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シュタイナー言語造形ことばの家コミュのこころのこよみ(第29週) 〜コトバ第一ナリ〜

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みずから考えることの光が、

内において力強く輝く。

世の精神の力の源から、

意味深く示される数々の験し。

それらはいま、わたしへの夏の贈りもの、

秋の静けさ、そしてまた、冬の希み。



Sich selbst des Denkens Leuchten           
Im Innern kraftvoll zu entfachen,           
Erlebtes sinnvoll deutend                  
Aus Weltengeistes Kräftequell,             
Ist mir nun Sommererbe,                 
Ist Herbstesruhe und auch Winterhoffnung.  


改めてこの夏を振り返って、
夏という季節を生きたことによって、世から、わたしは、何を、贈られたか。

それは、「ことば」であった。
「わたしはひとりである」という「ことば」だった。

いま、秋になり、外なる静けさの中で、
その「ことば」を活発に消化する時であることをわたしは感じている。

そして、来たる冬において、
その「ことば」は、血となり、肉となって、生まれ出る。

夏に受けとられ、
秋に消化された「ことば」が、
冬には、
「己のことば」、
「わたしの内なるひとり生みの子」、
「ことに仕える(わたしの仕事)」として世へと発信される。
そんなクリスマスへの希みがある。

夏に贈られた「ことば」があるからこそ、
この秋、わたしは、その「ことば」を基点にして、
自分の情を鎮めることができる。
自分の考えを導いていくことができる。
自分の意欲を強めていくことができる。
そして、冬へと、クリスマスへと、備えるのだ。



メディテーションをする上にも、
余計なことを考えないようにするために、
飛び回る鬼火のような考えや情を鎮めようとする。
しかし、いくら頑張ってみたところで、どうにも鎮まらない時がよくある。

そんな時、メディテーションのために与えられている「ことば」に沿い、
その「ことば」に考えを集中させていくと、
だんだん、おのずと、静かで安らかなこころもちに至ることができる。

「ことば」を先にこころに据えるのだ。
その「ことば」に沿うことによって得られる感覚。

日本人においては、
特に、万葉の歌を歌う頃から時代を経て、
「古今和歌集」の頃もさらに経て、
「新古今和歌集」が編まれた頃、
その「ことば」の感覚が、意識的に、先鋭的に、磨かれていたようだ。

歌を詠むこと、詠歌において、
「題」を先に出して、その「題」を基にして、まず、こころを鎮め、こころを整えて、
その後、歌を詠んだのである。

こころの想うままに歌を歌えた時代は、だんだんと、過ぎ去っていったのだ。
こころには、あまりにも、複雑なものが行き来していて、
それが、必ずしも、歌を詠むに適した状態であるとは限らない。

   「詠歌ノ第一義ハ、心ヲシヅメテ、妄念ヲヤムルニアリ」
   「トカク歌ハ、心サハガシクテハ、ヨマレヌモノナリ」
   「コトバ第一ナリ」    
                      (本居宣長『あしわけ小舟』より)

「ことば」がこころの内に据えられてあるからこそ、
「ことば」という手がかりがあるからこそ、
わたしたちは、みずからのこころのありようを手の内に置くことができるようになる。

わたしたち日本人は、長い時を経て、
歌を詠むことを通して、
「ことば」の世界に直接入り、
「ことば」の力に預かりながら、
己のこころを整え、情を晴らし、問いを立て、明日を迎えるべく意欲をたぎらしていた。

秋になり、
わたしたちは夏に贈られた「ことば」を通して、
妄念を鎮め、こころを明らかにしていくことができる。
そうして初めて、
「みずから考えることの光が、内において力強く輝く」。

歌を何度も何度も口ずさむように、
メディテーションを深めていくことが、
来たる冬への備えになるだろう。

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