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日記ロワイアルコミュのABEからのメッセージ(※怖い話)

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小学生の時、同じクラスにAという阿部がいました。


Aは全く勉強が出来ない子でした。
しかも変な発言が多かったため、私達は少しあれな子なんだなーと思って適当に付き合っていました。

そんなある日、なんの授業かは忘れましたが、ローマ字を使う授業がありました。
小学生にして初めて知ったローマ字の存在。私を含めクラスの皆はローマ字が分かりませんでした。

しかし、なんとAがローマ字を知っていたのです。

Aは読み書きが出来るだけじゃなく、先生曰く「E」の発音が完璧でした。


先生に褒められて有頂天になるA。


調子に乗ってEを連呼するA。


いつも変な子としてAを見下していた私達は、先生に褒められて調子に乗って「イー!」を連呼する阿部がムカつきました。

そして、その日を境にAを無視していじめる様になっていったのです。

私達はクラスぐるみでAをいじめ、それは日に日にエスカレートしていきました。
エスカレートしたイジメは陰湿かつ周到かつダイナミックかつセンシティブなもので、今思うととてもダイナミックなものでした。

しかし周囲には気付かれないよう細心の注意を払ったため、親や先生には全く気付かれませんでした。


そんなイジメが続いた3月のことです。


私は全治6週間の大怪我をしてしまい、入院することになりました。


初めのうちは友人がお見舞いに来てくれたのですが、数日経つと誰も来なくなりました。
一人ぼっちになると気持ちが滅入るものです。私は精神的にも少しずつ病んでいきました。


そんなある日のことです。


あのAがお見舞いに来たのです。

イジメの中心人物は私でした。お見舞いに来てくれたのは嬉しかったのですが、後ろめたさがあって話すのも何か気まずく、私はクラスメイトが置いていったお見舞いノートに「何か書いてよ」とお願いしました。

Aは口数も少なく、ノートに一生懸命何かを書いていました。


oooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo


覗いてみると、丸印のようなものをページいっぱいに書いていました。
私が「何を書いたの?」と聞くと、Aはゆっくりと振り返り「明日も来るね」と質問には答えずに帰っていきました。

次の日、またAは私の病室にやってくると、お見舞いノートに何かを書いていきました。それはローマ字のようなもので当時の私には何を書いているのか分かりませんでした。

聞いてもやっぱり教えてくれません。


そして次の日も、そのまた次の日も病室に来てはお見舞いノートに何かを書いて帰っていくA。

そんな日が一週間位続き、ある日を境にAはぱったりと来なくなりました。


私が退院したのはそれから少し経った四月、学校では新学期が始まっていました。

当然クラス変えがあって、仲良しのノブヒコと違うクラスになりました。Aも違うクラスになったようで、私の教室にAの姿はありませんでした。
何度もお見舞いに来てくれたので気にはなりましたが、もともと学校ではいじめていた相手。わざわざ探そうとは思いませんでした。

そしてそのままAの存在を忘れ、私は小学校を卒業しました。


それから10年近くが経ったある日、街で偶然ノブヒコに会いました。

ノブヒコとは小学校を卒業してからも何度か会っていますが、その時にふとAのことを思い出しました。
何気なくAのことを聞くと、ノブヒコはあからさまに怪訝な顔つきになりました。


「いやいや、Aっていたじゃない。あいつ今何してんの?」


私がもう一度聞くと、ノブヒコは一息ついてゆっくりと答えました。


「あいつは自殺したよ」

「自殺? 嘘だろ?」

「いやホントだよ、あいつ自殺したんだよ」

「嘘だろ、いつ? なんで」

「自殺したのはさ、お前が入院している時だよ」

「は? いつだって?」

「お前小学生の頃大怪我して入院したろ。Aが自殺したのはそのすぐ後だよ」

「嘘だろ? 入院してすぐ後って、いつだよそれ。なんで自殺なんてしたんだよ。だいたいなんで教えてくれないんだよ」

「理由は分からないってことになってるけど、分かってるだろ? みんな敢えて話題にしてないんだよ。お前だって違うクラスになったし、聞かれなかったし、みんなもう忘れようと必死だったんだよ」


忘れようと必死だった――

子供心に自分たちのイジメが原因だと分かったのでしょう。怖くなった友人達は、自殺どころかAの存在自体を「何もなかった」ことにして、タブーとして口外しないようにしていたのです。

まさかAが自殺していたなんて――


――え?


「いつだって? いつ自殺したって?」

「お前が入院してすぐ後だよ、確かその日か、その次の日か」

「いやそんなはずは無いよ。あいつずっとお見舞いに来てくれてたんだ。だいたいお前そんな昔のこと覚えてるはずないだろ」

「覚えてるんだよそれが。お前が入院したのって土曜日だったろ。ほとんどそれと同時期なんだ。だって月曜日はAの自殺とお前の大怪我の話題で持ちきりだったんだから」


―――――まさか。


そんなはずはありません。Aは間違いなくお見舞いに来てくれていました。
しかも入院してすぐ後ではなく、しばらく経ってから、それも何日も。

そう、お見舞いに来てくれて確か――

私は例のお見舞いノートを思い出しました。


「ちなみにAが自殺したのは3月14日。俺の誕生日なんだ。お前自分が入院した日覚えてる?」

「いや3月としか覚えてない。覚えてないけど、家に帰ればわかる。わかるはず」


私は急いで家に帰りました。あのノートは確か押し入れに入っているはず、そう思いながら必死で探し続けました。
そして押し入れの奥から子供の頃のおもちゃボックスにノートが入っているのを見つけました。

あのお見舞いノートでした。

私はノートを取り出すと、震える手でゆっくりとページをめくっていきました。

最初のページは確かに3月13日でした。

「はじめてのにゅうりん。ごはんがあまりおいしくなかったー」
「はやく元気になってね!たかこ」
「来週のジャンプ買ってきてあげるよ。500円な。のぶ」
「ミミ郎とミミ子がウワサになってるよ」

など、お見舞いなのか落書きなのか分からない書き込みの中、

「中西くんがカナコ先生のぎゅうにゅうをまちがえてのんでた」
「カナコ先生のにゅうりんを間違えて飲んじゃいけません。校長」

という書き込み。新学期になって校長が変わっていたのはこれが原因かもしれません。

そして3月15日からは書き込みが一切なくなりました。
誰もお見舞いに来てくれなくなったのです。ノブヒコの話が本当だとするとそれも理由が分かります。

ページをめくり続けると、3月20日に先生の書き込みがありました。

「また教室で皆を盛り上げてくれる日を楽しみにしてますよ。カナコ」


そしてゆっくりとページをめくると


oooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo


あのびっしりと丸印で埋め尽くされたページが出てきたのです。
間違いありません。やっぱりAは来ていたのです。日付は3月23日(仏滅)になっていました。

更にページをめくると、そこにはローマ字がびっしりと書かれていました。


「何だこれ?」


意味も分からずにページをめくると、そこにもページを埋め尽くすようにびっしりと書かれたローマ字。


次にも…また次にも…



「ma」

「e」

「mo」

「shi」

「ne」



イジメにより自殺で死んだハズのA、私の病室に来たAは既に死んでいたことになります。


ノブヒコの話は正しかったのでしょう。


死んだハズの彼が何故私の所に来たのか、今はっきりと解ったのです。



「o ma e mo shi ne」





「おまえもシャイン」



「おまえも輝け」Aはイジメの張本人である私を許し、怪我で落ち込み病んだ私を励ましに来てくれたのです。


私は涙が溢れました。私は現在30歳にしてニートですが、Aの分もしっかり生きようと日々頑張って他人のブログを炎上させて生きています。

コメント(277)

ラストシーンのポジティブさに泣きました。
一票。
やっばい
ヒクヒク言いながら笑っちゃった

一票です
『Aという阿部』から1票確定でしたw

1票wwww
にゅう‥りn(笑)
あまりの輝きに一票w

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