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保険屋は大変だ・・・コミュの今年第一弾 参考

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曲り角に来ている生命保険ビジネス

『乗合代理店の実態』

複数の保険会社を扱う、乗合代理店を経営していると、さまざまな問題に直面する。
乗合っている保険会社の数だけ、
仕事の進め方が異なるところにその大きな原因がある。

申込書ひとつとっても、
各社のフォームのすべて異なるものを取り付ける必要があるのである。
例えば、1契約者に4社連合で保険の手続きをするような場合、
終身保険のA社の書類は5枚必要で、収入保障保険のB社では4枚、
医療保険のC社では3枚、ガン保険では3枚というように
手続きの大変さも半端ではない。
さらに診査や告知をどうするか、保険料の支払いをどのような形でするのか、
などなど乗合代理店としてお客様のために、
「いいとこどり」を実践しようとすればするほど、事務量も増大するのである。

手続きだけでもこのように大変だが、その前にプランを決めるまでがまた一苦労だ。
各社の保険料はまちまちで、また途中で解約した場合の返戻率もばらばらで、
どの保険商品の組合せが最もお客様のニーズに最も合っていて、
コストパフォーマンスが高いかを選定する作業が極めて困難な作業になる。

身近な例で、終身医療保険を選ぶ場合、商品選定の要素として、
1.給付金日額をまずどのようにして決めるか
2.保険期間をどうするか(終身か更新型か)
3.払い方を全期払い(終身払い)でいくか短期払いでいくか
4.解約返戻金が出るタイプか掛け捨てか
5.初期入院特約(初日から出る)をつけるかどうか
6.一回の入院限度日数を何日にするか
7.通院特約などの特約を付けるか否か
などなど検討すべき項目は意外と多い。
これを各社の設計書を打ちながら検討するということになると、
お客様の要望を決めることは、おいそれと簡単にできるはずがない。
これを医療保険だけでなく個人の全体の保険プランで実践するとなると、
いったいどれくらいの時間を要する作業か、考えただけで気が遠くなる。

FP業務の中で個人のライフプラン設計をする場合、
生命保険のプランニングは避けて通ることはできない。
その際、総論だけで議論をしても、
お客様にとっては、ではいったいどこの保険会社のどの商品を購入したらよいか
という、もどかしさは残るのである。

FP自身が多くの保険会社の商品を扱える募集人であったとしても、
上記の理由で、なかなか実際に、顧客にとって最適な商品化戦略を
立案することは困難が伴う。

かといって知合いの乗合代理店に頼んだからといって、
必ずしもベストプランが出せるとも限らない。
要するに、誰がやっても、本当の意味での乗合代理店としての商品選定には
膨大な作業時間を要するということなのである。

顧客本位で金融の問題解決を図ってあげようと思っていても、
実際に膨大な選択肢のある生命保険の場合、商品を選ぶ基準であるとか、
データベースに基づく条件検索などの手法を用いない限り、
肝心の商品を選択するということすらままならないのである。

これは数ある投資信託の商品群から顧客の欲する商品を選ぶ場合もしかり、
株式投資をする場合の銘柄選びでもしかりであろう。

このように看板には、乗合代理店とかFPとか掲げていても、
実態は、各論ベースでは自分の経験値や自己流の基準によってのみ商品選択をする、
というより持論の押付けとなってしまっているといったことが起こりうる。

顧客の多くは所謂「しろうと」であるから、
プロの看板を掲げた人から「これがベストだ」と言われて、反論できるはずも無く、
それを信じて受け入れるということになるが、これでは看板が泣こうというものだ。

我々が日常買い物をしたり、サービスの提供を受けたりした際に、
これは本物のプロの対応だと思えるシーンはそれほど多くない。
ほとんどが画一的で、満足度で言えば「あたりまえ」の世界だ。

顧客満足(CS)という言葉があるが、
これは顧客の期待するところのバーに達した場合に、満足したというレベルになる。

しかしこれはもはや当り前のことになりつつある。
このバーも達成できない商品・サービスはどんどん淘汰され、
世の中から消えていく運命にあるといってもよい。

赤福や白い恋人の例を持ち出すまでも、
期待を裏切るような場合は反動もまた大きい。

FPや保険の世界におけるCSも、ある意味ではできて当り前なのだが、
そのバーはそれほど高くないといっていいだろう。
というのは顧客が、そのバーがどこにあるのかよく分からない世界だからだと思う。

百貨店で物を買う際に、どこどこの店は販売員の質が悪い、
といった日常生活の価値判断とは全く異なる、専門領域の世界だからだと、
言い換えれば分かりやすいだろう。

だからこそ、この仕事にかかわるものは、心しなければならないと思う。
相手が「ずぶのしろうと」だからこそ、「そこまでやってくれるのか」という、
顧客の期待値を大きく凌駕するようなプロの技が必要である。

ではそれはいったい何か。
乗合代理店の例で言えば、できるだけ多くの保険会社商品群から、
瞬時に最適な商品を選択できるシステムの構築と、
その商品を利用する際の得失の比較ロジック、膨大な事務量をものともしない
手続業務の処理技術、万全な保全体制などなどである。

果たして世の中のどれくらいの乗合代理店が、
そのレベルに達しているのであろうか。
とはいえ、本当に乗合代理店として生き残るためには、
このレベルに行かなければ、この先未来はないと思うのだがーーー。



亀甲 美智博 (かめこう みちひろ)
上級ファイナンシャルプランナー(CFP)
1級フィナンシャル プランニング技能士
世界百万ドル円卓会議MDRTメンバー(過去TOT2回、COT5回)
株式会社伊勢丹経営企画室(19年), ソニー生命保険株式会社(1年)
グローバルインシュアランス株式会社(7年)を経て、
2002年10月独立創業
著書「会社の危機を救う社長の生命保険」


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