●スナドリネコ(漁猫、英名:Fishing cat、学名:Prionailurus viverrinus)は水辺に棲む中型のネコ科の一種である。インドシナ半島から中国南部やインドにかけて、またスリランカ、スマトラ島、ジャワ島に分布。川、沼地、沿岸のマングローブに生息する。和名は英名の訳で、漁をするという意味の「漁(すなど)る」という言葉をあてはめたもの。 大きさはさまざまで体長57〜86cm、尾長25〜33cm、体重5.5〜8.0kg。インドの個体は体長80cm、尾長30cmほどあるが、インドネシアの個体は体長65cm、尾長25cmほどしかない。体色は地色が灰褐色で黒褐色の斑点がある。指にはわずかな水かきがある。またネコ科の動物の中では珍しく、カギ爪を引っこめることができない。これは爪を引っ込めるさやの発達が悪いからである。同様の特徴をもつ種にチーターやイリオモテヤマネコがある。汚染、干拓、人間の移住などによってスナドリネコの住処となる湿地が減るにしたがって、個体数が減少している。 ■生態 泳ぎが上手く、カエルやザリガニ、魚類、貝などを捕って食べる。陸上でもネズミ類を捕らえて食べる。 妊娠期間約63日。野生では4〜6月に出産し、一回で1〜4子を産む。 ■亜種 P. v. viverrinus(F. v. viverrina) インド、東南アジア、スマトラ島 P. v. risophores(F. v. risophores) ジャワ島、バリ島