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”出会う人みな、仕事の先生”コミュの【教訓】自分自身の調子や運を維持するには、その勝っている時のフォームを決して変えてはならない/「出会う人みな仕事の先生」より

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会社を創業した時、今までにないビジネスモデルを思いつき、この分野の専門家で著名な大学教授にアドバイスを頂こうと訪問しました。

 私は自信たっぷりに、延々と説明しました。教授は、私に言いました。

「大学の先生というのは、既に済んだことを研究するのが本業であり、今までに前例のないものに関しては何も分かりません。

ですので、なんともコメントができないです」

 私はこの言葉を聞いてがっくりきました。

 その教授はよく講演ではこれからはこうあるべきだとか、今後こういうサービスが出現してくるに違いないとか言われているのに、実際に具体的に質問すると何もコメントできなかったのです。

 また別の話ですが、私の知り合いでコンサルティング会社を経営している方がいます。

彼は、ある食品加工会社のオーナーから請われて子会社の社長に抜擢されました。

 その後、たまに彼を訪問しても、相変わらず彼の理論は鋭く、事業も順調のように見えました。

やはり、あれだけ優れたコンサルタントですから、自信を持って自らの理論を展開すれば、企業の成功も間違いないということかと思っていました。

 ところが、数年して彼は解任されてしまいました。

業績は悪化し回復させることが出来ませんでした。

 私は残念に思いましたが、コンサルティング指導と実際の経営とは全く異質のものであり、いかに優秀な先生でも名経営者であるとは限らない、ということなのかもしれません。

 なぜなら、自分が経営も出来ないのに人の経営を指導など出来るはずがない。

やはり経営コンサルタントは必要ない、そう思っていました。

 しかし、そんな考えを変えさせた話があります。

 私の知り合いのゴルフコーチのHさんです。

93年頃、私はゴルフが下手なので基礎から習ったほうがよいとアドバスをうけて、近くのゴルフ練習場にレッスンを受けに行くことにしました。週に1回1時間のレッスンを選びました。

とても明るく愉快なコーチに付き、私はそのコーチとすぐに仲良くなれました。

 ゴルフと言うのは精神力のスポーツで、少しでも雑念が入って集中できなかったりすると、ボールは思ったとおりには飛んでくれません。

いつもリラックスしていないと、なかなかうまくいかないものです。そして、いつも同じようにできるかというと、そうではありません。

いつも違う結果がでるので、ファンが多いのかもしれません。

 コーチはレッスンの合間にいろいろ話をしてくれました。

そして、ジャンボ尾崎さんの練習もみていたことがあると言っていました。それを聞いて彼に質問しました。

「失礼な言い方かもしれませんが、コーチはそんなに有名でもないし、ツアーに出て優勝したという話も聞いたことがありません。それなのになぜトッププロのジャンボ尾崎さんをコーチできるのですか? 常識で考えておかしいですよね」


「そのとおりですね。私がジャンボさんと勝負したら絶対に勝てるはずがありません」

「もし私がジャンボさんよりも上手だったら、ツアーに出場して勝負して最初から優勝を狙いますよ」

「そうですよね。しかし、それでは私の質問の答えになっていません。だから、なぜ自分よりも実力が上の人を指導したりすることができるのですか?」

 そうしたら、コーチは意外な話をしてくれました。

 そして、その話は今までの私の「コンサルティング論」を覆すものでした。

「あなたはゴルフをした時に、いつも同じ結果がでないことにいらいらしたことはないですか? いつもと同じどおりに構えて、同じようにクラブを振ったのにも関わらず、全然違うところに飛んでいったりしたことはないですか?

 結局、全く同じことが起こらないのがゴルフというスポーツなんです。だから、どんな上手なプロゴルファーでもずっと優勝しつづけることなんて不可能です。

負ける時もあるし、勝つ時もある。ただジャンボさんが強いのは勝つときが他の人より多いということです。

 ではなぜ負ける時もあるのか? 

それはいつもの実力を100%発揮出来なかった時です。そして、いつもの実力を発揮できない時というのは、勝てる時のフォームを崩している時なんですよ。

一流選手は、必ず勝てるフォームというものを持っています。そのフォームを崩した時に、本当の自分の力を発揮できずに負けてしまう。

例えば、雑念が入ったとか、腰の回転がいつもと違うとか、肩の入り方がいつもと違うであったりです。

 でもこれは本人は意外と気付かないものなんです。

しかし、そのフォームの崩れや狂いは、私なら分かります。良い状態の時を知っているからです。

私はそのフォームの崩れを発見して本人に指摘する役目です」


 私は「なるほどっ!」と唸りました。

 確かに自分の調子が良い時というのは、いつもどおりのことができたと思うし、特別なことをしたという意識もありません。

いつもどおりなのです。

 調子が狂った時ほど、新しいことを始めたり、違うことをしたりで、いつもどおりではありません。

違うことをすることは、気分転換になるかもしれませんが、結果的にはいつも効果があるとは限らないようです。

 コンサルティングやカウンセリングというのは、こういうことなんだなって思いました。

相手のいつものリズムを取り戻してあげるために、フォームの崩れ、違いを発見すること事。

そして、そのいつもと違うフォームを自分自身で元に戻せるように指摘してあげる。

これがコンサルティングという仕事なのだということを知りました。
 
この「フォーム論」でいえば、別の話を思い出しました。
 
1964年(昭39年)5月5日。かつて全盛時代の巨人軍の王選手と広島カープの白石監督の話です。

 当時の白石監督は、いつも一本足打法でホームランを打つ王選手を抑えるために、外野の守備をライト方向に全部固めました。

王選手が打つホームランの方向はいつも決まっていたからで
す。

有名な「王シフト」という守備です。

 ホームランというのは、王選手といえども年間50本前後。ホームラン以外は凡打。

ホームラン以外はアウトになる確率も高くなります。

そこで、ライト方向に守備を固めれば、手薄な反対側へヒットしようと、一本足打法を止めてレフト方向に流し打ちをするに違いない、そう白石監督は考えたのです。

 そして、もしヒット欲しさにレフト方向へ流し打ちし、自分自身のフォームを崩したら、王選手はその崩れを戻すためにそのシーズンは棒に振ることになるだろうと。

 王シフトの目的は王選手の一本足打法というフォームを崩すことだったのです。

 しかし、王選手は決してその一本足打法というフォームを変えることはしませんでした。

白石監督は、シーズン後、敗北宣言をしたという有名な話です。

 人間の調子や運を維持するのも結局これと同じなのかもしれません。

 自分自身の調子や運を維持するには、その勝っている時のフォームを決して変えてはならないということなのかもしれません。

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