ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

ル・ポコヘマンコミュの虹色の汁

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
四月から『喫茶法』なる法律ができたのはご存知だろうか?

カフェとかって最近若者たちの間で流行ってるじゃん?それをさらに促進させるために、お偉いさん方がこの法律を制定したっつーわけ。

まあ、それだけ聞くと聞こえはいいかもね。オレも若者だし、カフェでコーヒー飲むのも好きだしね。

でも、問題はこの法律の第4条の2項目のとこ。
「知っている人に出会ったら、必ずお茶に誘わなければならない。」って書いてあんの。
まあそれだけなら誰もこんな法律守らないと思うんだけど、さらに読んでくと「これを守らなかった場合、禁固2日に処す」ってさ。

こりゃ、大変だ。だってどんなに自分が嫌いな奴でもお茶に誘わなければなんないんだもん。シカトなんてしようものなら相手に「お茶に誘ってもらえなかった」とかおまわりさんに言われて、2日間を鉄格子の中で過ごさなきゃなんないんだもん。もちろん、前科もついちゃう。それなら嫌いな奴とコーヒー1杯飲んでさっさと帰るほがよっぽどましってなっちゃう訳。

しかも条文の最後のほうには「この法律については全て、国民の良心に任せる」なんて書いてある始末。『禁固』とかスゲー重い処罰あるくせにこの適当さ。この国のお偉いさんのバカさ加減には脱帽もんだぜ。

まあその法律については後からも説明するよ。




そんな感じで、オレが今いるカフェは今日もメチャ混んでるって訳。静かなカフェのほうが好きだったんだけど。

オレはカフェに行くと必ず店員に「虹汁ひとつ」って注文をする。コーヒーの上に浮いている油分って虹色に見えるじゃん?見えない?あーそう。
まあ簡単に、っつーかわかり易く説明するとアメリカンのブラックのことなんだけど、オレはそんなネイティブアメリカンみたいな言い方は嫌いだからこう注文すんだよね。虹色の汁。なんかキレイじゃん。汚い?あーそう。

オレのこだわりの注文の仕方も店員には理解できなかったらしく、結局普通に注文する。ちゃんとコーヒーのこと勉強しろっつんだよ。ったく。

ごった返す店内の中でトレー持ちながら、なんとか席に座る。ちょうど店内を一望できる隅っこの席だ。

店内を見渡す。まー、いるわいるわ。この法律の犠牲者が店内を占拠してるわ。全員態度がよそよそしいもん。

若い男2人と女1人の席。中年男2人の席。ギャル男風とキレイめのねーちゃんの席。外人の女と学生服着た女子高生の席… 今日もバリエーションにとんでんな。まーオレだけ1人なんだけどさ。せちがれーぜ。

お、若い男2人と女1人の席に動きが見えんな。

コメント(5)

第1汁 タカシとキョウコとヨシヲ

タカシは街を歩いてると、元カノのキョウコと出会った。

しかも隣には男がいる。キョウコとその男の腕はしっかり組まれてる。いや、もう『絡まってる』と言ったほうがいいだろう。
ああ、2人は付き合ってんだな。タカシはすぐに理解した。ってゆーかそんなアクロバティックに腕組まれてれば、元彼であるタカシじゃなくても誰でも気付くはずだ。

普通、この気まずい状況なら明らかに素通りしていいはずだが、タカシは四月に制定されたなんたら法だかを思い出した。

うわ、マジかよ。こんな気まずい状況でお茶なんか誘えっかよ。と悩むタカシ。

しかし予想外なことに、キョウコの方から「タカシじゃん。お茶しよう。」と言ってきた。

?マークでいっぱいのタカシ。これはどーいうことだろう?なんでこの状況であっちから誘ってくんの?隣の男は彼氏じゃないの?最近は付き合ってなくても腕組むのが流行ってんの?それともただのバカなの?

見るとキョウコは不敵に笑っている。…ようにタカシには見えた。ああ、これはオレへの挑戦だ。2年前にボロ雑巾かのように彼女を捨てたオレに、新しい彼氏を自慢する気だな。いいだろう。その勝負受けてやる。調子にのんなよ。大体、そんな腕の組み方初めて見たっつーの。

「いいよ。ただし決闘場所はこちらで指定させてもらう」

今度はキョウコのほうが?マークでいっぱいになる。え、なんでこの人はお茶に誘ってるだけなのに決闘とか言ってんの?バカなの?そもそも私を2年前にフって別の女に乗り換えたあんたのほうが、申し訳なくなったりするんじゃなくて?

そこに今の彼氏であるヨシヲが止めに入る。「まあ、とりあえず行こうよ。そこのカフェでいいかな?キョウコと友達なんでしょ?仲良くしようよ。」ヨシヲはこの2人が付き合ってたことなんて知らなかったのだ。

とりあえず近くのカフェに入る。すごく混んでいる。とりあえず適当にコーヒー三つと軽い軽食などを注文する。

隣で客が、「虹色の汁一つ」と注文をして店員を困らせている。タカシは「春になるとああいう人が増えるんだな」と1人の男を見て思った。

席に座る。しばらく沈黙が続くが、キョウコは静かに話し始めた。
「!!?」
タカシはそのアホな言葉にコーヒーを吹き出しそうになった。
「成立してないよ、安心して。コイツは恋愛対象じゃないからさ。えーと、何君だっけか?」
「ヨシヲ!同じ大学のサークル仲間だよ。まぁ…彼氏かな…?」
聞きたくもない情報だ。
「あ、ヨシヲくん!ヨロシクね! あ、もう行かなきゃ。」
早々抜け出したい。
気まずいし、何故か嫉妬してしまう…。
「あ、えーと全員がコーヒー飲み終わらないと帰れないっす、捕まるかもですよ、なんせ良心ですから」誰あんた?
虹色ボーイ…!
あんた余計だよ。そんなん車で言ったら時速5kmオーバー検挙程度だろ?
「それになんてたって、あそこの若い男2人、ゲイじゃなければ警察だぜ?」
虹色ボーイの推理は残念ながら正しかった。
見るからに監視してる若い野郎2人。
「ありがとうございます。でもこちらも2人、飲み終わりました!」
ちっ、キョウコに救われたか。今すぐ逃げ出したかったタカシは3人分のお金をテーブルに置き店を後にした。
嫉妬? なんか切ないな。タカシは振り返りたい後ろを理性で1歩ずつ離していった。


虹色おかわり。
店内に響いた虹色ボーイの声。
タカシは聞くこともなく店を出た。
店を出て考えた。
なんでフッたんだろう…。彼女の事はなんで今も気になるんだろう。
会わなければ考えなかったのになんであったんだろうか。
問いに答えは見当たらないまま交差点を渡る。
「危ないexclamation ×2」
ヒューーンとなって前の景色が一瞬暗くなった。
「てめぇふざけんなexclamation ×2 信号見ろexclamation ×2……exclamation ×2」
「あっひかれる所だったんだ。」
ヒロシはやっと理解した。「大丈夫かい?結構あぶなかったでしょexclamation ×2なんかぼーっとしてたもんなexclamation ×2」
見知らぬ男だ。助けてくれた人だ、危ないexclamation ×2の人だ。「あ、助かりました。えっと…。」
「ははは、無理して考えない方がいいよ!元カノの事なんてexclamation ×2また危ない目にあうよ?ゆっくりコーヒーでも飲んで考えよう。」
「exclamation & question」
「なんで?なんでこの人は俺の考え…。」
「わかるのかexclamation & questionて?それもコーヒー飲みながらね。」眩しい笑顔は少し不思議に見えてくる。。

ドトールコーヒー。
喫茶法で多額の恩恵を授かってるだろう。
「ご注文は?」
「虹色コーヒー2つで。」虹色ボーイexclamation & question
「かしこまりました!」
かしこまりって、おかしいよexclamation ×2 そんなコーヒー…
「どうぞexclamation ×2」
虹色だ…。きれいだ…。コーヒーカップの底がとてつもなく深く感じる。
コーヒーを飲み終わり感じたこと。それは自分の心が清々しかったということだ。

嫌な出会いもあった。自分の死を感じることもあった。

でも、コーヒーという出会いがあった。

僕はこれかも喫茶店に来る。

なぜならコーヒーを飲むために…









ってんなわけねーだろコルァァァ!!!。

第1章 山本


 完

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

ル・ポコヘマン 更新情報

ル・ポコヘマンのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング