なんでもありということですので、僕の日記に書いた文章をこちらに転載させていただきます。
非プログレ・1970年の名曲10選
? トラべリン・バンド/フール・ストップ・ザ・レイン/クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル Travelin' band/Who'll stop the rain/Creedence Clearwater Revival
激しく、ストレートで、しかしポップなA面。雨が降るかのように哀切なメロディーのB面。ここでの「雨」というのは、銃弾の雨のことであって、ベトナム戦争に従軍してきたジョン・フォがティによる反戦歌だ。ビートルズ以外で両面ヒットを多数輩出したのはCCRだけではないだろうか。1970年のアルバム「Pendulum」は、オルガンロックとしても傑作。
? ハートブレイカー/グランド・ファンク・レイルロード
Heartbreaker/Grand Funk Railroad
高音のヴォーカルが叙情的なメロディーを歌い、劇的なギターがクライマックスを告げる。構成のみごとさもプログレ的。GFRは70年のアルバム「Closer to home」でオーケストラを取り入れている。
? 悲しき鉄道員/ショッキング・ブルー Never mary a railroad man/The Shoking Blue
叙情的なメロディーを女声ヴォーカルが歌うこの曲は日本でだけ大ヒットしたが、なんと日本ではテープの回転を少し速くしてリリースしたのだという。ショッキング・ブルーは、プログレとは遠いポップな音楽と思われていたが、その後のダッチ・プログレのさきがけでもあった。
? 胸いっぱいの愛を/レッド・ツェッペリン Whole lotta love/Led Zeppelin
ハード・ロックを芸術に高めたツェッペリン。特にこの曲は前衛的だ。最初にラジオから流れてきたとき、ラジオが壊れたと思った。この後のヒット曲「Immigrant song」もヴォーカルとメロディーが実に神秘的。
? 朝日のあたる家/フリジド・ピンク The house of the rising sun/Freezed Pink
高音のヴォーカルの長く引き伸ばすシャウトが、本家アニマルズよりも扇情的。確かカナダのバンドではなかったかと思う。今では誰も知らないバンドになってしまったが、もう一作「Heartbreak hotel」というへヴィーなヒット曲もある。
? サマータイム・ブルース/ザ・フー Summertime blues/The Who
イギリスではビートルズ、ローリング・ストーンズと並ぶ人気を誇っていたフー。ヴォーカルは多数の長い紐の付いたコスチュームで踊るように歌い、ギタリストやドラマーは楽器を叩きつけて壊した。トータルアルバム「Quadrophenia」ではオーケストラを用い、その中の一曲「Love reigns on me」は、プログレも顔負けのドラマティックなもの。
? オール・ライト・ナウ/フリー All right now/Free
ストレートなロックのようでいて、どこか屈折した暗さが独特だったフリー。ギターのイントロもユニークだが、B面のインストルメンタルは、浮遊感溢れてプログレ的。
? 愛しのレイラ/デレク&ドミノス Layla/Derek & The Dominos
エリック・クラプトンの代表曲というより、ロック音楽を代表するラブソング。メロディーは美しいにもかかわらず、サウンドはアップテンポでハード。クラプトンが恋愛の苦悩を激しくぶつけた永遠の名曲。2枚組みアルバム「Layla and other assorted love songs」は、泣きのメロディー満載で、ロック史に残る傑作。人は、苦しんでいるときにこそ、天才になるということか。
? パラノイド/ブラック・サバス Paranoid/Brack Sabath
黒魔術をモチーフにした暗黒的なハードロック。けたたましいシャウトとギターのリフは、後のへヴィ・メタルの元祖。しかし、メロディーにはどこか哀愁が漂っていた。イマジネーションを音楽で表現するところは、プレグレと同じとも言える。
? ジャニスの祈り/ジャニス・ジョプリン Move over/Janis Joplin
1970年10月4日にジャニスは亡くなった。彼女を偲んで、アメリカで1位となった曲のなんとB面を日本ではヒットさせた。そして、アメリカ1位の曲「Me and Bobby McGee」は日本ではB面。遺作となったアルバム「Pearl」は、シンプルなロックの名作。