信じた人を愛しなさいコミュの母性遺伝のミトコンドリアDNA

ミトコンドリアは私達が空気を呼吸して取り入れた「酸素」と食事をして取り入れた「ぶどう糖」を、「二酸化炭素」と「水」と「エネルギー」に変える働きを持っています。

エネルギーは体温を保ったり、運動したり、物事を考えたり、その他の化学合成をする時などに使われます。

つまり、ミトコンドリアがないと、私たちは生きていけない非常に大切な細胞内の器官なのです。

そのミトコンドリアは「生命エネルギーの製造工場」とも呼ばれています。

通常、動物の場合、ミトコンドリアは100％母性遺伝します。

例えば、ヒトの場合、父親と母親の間に出来た子供はおおむね半々の遺伝子を受け継ぎます。

母性遺伝であるミトコンドリアDNAは、母親のものだけが子供に100%伝わり、父親のミトコンドリアDNAは次世代には全く受け継がれません。

人の精子も細胞ですから２０程度のミトコンドリアが存在しています。

しかし卵子と融合した後でなぜか精子由来のミトコンドリアは消滅してしまい、元々卵子にあったミトコンドリアだけが生き残るのです。
　
従って我々の体内にあるすべてのミトコンドリアは、体細胞のＤＮＡと違い、すべて母親から受け継いだものなのです。

ですから、ヒトの場合、女性の系統の祖先が解るというのが、ミトコンドリアDNA解析のおもしろいところです。

実際にアフリカ、ヨーロッパ、アジアの女性のミトコンドリアを採集して、その祖先を辿る研究が行われました。

その結果、アフリカ人が最初に分岐するグループであることがわかりました。

さらに、その祖先は約17万年前に生きていたアフリカの一人の女性に行き当たり、これをミトコンドリア・イブと呼びます。

世界中の人類の母が特定できたわけです。

これが母性遺伝の性質を利用して、現代人のルーツを探れることを最初に示した研究です。

女先祖→母の母→母→私自分→娘までミトコンドリアDNAが受け継がれています。

女の子を産んでいない家系はミトコンドリアDNAはそこで絶えてしまいます。

将来、娘も女の子を生み私達の祖先のミトコンドリアDNAを受け継いでいくことでしょう。

自分のミトコンドリアDNAが娘に100%受け継がれていくのって、とても神秘的だと思います。