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日記ロワイアルコミュの世代を超えて

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今年、うちの三人娘の末っ子が成人式を迎えた。


あんなに小さかった子らが、もう立派な大人になったのだ。




長女は心の病を抱えていて、家で妻と療養している。

次女は結婚し家を出た。

三女は遠く都会の大学に進学した。

そして俺は単身赴任で、家族はほとんどバラバラである。




昔はみんなで出かけるためにあったワゴン車も、今では小さな軽に変わった。


みんなで暮らしていた家は、今では長女と妻だけになった。


俺は、仕事以外でほとんど会話をすることがなくなった。


決まって全員で過ごしていたクリスマスも、いつのまにかなくなった。





今でも家族の仲が悪いわけじゃない。


ただ、時が過ぎるのはこんなにも早かったのかと-…





一人になると色々考える。


俺はこの何十年、仕事を言い訳に長女の病気とも向き合わず妻に任せきり。


その妻とも出かけることすらしていない。


次女が結婚するときも二つ返事だった。


三女が家を出る日も顔を出していないし、学費や仕送りも一切してない。
都会で、一人で稼ぎながら学校に行っている。


俺が唯一父親としてしてきたことは生活費をいれることと、彼女たちのサンタクロースになって、夜中に枕元にプレゼントを置くことだけだった。


そんなことも、全員が18歳になったときに終わった。
(うちでは、18歳で誕生日プレゼントもクリスマスプレゼントも終わる決まりになっていた)







…俺は『父親』として、娘たちになにをしてあげられたんだろうと。



娘たちはこんな俺を、どう思っているんだろう。


一人で過ごすクリスマス、そんなことを考えていた。





-----
翌朝

枕元に赤い袋が置かれていた。

開けてみると、そこには暖かそうなセーターと食事券、あと手紙が入っていた


『メリークリスマス!

いつもお仕事お疲れ様。
サンタからのプレゼントです。

これから18年間、枕元にプレゼントが届くよ★

全部受け取るまで、ちゃんと長生きして下さい。
体壊してるの知ってるんだから。

たまにはオシャレして、この食事券でお母さんとデートしてきてねハート




それは紛れもない、末娘の字だった。

聞くと、妻の枕元にも色違いのセーターがあったらしい。

予想するに、妻のプレゼントは長女が、長女は一人で家から出れないから俺のは次女が置きに来たんだろう。
そしてプレゼントを買ったのは三女。


みんな、それぞれ問題を抱えてるのに…




何年かぶりに、胸が熱くなるのを感じた。




こんな俺でも、娘たちは『父親』だと認めてくれていたのだと…




そして俺の娘たちは、こんなにも優しい子に育ってくれたのだと…






俺は間違ってなかったか?



ちゃんとお前たちの『お父さん』になれていたか?



俺は世界に3人のための、『サンタクロース』になれていたのか?





答えは、全てこの赤い袋につまっている。








どうやら、うちのサンタは世代交代を迎えたらしい。



これから18年間、クリスマスに枕元を見るのが楽しみになりそうだ。




『いい子』にならないとサンタは来てくれないから、とりあえず妻をデートに誘おう。


長女の病気と向き合おう。


次女に、『孫はまだか』と急かしてみよう。


そして、セーターを着て三女に会いに行こう。






きっと、こうしてクリスマスの『愛』と『夢』は、世代を超えて引き継がれていく。



みなさんのクリスマスも素敵な一日になりますように、愛と夢をこめて。

メリークリスマス!

コメント(69)

50票越えしてもらいたい作品ですね指でOK

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