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シュタイナー言語造形ことばの家コミュの本の生命

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 昨日、銀杏並木からはみ出し揺らめいているように感じた生命のことを書いたが、今日は本の生命について感じさせられた。

 本は生きている、と感じることがある。

 本を読むとき、目で追っているだけではもの足りず、できれば声に出して詠む。線を文の横に引いていく。頁の上下左右の余白にこれまでの読書経験、人生経験から浮かび上がってきたことをどんどんと書き込んでいく。

 目で読むだけでなく、手にペンを握り書き込みつつ、声を出して詠むことで耳でも文を味わいつつ、一頁一頁、一文一文につきあいつづけていく内に、わたしのアクティビティとその本自体、文自体、ことば自体の持つアクティビティとが生きものと生きもののように交わり始める。こちらがアクティブになればなるほど、本のアクティビティ、本の生命もが引き出されてくるように感じる。

 そのような読書の痕跡が毎頁に書き込みとして残される。もちろん、それらのすべての痕跡がわたしの中で記憶としてしっかりと定着していることなどない。しかし、本の生命にいきいきとわたしが向かい合うことで交わされたアクティビティとアクティビティの働きあいは、内なる痕跡としてずっとわたしの中で引き続いていく。

 その引き続きが、毎日を生きていく上での確かさと安らかさとこころざしを与えてくれる。

 岩波書店から『読書のすすめ』という無料で読むことのできる文庫が出ている。その第9集に、作家の多和田葉子さんの「本は麻薬」というエッセイがある。その文章には、引用したいものがたくさんあるのだけれど、今日は最後に書かれてある文章だけを挙げたい。

  本は読むだけでなく、同時に書かなければいけないといつからか思うようになった。
  受身に読むのではなく、自分がその本を書いているのだというくらいの意気込みで、
  身を乗り出して、読む。
  そうすれば小さくて質素な本ほど大きくなるような気がする。

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