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日記ロワイアルコミュのだいすき台湾

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これは僕の母が先日体験した話です。

僕の母は、学生時代に台湾の方と文通をしていた事があるそうです。
何故文通を始めたのか、その辺は今回の話には関係無いので割愛しますが、その交流は約3年間も続きました。もう40年以上も前の事です。

母は現在、観光センター的な場所で働かせていただいておりまして、たまに海外からのお客様も来られるようです。

そこに来たのが王さんという学生さんでした。

彼は日本の某大学院に在籍している学生さんで、少しぎこちない部分もありましたが日本語で母に道を尋ねたそうです。

僕と違って母は人見知りしない性格なので、王さんが行きたい場所を説明した上で簡単な地図も書いてあげたそうです。

その対応に感激した王さんは、母とその場で少しお話をしました。

その会話の中で、王さんの母国の話になりました。
聞くと王さんは台湾から日本に留学してきているとのこと、母は『実はおばちゃんも昔、台湾の人と文通してた事があるんやで。○○(台湾の住所)って場所知ってる?』と聞いてみたそうです。

あくまでも世間話の延長線上で、台湾出身だと聞いたから、たまたま言ってみただけだったそうです。
40年以上も前の文通相手の住所を母が覚えていたのは、『何十回と書いた住所だし、凄く簡単だったから』という事らしいです。

その住所を聞いた王さんは、自分の実家とそれほど離れた場所じゃない。と答えたそうです。

母は『じゃあ、もしもそこに行く事があったらオバちゃんが宜しく言ってたって伝えといてね』と言いました。

もちろん日本人特有の社交辞令です。
文通相手の陳さんは母よりも歳上で、しかも40年以上も前の事です。
今現在、生きているのか死んでいるのかさえ知りませんし、知る術もありません。

しかし真面目な性格の王さんは、母から文通相手の正確な住所と名前を聞き直し、自分の手帳にメモをした上で『いつか会えたら伝えておきます』と笑顔で言ったそうです。


そんな事があってから数週間後、母の元に一通の封書が届きました。


差出人はあの時の王さんからでした。
王さんは母と会ったあの日、親切にしてくれたと喜んで『京都に来る事があったら是非とも連絡してほしい』と、自分の住所や電話番号が書かれた名刺を差し出したそうです。

母は当然名刺なんか持っていませんから、お返しに自分の携帯電話の番号と住所を書いたメモを渡していました。

それを頼りに、王さんは手紙を送ってくれたのです。


そこには会った時に親切にしてくれたお礼と共に、次のような事が書かれていました。


正月休みを利用して故郷の台湾に帰省したこと。

そして、友人と2人で母の文通相手である陳さんを探しに行ったこと。

陳さんの家があった場所は別の人が住んでいたこと。

そこで諦めずに、近所の人に色々と聞いて回ったこと。

そうして辿り着いた人が、陳さんの実の弟さんだったこと。

その弟さんに現在の陳さんの住所を聞いて、車を走らせたこと。

遂に出会えた陳さんに、母との文通の事を尋ねたこと。

暫く記憶を探っていた陳さんも、当時の事をハッキリ思い出したこと。

陳さんはお医者さんとして働いていた大病院を定年で退職した今も元気でいること。


そんな事がところどころ間違った文法ではあったけれど、心のこもった日本語で丁寧に書かれていました。

そして最後は、陳さんの今の住所と電話番号と共に『またいつでもお手紙を下さいと言っていましたよ』と結ばれていたそうです。


母は驚いたやら嬉しいやら、何よりも一度会って話をしただけの王さんが、そこまでして(探し当てるまで丸3日掛ったそうです)陳さんを探してくれた優しさに涙が止まりませんでした。


全ては偶然が生んだ奇跡。
王さんがたまたま母に道を尋ねたことも、母が40年前の文通相手の住所と名前を今も覚えていたことも、王さんが訊ねた先が陳さんの弟さんの家だったことも、全ては様々な偶然が上手に組み上がって出来た奇跡だと思います。



次の日、母は王さんへのお礼の手紙と、40年前の文通相手である陳さんへの手紙、2通の手紙を書き上げたそうです。

エアメールが届くまで、1週間から10日ほど掛かるそうです。
40年の時を超えて母の手紙が陳さんの元へ無事に届きますように、そしてそれを読んだ陳さんからお返事が届きますように……息子としてそう願わずにはいられません。








〜後日談〜


数日後、母の仕事場にある夫婦が立ち寄られました。
そのご夫婦の出身も台湾だと知った母が王さんの話をしたところ、それを聞いたご夫婦は笑顔でこう言ったそうです。


『貴女に少しでも喜んでもらいたかったんでしょうね。台湾の人間は与えられた恩を決して忘れません。それに日本人の方が我々よりもずっと親切で温かいと思いますよ』






未曾有の大地震で苦しむ日本に、総額200億円を超えた今も義援金を送り続けてくれているのも台湾でしたね。

人の優しさに国境なんて無いんだという事を改めて思わせてくれた王さん、そして台湾という国に心から感謝すると共に、今の僕に出来ることを考えてみようと思います。



あと、ビビアン・スーとの結婚も真剣に狙ってみようと思います。

コメント(106)

偶然の連続が奇跡的に連なって素晴らしい出会いが実ることってありますよね

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