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日記ロワイアルコミュのモアイを造ったイースター島の人々が簡単に絶滅したまさかの理由。

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冒頭の画像についてはあとでみっちり触れるとして、まずはそこに至るまでの話を書いておこう。

過日。

僕はUFOだのUMAだのオーパーツだのというものが大好きで、生まれ変わったらUMAになりたい。それか石油王になりたい、それが無理ならある程度のお金持ちになりたいと思っているぐらいそういうのが好きなので、パチンと点けたテレビで僕の大好きなイースター島を特集しているのを見て一気に血湧き肉躍り、歌い、踊り、ソファの中心にドカンと座って、もう食い入るように見た。

見たったわいや。

「ところでチミはなんでイースター島なんかが好きなの?バカなの?」と訊かれたら、僕はそいつをドツく。ドツき回す。つまり腹部をドツいた上に体躯を持ち上げ、上空で回転を加えて、地面、雨に濡れていると尚いいが、アスファルトに叩き付け、戦慄したそいつの土手っ腹に腰掛けて「眠たいことをぬかすな、この低脂肪」と言い放った上でくわえた煙草に火をつけ、そいつの双鉾を灰皿にする。とまぁ、こうキメるだろうね。

僕がイースター島が好きな理由はもちろんイースター島にはモアイ像がおるから。そんなん、当たり前やろ。なんせモアイ像ってのは各種様々色とりどりな謎を取りそろえていて、要するにロマンなんだよ、大事なことだからもう一回言うね。

ロマンなのだよ。

その昔、響野が「ロマンはどこだ?」って言ってたけど、結局ロマンはイースター島にあるんだよね。響野って誰やねんって言うてるお前に、じゃあ訊くけど、お前こそ誰やねん。

モアイ像に関しては、ホント不思議。存在理由がわからない。

全長3.5米、20豚なんていうデカいものを、あんなにもたくさん造った理由がしかしはっきりとわかっていないのである。それはもう、とってもロマンじゃないか。ちなみにモアイ像を造った理由はわからないが「モアイ像を造った理由がわからない理由」はわかっている。それは、イースター島出身者がほぼ壊滅・死滅・絶滅してもたからである。

死んでしまったイースター島民が文字を書いて残した『コハウ・ロンゴ・ロンゴ』という板はあるのだけど、それが読める人ももういなくなってしまって、真相は藪の中、闇の中なのである。

そんなイースター島をテレビが特集しているので、僕はもうキャッキャキャッキャと盛り上がり尻上がり花盛り。抱えたクッションをバンバンどつきながら、ナレーションである緒形直人の言葉に「おぉ、おぉ、ほいで?ほいでほいで?」つって、しばらくは機嫌良く応答していたのよ、しばらくはね。

しかしやがてどうにも雲行きが怪しくなってきた。

それは、緒形直人がイースター島の島民たちがもともとどこから来たのかについて語り出した辺りからであった。

イースター島の人々はインカ帝国からの移民であるという学説があるらしい。

その理由としては、イースター島には石をたくさん積み重ねて造った石壁があって、それらがとにかく非常に精緻精細に誂えられて積み重ねられており、石と石との継ぎ目には剃刀の刃一枚も通らないという。これは、当時の技術レベルではなんぼなんでもちょっと無理なんちゃうかなぁ…と学者陣、みな首を並べてこれを傾げていたのだけど、その当時、唯一そんな仰天な石壁を造れる技術を持っていた国があって、それがインカ帝国だったから、だからイースター島の島民はインカ帝国からの移民なのだという学説である。

うんうん、蓋し正論に思える。

ただ、よくよく聞いてみると、イースター島とインカ帝国は直線距離で7,000キロ米も離れておるとのことで、その7,000キロ米をどうやって渡ってきたかが当然ポイントとなるわけだけど、緒形直人はむちゃくちゃなことを実にさらっと言ってのけた。

「人々はイカダで7,000キロ米を渡ってきたのです」


うそつけ。


なんでやー!なんでクソデカい石壁をビタッと気持ちよく積み上げられる技術レベルを持った人間が、7,000キロ米もの海路をイカダ漕いで必死のパッチでやってこなアカンねん!もっとすげぇちゃんとした船作ってたんちゃうんか!

と僕は叫んだ。そしたら緒形直人が答えてくれた。

「あの人たちの航海テクニックはホントすげぇからイカダで大丈夫だった」と。

僕はあぼーんと言うて横臥。フローリングの筋を指でなぞりながら「指紋なんぞ、消えてまえ」と涙した。そんな強引な結論付け、あるかぇ。

僕は落胆し、やや大きめに独白。

「なんじゃい、『世界さん』って番組は、なかなか高尚な内容が好評を博しているのだと聞いていたけれども、開けてみれば所詮ゴシップの寄せ集めをまことしやかに披瀝しとるだけの低俗番組やないか。なにが『世界さん』じゃ。お前に敬称なぞは不要!『世界』で十分じゃ!」

と毒づいていたところ、脇から妻が「『世界さん』ではなく『世界遺産』ですよ、“い”が1個足りませんぞえ、うくくく」と言うて笑ろてこましてきたので僕はますます憤怒。激怒を権現、怒りに任せて「じゃあかしわぇ!この耳垂れ!」と激叫してしまったため、側頭部をナポレオンが馬に乗っているデザインの鈍器で激しく殴打されて、僕は死んだ。嘘、死んでなかった。

そんな剣呑険悪な状態ではあっても別段他にすることもないので、僕と妻は世界さん…もとい『世界遺産』を見続けた。会話がないのだから、テレビを見るしかない。

テレビでは相変わらず、緒形直人がしゃべり続けている。このペテン師が。

話は既にさらに進んでおり、インカ帝国からイースター島に移住した人々の、島での生活に言及していた。
当時のイースター島は、肥沃な土壌に草木が郁郁生生と繁茂し、川はやわらかに流れ、動物たちは藹々と集い歌い、小鳥はさえずり、空は澄み渡り、それはもう非常に牧歌的な、天国のような島であった。


熱海みたいだった。


それはとてもよかったのだけど、いつの時代でもそうだね、人間ってのは阿呆な生き物で、悲しいよね。
人々はイースター島の心地よさに酔い、弛緩し、努力を怠り、調子をこいて、欲望のままに森林を伐採してはヒグマがシャケを狩猟する像を7億万体彫ってみたり、どっちの飼いワニがより多くのウサギを食べられるか大会を週2のペースで開いたり、下着泥棒をやったり、河川を埋め立ててデズニーランドや卓球場、ピンサロ、ストリップバー、おっぱいパブを次々と建設したり、これら公共事業を大胆かつ意欲的に推進してしまった結果、激烈なる環境破砕をやってしまったのである。


気付けば島は死んでいた。


お世辞にも広いとは言えないイースター島は技術とそれに伴う英知を備えているはずのインカ帝国からの移民の手によって実に呆気なく簡単に殺された。島は完全に死んだ。
とても悲しい話である。

それなのに、ここまで来ても阿呆なイースター島民は、「島が死んだ。しょーもな。イースター島しょーもない。“ショーモナ・イースター”やな。もういらんわ。飽きたわ。おもんないわ。最初からそんなに盛り上がってないしな。なんか無理矢理連れてこられた感あるしな。さ、イカダ組んで、さっさとインカ帰ろけー」つってトランクに衣類や寝具、ぬいぐるみ、歯ブラシ、コンタクト洗浄液、iPadなどを詰め込んで身支度を整えながら、そこでようやく、はたと気付いたのである。


帰りのイカダを造るための森林が、もうないじゃないか。


こうしてイースター島民は島から出られなくなってしまったのである。
その後、何度も植林を施したにも関わらず、一向に木が育たなかったというのは、これ天罰であろう。


緒形直人の語り口に耳を傾けるうち、僕のハートは怒りと悲しみという2色に塗られてしまった。泣いた。すごく泣いた。嘘、泣かなかった。

そこから島民たちは凋落の一途をたどる。

没落する。
落魄する。

人々はドツき合い、殺し合い、食物を奪い合い、土地を奪い合い、命を奪い合った。島民たちの絶対数は簡単にみるみる減少してゆき、いよいよ滅亡は眼前に迫って避けられなくなっていた。

そのとき、つまりイースター島末期、島民らは『鳥人崇拝』を始めたと、緒形直人は悲しい声でそう言った。

緒方:「滅び行く島の中で、船を造るための木材をも失ってしまった彼らは、海の上を自由に飛び回る海鳥たちの姿に、『島から出る』という願いを託しました。そこで生まれたのが『鳥人崇拝』です。人々は、鳥の頭に人間の体を持つ神を崇め、いつの日か島から出られる日を夢見ていたのです」


そういって、その『鳥人』とやらが画面に映し出された。
そう、冒頭の画像はイースター島において崇拝されていた『鳥人』の姿なのである。

テレビを見ながら先刻までイースター島よろしく啀み合いドツき合い殺し合っていた僕と妻が、全く同じタイミングと全く同じスピードで一字一句同じツッコミを、緒形直人にぶちかましていた。


「頭と体、逆やないか!」、と。


もはや島から出る術を失った人々が、大空を飛び回る海鳥にはかない望みを込めて作り上げた空想の神ってことで、そういうのは全然好きにしてくれたらいいんやけど、それやったらオラァ、おどれゴラァ、『人間の頭で鳥の体』にしとかへんかったら、空を飛ばれへんやろがっ!なんじゃいなんじゃい!これはなんじゃいっ!こんなもん、頭のおかしいただのおっさんやないか!んなことしとるからお前ら滅びるんちゃうんか!


ちゃんとせぇ!


僕らは割れんばかりの声で、そう叫んだ。

画面は切り替わり、人々が絶滅して無人島に還った現在のイースター島の夕景が映し出されている。横一列に並んだ複数のモアイ像をバックに、1体のモアイ像が右向きに横臥していて、「SONY」というロゴが浮かび上がってくるのを見ながら、僕は思った。

モアイ像の話、してないじゃんって。


ロマンはどこだい?

コメント(71)

ついでに笑い飯の鳥人ネタ思い出してしまった。
ロマンはどこ?
一票☆
あーだめ、
面白すぎて
一人で笑った!
一票

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