い、イエスさまを伝え、十字架の福音を伝え、バプテスマを授けるのです。
ペテロが夢心地で教えられたのは、異邦人に対する福音、異邦人に対する神様の招きだったのです。

今日は、この箇所から、「あなたが受け入れるべきもの」というテーマで御言葉を開きましょう。

ペテロに対して神様が与えたのは、「あらゆる四つ足の動物、地を這うもの、空の鳥」(１２節)でした。
きよい物も、きよくない物も、つまり、神様の民であるユダヤ人も、そうでない異邦人も、という意味も、もちろんあります。

その上で、「屠って食べなさい」(１３節)という言葉に注目しましょう。
屠って食べるというのは、殺して食料にするということです。
食物連鎖では、殺して食べるのは強い側で、殺されて食べられるのは弱い側です。
神様の降ろした敷布の中には、「あらゆる四つ足の動物」とありますから、熊や獅子やラクダなど、動物学的にはペテロよりも強い物も入っていました。
しかし、神様の目には、それらも含めて、ペテロよりも弱い物とされたのです。
だって、「屠って食べなさい」と命じたのですから。

そして、その弱い物たちを、どれも受け入れよと、神様は言うのです。
「この動物はきよくないけど、強くて役に立つから受け入れよ」ではなく、「お前より強い生き物だから、仲良くしないと危ないぞ」でもないのです。
すべて食べ物として、つまり弱い物として、受け入れなさいというのです。

マタイ福音書第２５章３１-４６節に、イエスさまが再臨するときのたとえが記されています。
そこで、イエスさまは訴えるのです。
「それも最も小さい者たちの一人にしたことは、わたしにしたのです。」(マタイ２５：４０)
「この最も小さい者たちの一人にしなかったのは、わたしにしなかったのだ。」(マタイ２５：４５)
最も小さい者、最も弱い者を、受け入れ、愛し、支えなさいと言うのです。
「地上の権力者によくしてやれば、あなた方も恩恵を受けるだろう。得するぞ。」などとは言わなかったのです。

イエスさまは、最も小さい者として、家畜小屋で生まれました。
最も呪われた者として、十字架にかかりました。
そして、３日目によみがえり、神様の右の座に着いた大権力者になったのです。
でも、イエスさまは、あなたのまわりの最も小さな者、最も弱い者の中にいるのです。
あなたが受け入れるべきもの、それは、屠られて食べられる動物のように、弱くて小さな人たちなのです。

よく、「立てられたリーダーや権力者のために祈ることが、クリスチャンのつとめ」と言う人がいます。
真面目で、一生懸命な人に多いような気がします。
しかし、イエスさまは、「あなたの王を大切にし、王に従え」とは言いませんでした。
「指導者たちの言うことに聞き従え」とも、「それで成功をつかめ」とも、「上手く利用して得しろ」とも、言いませんでした。
「人に従うより、神に従うべきです。」(使徒５：２９)と、ペテロたちは言い切っています。

あなたが本当に受け入れるべき人たちは、最も小さな、人の目には価値が見えにくい、弱い人たちなのです。
今の日本の風潮、世界の風潮とは、１８０°方向が違うのです。
それであなたが得することは、ないかもしれません。
成功することも、ないかもしれません。
財産も、地位も、称賛も、得られないかもしれません。
受け入れるのを断る理由は、いくらでも作り出せるでしょう。

でもたった一つ、イエスさまがあなたに、それを求めているという事実があります。

さあ、本当にあなたが受け入れるべきものを、受け入れましょう。
金銭や地位ではない、本当の神様からの称賛を受けましょう。
それは今、あなたの前に用意されているのです。


【参照聖書箇所】

使徒10:1-8
1 さて、カイサリアにコルネリウスという名の人がいた。イタリア隊という部隊の百人隊長であった。
2 彼は敬虔な人で、家族全員とともに神を恐れ、民に多くの施しをし、いつも神に祈りをささげていた。
3 ある日の午後三時ごろ、彼は幻の中で、はっきりと神の御使いを見た。その御使いは彼のところに来て、「コルネリウス」と呼びかけた。
4 彼は御使いを見つめていたが、恐ろしくなって言った。「主よ、何でしょうか。」すると御使いは言った。「あなたの祈りと施しは神の御前に上って、覚えられています。
5 さあ今、ヤッファに人を遣わして、ペテロと呼ばれているシモンという人を招きなさい。
6 その人は、シモンという皮なめし職人のところに泊まっています。その家は海辺にあります。」
7 御使いが彼にこう語って立ち去ると、コルネリウスはしもべたちのうち二人と、彼の側近の部下のうち敬虔な兵士一人を呼び、
8 すべてのことを説明して、彼らをヤッファに遣わした。

マタイ25:31-46
31 人の子は、その栄光を帯びてすべての御使いたちを伴って来るとき、その栄光の座に着きます。
32 そして、すべての国の人々が御前に集められます。人の子は、羊飼いが羊をやぎからより分けるように彼らをより分け、
33 羊を自分の右に、やぎを左に置きます。
34 それから王は右にいる者たちに言います。『さあ、わたしの父に祝福された人たち。世界の基が据えられたときから、あなたがたのために備えられていた御国を受け継ぎなさい。
35 あなたがたはわたしが空腹であったときに食べ物を与え、渇いていたときに飲ませ、旅人であったときに宿を貸し、
36 わたしが裸のときに服を着せ、病気をしたときに見舞い、牢にいたときに訪ねてくれたからです。』
37 すると、その正しい人たちは答えます。『主よ。いつ私たちはあなたが空腹なのを見て食べさせ、渇いているのを見て飲ませて差し上げたでしょうか。
38 いつ、旅人であるのを見て宿を貸し、裸なのを見て着せて差し上げたでしょうか。
39 いつ私たちは、あなたが病気をしたり牢におられたりするのを見て、お訪ねしたでしょうか。』
40 すると、王は彼らに答えます。『まことに、あなたがたに言います。あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、それも最も小さい者たちの一人にしたことは、わたしにしたのです。』
41 それから、王は左にいる者たちにも言います。『のろわれた者ども。わたしから離れ、悪魔とその使いのために用意された永遠の火に入れ。
42 おまえたちはわたしが空腹であったときに食べ物をくれず、渇いていたときに飲ませず、
43 わたしが旅人であったときに宿を貸さず、裸のときに服を着せず、病気のときや牢にいたときに訪ねてくれなかった。』
44 すると、彼らも答えます。『主よ。いつ私たちは、あなたが空腹であったり、渇いていたり、旅人であったり、裸でいたり、病気をしていたり、牢におられたりするのを見て、お世話をしなかったでしょうか。』
45 すると、王は彼らに答えます。『まことに、おまえたちに言う。おまえたちがこの最も小さい者たちの一人にしなかったのは、わたしにしなかったのだ。』
46 こうして、この者たちは永遠の刑罰に入り、正しい人たちは永遠のいのちに入るのです。」

使徒5:29
29 しかし、ペテロと使徒たちは答えた。「人に従うより、神に従うべきです。」