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エコ・ビジネスコミュの事例2 中国の市場性から見る清流魚養殖の可能性

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清流魚養殖の可能性を語る前に、近年の中国富裕層の消費動向に付いて

【急速な市場経済化した中国都市部の富裕層や中産階級の消費状況】
 中国では近年、北京圏(北京、天津およびその周辺)、長江デルタ(上海とその周辺)、香港と隣接している珠江デルタ(広東省とその周辺)の三大成長エリアで人口の増加と所得の増大がもたらされました。こうした急速な市場経済化の恩恵を受けたのは、年齢では現在20代後半から40代位までで、文化大革命(1966〜76年)の影響を受けなかった世代が中心となっています。改革開放後に高等教育を受け、外資系企業のホワイトカラーや私営企業での高級管理職、あるいは中央・地方の幹部公務員、専門職といった人々で、上昇志向が強く、仕事を通じてより高い地位と収入を求めてきた人が富裕層を形成していきました。中でも北京、上海における最高収入世帯(10%)の可処分所得は、10万元を超え、それに次ぐ高収入世帯(10%)では7万元前後、中高収入世帯(20%)でも5万元を超えています。この年収10万元を超える人々が「富裕層」と呼ばれ、同じく年収5〜10万元未満の層が「中産階級層」を形成しています。なお、物価水準が異なるので日本でいえば年収1,000万円に相当する豊かさを享受していることになります。
元来、食の嗜好は保守的なものですが、中国の富裕層は若いこともあって新しもの好き、美味しいと聞けば積極的にチャレンジします。生魚は中国では受け入れられないものの代表でしたが、そんなタブーはいつの間にか無くなり新しい食文化や食材が広く受け入れられています。また、中国でも食の安全が大きな問題となる中、安心できるものは高くても構わない、というのも富裕層です。富裕層の拡大と共にこうした行動様式や新たな食に関する市場が広まっています。

【中国市場における清流魚の市場性】
 私は、家業(おもちゃ花火卸業)の仕事で、毎年約1ヶ月間、約25年間、おもちゃ花火の買付けのため訪中し、北京の北部、ベトナムの近くの北海、内陸の長沙地などの花火工場を回ってきましたが、一度も中国で清流魚を食べたことがありません。中国で川魚と言えば、鯉・ハクレン、コクレン、ナマズといった魚しかないのです。
和食や寿司といった日本の食文化が受け入れられた中国市場は、今後、日本の清流魚(アマゴ・岩魚・鮎・ニジマス等)の新たな市場となり得ると考えられます。

【日本の山間地の現状と清流魚養殖】
 日本の山間地の基幹産業として地域を支えてきた林業や農業は、少子高齢化と共に衰退し、過疎化、廃村が進んでいます。現在、山間地では清流魚養殖もおこなわれていますが、近隣の都市部を市場とした小さな産業規模のものしか無く、、山間地域の基幹産業となるほどの産業規模にはなっていません。もし、日本の人口に匹敵する中国富裕層市場をターゲットとした清流魚(岩魚、アマゴ、マス、鮎)養殖を日本の山間地で展開できれば、中山間地域の新たな基幹産業になり得るのではないかと思うのです。

【日本の山間地での清流魚養殖の可能性】
 私が住んでいる愛知県西尾市に昨年合併した一色町は、鰻の生産地です。半農半漁であった一色町が鰻養殖に転換できたのは、水を取り入れ排水する機能を持つ田んぼを活用したからです。
 清流に隣接し休耕田になっている山間地の田んぼを活用すれば、山間地域での清流魚養殖産業は可能です。また、鰻養殖と違い、清流魚養殖には加温ハウスは必要ありません。小さな投資で清流魚養殖を展開することが可能です。

【中国富裕層市場に対する清流魚販売戦略】
 既に、中国で市場性のあるモノを輸出しようとすれば、厳しい価格競争の中、安心安全な高付加価値ジャパンブランドとして輸出を展開する必要があります。一方、中国市場に無いモノであれば、新たな市場性を生み出すための販売戦略が必要となります。

【日本の食文化と共に打ち出す清流魚販売戦略】
 「COOL JAPAN」というキーワードが世界中で飛び交っています。 ファッションやアニメ、建築、料理など、私たちが当たり前と思ってきた日本の様々な文化が外国の人たちには“格好いいモノ”として受け入れられ、流行しているのです。この世界的動向に対して、日本政府も輸出戦略産業分野である文化産業の海外進出促進、国内外への発信や人材育成等の政府横断的施策「クールジャパン戦略」の推進を行っています。文化産業立国戦略の方向性として、潜在市場規模/競争優位性が相対的に高い、食のカテゴリーの海外広域展開、及び、中国市場への本格展開が有力な戦略オプションであると洞察されており、海外市場開拓の柱となる食に関するブランド化の海外展開戦略の深化が必要不可欠であると述べています。

“格好いい日本の食文化”の食材として

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