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日記ロワイアルコミュのシャレオツ美容室奮闘記

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ある日突発的に「シャレオツなお店で散髪してみたい!」と思い立った僕は、mixi内でオススメのお店を募集した。するとたった一人だけ本当にオススメのお店を教えて頂き、嬉しさの余りに「これは行かざるを得ないな」と無駄にエネルギーを滾らせ、シャレオツなお店へ挑んだのであった。この物語は、一人の冴えない男が、生まれて初めてシャレオツな美容室でカットをしてもらった奮闘記である。

散髪一つで何を大げさにゴタゴタ抜かしているんだこのハゲは!と皆様は思うかも知れない。しかし待ってくれ。僕はまだハゲていない。確かに遺伝学的及び統計学的に鑑みればハゲる未来が待っているかも知れない。しかしそれは語るべきでは無い。語りたくも無い。そして、少し落ち着いて欲しい。ココで皆様に、僕の散髪遍歴をお伝えせねばなるまい。今回僕がココまで仰々しく抜かすのには訳があるのだ。

皆様に置かれましても、幼少の頃は両親に髪を切ってもらっていた事があると思います。散髪代だって馬鹿にはなりません。ヘアースタイルなんて気にしない子供の頃は、バリカンや、ハサミで適当に切られていた事でしょう。そして、小学校に上がる頃でしょうか、気が付いたら床屋デビューを経験し、中学生の頃から、女子はそのほとんどが美容室に行き、男子でも早い人は中学生から、多くは大学生の頃には美容室デビューを経て、シャレオツカットを手に入れるのです。とにかく「親に髪を切ってもらう」と言うのは、往々にして小学生で卒業する事だと思います。しかし、不肖、わたくし、なっちゅ軍曹におきましては、驚く無かれ、かなり成長するまで美容室デビューはおろか、床屋デビューもしていませんでした。ずっと親に髪を切ってもらっていたのです。それはいつまでか。中学?ノン。高校?ノン。そう、大学まで、僕は父親に髪を切ってもらっていました。僕の床屋デビューは高校卒業後の3月です!それまで外の世界を知らない僕は、床屋・美容室に恐れを抱いていました。閉ざされた空間。見知らぬ人とのトーク。そして、身を委ねる恐怖。シャンプーのタイミングは?ヒゲは剃るの?注文はどう言えばいいの?今まで「親父、髪切って」「おう」の一言で済んでいた事が、立ち行かなくなる。あまりの恐怖に、僕は身を震わせたのです。

そして、地元の美容室デビューを大学2年で経験。そのままその店で切り続ける事、はや4年。今の僕ならもう大丈夫だ。「軽くしてください」「量を減らして下さい」など、髪の長さ以外の注文も難なくこなせる今の僕なら、シャレオツ美容室にだって対応出来るはず!店員に笑われる事無く、オシャレなフリだって出来るはずだ!機は熟した。今日、僕は、シャレオツ美容室でシャレオツヘアーを手に入れる!!!!!!!!!!!!(ビックリマークの数に僕の思い切り具合を感じて下さい)



かくして、マイミクさんに勧められた美容室に行くことにした僕。

そして今回挑む、そのオシャレ美容室のある場所、それは。



表 参 道 !



渋谷・原宿に隣接するシャレオツタウン。その界隈では常に新しいムーブメントが発信され、流行を生み出している。まさに、オシャレの最前線である。しかしそれは同時に、オシャレな者以外足を踏み入れてはいけない、オシャレな者以外は白い目で見られる、少しでも流行遅れな格好をした者は切り捨てられる、まさにオシャレ無法地帯なのである。事実、地方から上京して初めての原宿を経験した大学時代の友人は、その目に見えないプレッシャーに押しつぶされてしまい、わずか2時間で渋谷のアニメイトへ避難。「やっぱりココが一番落ち着くわ」との言葉を残し、そのまま秋葉原へ向かったのである。コレが俗に言う「オシャレ死に」と言う奴だ。まさに弱肉強食。デッド・オア・アライブの世界。恐ろしい。なんと恐ろしい街なのであろうか。

そして、この度紹介してもらったお店はまさに表参道の、それも裏原宿と呼ばれるオシャレストリートのど真ん中に位置する美容室であった。当日の電話予約(散髪で予約をしたのも初めて!)でも快諾してくれる、素晴らしいお店である。電話で対応してくれた爽やかなお兄さんの声を聞き、声からしてオシャレなオーラを漂わせていた。HPで見た店内の写真もオシャレムード満載であり、オシャレな人以外入れない雰囲気を醸し出していた。それら下調べをして、僕は思った。敵は、強い!

そして勿論、入念な身支度をした。寝癖を直し髪を整え(10分)、ヒゲを剃り(5分)、眉毛を整え(5分)、服を選定(30分)、持ち物を準備(10分)と、計1時間にも及ぶ準備を行った。以前お付き合いした御方とデートする時でも、ここまで時間をかけた事は無かった。今回の僕の気合の入り様が伺える。それも当たり前だ。「オシャレ死に」だけは避けなければならない。散髪を目の前に、秋葉原へ逃げる事だけは、ゼッタイにあってはならないのだ。

更に、出発前に忘れ物が無いかも確認する。カギ良し、携帯良し、財布良し、iPod良し、目薬良し、ハンカチ良し、ティッシュ良し、オールクリア!全ての準備が整った(合計1時間10分)。いざ表参道!戦(いくさ)の、始まりだ!!

原宿駅に着いた僕は、早速戦地へと赴いた。駅から徒歩10分。竹下通り、原宿通りを抜けた先にあり、オシャレショップで買い物をした後に立ち寄れる親切設計。休憩も兼ねて散髪、なんて言うのも可能な好立地。さらに、全面ガラス張りの丸見えの店内。まるで「今から更にオシャレになるんですよ」とアピールするかの様な、その超攻撃的な店構えに僕は戦慄を覚えた。お前、あの窓際の席に案内されてみろ、裏原ジュカー(裏原宿に居るシャレオツな人たち)に狙い撃ちされてしまう。超攻撃的と言う事は、つまり守りが甘いと言う事。裏原ジュカーたちに僕がオシャレでは無いと言う事がばれた瞬間、僕の「オシャレ死に」は確実だった。散髪の途中でも秋葉原へ逃げる可能性は否定出来なかった。「オシャレ死に」する前に逃げたい。僕はお店を確認した時、衝動的に逃走を考えた。しかし、予約をしてしまった。今更逃げられるものか。元から退路など無い。この戦、前進あるのみなのだ。

「3時から予約したなっちゅですが」

僕は開口一番、笑顔で投げかけた。AWAYでの戦いは、先制攻撃あるのみだ。はっきりとした口調で、さも「美容室とか良く行くし。めっちゃ慣れてるし」と言わんばかりの自然な言葉選びをした。完璧だ。これなら僕がオシャレじゃ無い事もばれないだろう。正体を見破られてはいけない。今日は表参道を騙すのだ。そんな見えないプレッシャーと戦う僕。対応してくれた受付の女性はとても可愛く、そしてオシャレだった。瞬間、まるで僕を値踏みするかの様に視線を這わせる。これは、オシャレチェックなのか!?これが表参道の洗礼なのか!?なんと恐ろしい街だろうか!?再び戦慄が走った。動揺を悟られまいとする僕に、女性は笑顔で言葉を投げかけた。



「じゃあ、上着と荷物をお預かりします^^」



なっちゅ軍曹に、電撃走る。

これは…荷物チェックなのか!?
なんと言う事か。服装だけで無く、荷物までチェックするのか。コレが裏原宿!これが表参道!僕の荷物の中にはビジネス雑誌「プレジデント」(ほとんど読んで無い)やティッシュ(キャバクラ案内入り)など、まるでオシャレから程遠いアイテムが入っていた。さすが超攻撃的な店構えをするだけあって、超攻撃的な店員だ。これは、激しい戦になりそうだぜ。僕は動揺を隠せないまま、上着と荷物を店員さんに預けた。 そしてさらに、女性の猛攻は続いた。



「あちらの席で、こちらのカルテにご記入下さい^^」



なっちゅ軍曹に、電撃走る。

カルテ…だと?
カルテって。お前、コレはどう見てもタダのアンケートじゃないか。それをカルテって。さすが裏原宿!さすが表参道!小さなアイテムの名称一つとっても、どこかオシャレが佇んでいる。と言うか、髪切るのにアンケートとか初めてだよ。これが普通なのだろうか。まぁ良い。こんなものはちゃちゃっと終わらせてしまおう。どらどら。



「いままでご利用のサロンはどこですか?」



なっちゅ軍曹に、電g(以下略)

サロン…だと?
サロンって。そんなオシャレな名称を掲げているところに行った事、生まれてこの方一度も無いよ。地元の美容室の名前なんて、恥ずかしくて書けない。その瞬間、「オシャレ死に」する可能性がある。というか、何、このオシャレな美容室に行った事がある前提のカルテ(?)は。美容室に行った事の無い人はどうすればいいの?そんなのって、優しくないよ。流石表参道。僕にちっとも優しくない。一瞬の逡巡の後、僕は、涙を飲んで、「友人」と記入した。そして脳内でイメージした。

店員さん「これ。『友人』ってあるんですが?」

僕「あぁ、僕の友達に美容師目指している人が居るんで、そいつに切ってもらってるんですよ^^」

完璧だ。パーフェクトだ。僕は、自分のあまりの機転の利きっぷりに身震いを覚えた。負けていない。まだ、僕は表参道に負けていない。 この調子ですべてのアンケートに答えていこう。



「この店に期待することは何ですか?」

「逆にして欲しくない事は何ですか?」



なっちゅ軍曹に、でn(略)

立て続けの攻撃に、僕は打ちのめされた。期待する事も何も、こんなオシャレな美容室に初めて来た僕は勝手が分からない。何も知らない状態で期待する事を書いて、ボロが出ないだろうか。「シャンプーは綺麗なお姉さんが良いです^^」とか書いて良いのだろうか。いや、それは余りにオシャレじゃない。もっとスマートな事を書かなければいけない気がする。しかし僕はスマートでは無い。くっ…僕はどうすれば…。(本当に何も思い浮かばなかったので、「特になし」って書きました)

アンケート一つで疲弊しきった僕。待合室で水を飲み、一息入れた。すると、指名した人が来た。紹介してくれたマイミクさんオススメの人だった。



店員さん「今日はどんな感じにしますか?」

僕「あ、えっと、オススメで」

店員さん「え?」

僕「あ!違う!おまかせで!」

店員さん「おまかせですか(嘲笑)」

僕「はは(笑)おまかせです」



動揺。それはミスを誘う悪魔である。度重なる連打に疲弊し切った僕は、初歩的なところでミスを犯した。思い切って言おうと考えていた「カッコよくして下さい」も言えず、咄嗟に「おまかせで」と言おうとしたところ、まさかの痛恨のミス。「オススメで」って。寿司屋じゃ無いんだから。

その後、シャンプーは受付の可愛い店員さんがやってくれたので幾分回復した。やっぱりシャンプーは女性にやってもらうのに限るよね!僕は強くそう思うよ。そう言えば「痒いところありませんか?」って聞かれなかった。オシャレ美容室では聞かないのだろうか。

シャンプーが終わった僕は、席に案内された。アクシデントはあったものの、まだ大丈夫だ。僕はまだ、このオシャレスポットに馴染んでいる。この戦い、もらったな。そんな安心感を抱いていた僕に、店員さんは言った。



「あの奥の窓際の席へどうぞ^^」



なっちゅ軍曹に(略)

窓際。それは裏原宿を見下ろせる、超攻撃的なスポット。しかし同時に、万人に姿を晒す、守りゼロの場所でもあった。そんな席に案内された僕。窓の外を見下ろすと、買い物中のオシャレ裏原ジュカーが跋扈していた。戦慄。それ以外、この瞬間を表す言葉を僕は知らない。



「それじゃあマッサージしますね」



動揺と緊張の中で、マッサージをされる僕。美容室でマッサージされたのも、この時が初めてである。というか、なんでマッサージ?そりゃすごく気持ちよかったけど、なんで僕は美容室で肩を揉まれているのだろうか。散髪と何か関係があるのだろうか。混乱を極める僕の頭では、もう何も考えられなかった。



「では、カットさせて頂きますね」



この超AWAY感の中、有無を言わさずにカットが始まった。僕は動揺を隠せないまま、身を委ねるしか無かった。下を見ると、シャレオツな若者が僕を見ている様な気がした。僕は何故か決め顔をした。僕の中で精いっぱいの決め顔をした。気の抜けた顔をした瞬間、「オシャレ死に」する気がしたのだ。この戦い、一瞬も気が抜けなかった。

カットは滞りなく続いた。店員さんとのトークも、特に問題は無かった。そこは大学2年の時から鍛えられている。当たり障りのないトークは習得済みだ。

結果、1時間程でカットを終えた。僕は「オシャレ死に」する事無く、カットを終えたのだ。勝った。戦いに勝ったのだ。鏡に映る僕は憔悴し切った顔をしていた。しかし、確かに今までに無い髪形にされていた。フワフワだった。髪の量の多い僕は、いつもぺったりとした髪型だったが、若者風なフワフワスタイルになっていた。店員さんにセットしてもらった髪形は、とても決まっていた。裏原宿を歩いても、何ら違和感の無い、シャレオツヘアーだった。

さらに、髪質や髪の量から色々とヘアスタイルについてアドバイスを頂き、紹介と言う事で20%安くしてくれた。サービスも行き届いており、そのプロフェッショナルな姿勢に僕はいたく感銘を受けた。シャレオツ美容室は、ただシャレオツなだけでは無く、お客の事をしっかり考えている美容室だった。

カットを終えた僕は、一人裏原宿の街を歩いた。ショーウィンドウに映る僕の姿を見て、僕は背筋を伸ばした。今まで髪型にコンプレックスを抱いていた僕は、少しだけ、自信を持てた気がした。



以上がシャレオツ美容室に初めて行った時の奮闘記である。今でもたまに、この美容室は利用している。正直、面白半分で行った美容室だったけど、すっかりリピーターと化している。気分を変えたい時、自信が無くなった時など、ここでカットをしてもらうと、少し元気になるのだ。散髪に対して、それまで「髪を切る」事以外に意味を見い出せなかった僕だけど、今回の事で「精神面でプラスの働きがある」ことを知った。髪型一つで、人は変わるのだ。シャレオツ美容室で、僕は、そんな事を学んだ。

この日記が、シャレオツ美容室未経験者の役に立つ事を願って。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

コメント(70)

元美容師ですが…勉強になりました 一票
途中、『オシャレ』って言っちゃってる


一票
裏原ジュカーと寿司屋がツボでした一票w
トピ主さんの巧みな言い回しが面白かったです。
一票です。

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