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日記ロワイアルコミュのある指輪のはなし。

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初投稿です。※若干の下ネタ有り。


これは、一つの指輪の話だ。

僕が中学生の頃、毎日のように通る学校への通学路にその指輪はあった。

僕は、のん気に鼻歌なんかうたいながら、今日行われる、席替えで、可愛い子の隣になることを期待しながら歩いていた。

前方に、光るものがみえた。

それは、当時の僕の目からみてもそんなに高価なものではないような感じの指輪だった。

僕はとりあえずその指輪を拾い、この指輪がもしかしたら、今日隣になった子の指輪で、
「これ、君の?」
「あ、私のだ。拾ってくれたんだね。ありがとう。お礼したいから今日の放課後、体育館の倉庫に来てくれない?」
なーんて、甘い誘惑が待ち構えているのではないかと、期待に胸と股間を膨らませ、にやにやしながら学校に向かった。

席替えの結果は最悪だった。

隣には、二組のジャイ子、四組の花沢さん、と並び称されるうちの一人、そう、なにを隠そう?二組のジャイ子?だった。

僕はもう指輪を拾ったときにどうしてあんなに未来に希望を持てたのか不思議なくらいに絶望的な一日を過ごした。

指輪は、内側に綺麗な石が入っていて、なんか捨てることができず、部屋の隅に置いておいた。

時は流れ、暇があれば、女の子の裸のことしか考えていなかった中二病の僕にも、彼女ができた。
彼女とは、大学生のとき、中学の同窓会で再開してから、意気投合し、そのまま付き合う運びとなった。

その彼女はといえば、西中に高倉みなみ有りと言われたほどの、みんなのアイドルだ。

そして、僕にはもったいないくらいの素敵な女性になっていた。

僕は、友達に協力してもらい、なんとか彼女のハートを掴んだのだ(どんな風にしたかは、また今度機会かあったら話そうと思う)。


とにかく僕は彼女のことを、全力で愛した。

少年のような心で全力で、愛していた。

そう。言わば、全力少年だった。

いや、全力オオカミさんだった。


彼女は入院がちの母と2人で暮らしているらしく、母親が入院しているときは、僕の家で暮らした。


全力オオカミさんは、みなみちゃんと何度も枕を交わした。


それは、見事に美女と野獣であった。



……………………………………………………


「捨てなくたって良かったのに…」

私は昨日の夜のことを後悔した。

父親が買ってきた、誕生日プレゼント。

子供っぽい指輪。

私は指輪をベランダの外に捨てた。

「お父さんなんて、何もわかってない!」

私は家に帰ってきて、お酒を飲んで、下着でウロウロする、父が嫌いだった。

でもその日、
父はいつも飲んでるお酒を飲まなかった…。


それから、一年後、父が他界する。46歳という若さだった。

父はガンだったのだ。

数年前から闘病していた。

小さくなる父の身体に異変をかんじていたものの、「ダイエット中なんだ。」何て言われて真にうけていた。

中学の卒業式を終え、真新しい制服を着た私は、父の葬儀の間、どうして父も母も私になにも言ってくれなかったのかと、二重の悲しみを感じていた。


………………………………………………………


「あの人はねぇ、不器用な人なのよ」

僕は彼女のお母さんに会うため、病院に来ていた。

実は、彼女との結婚の承諾を得るためにやってきたのだった。

彼女は後からやってくる予定だ。



彼女のお母さんはずっと、僕に旦那さんの話をしていた。

話は、娘の中学時代の話になった。

「あの子ねぇ、中学生の頃、一生懸命勉強してたのよ。?私はお金もちになるんだ?って。うち貧乏だったからねぇ。娘にも何も買ってあげられなくてねぇ。あの子必死に勉強してるもんだから、あの人、?娘には心配かけないんだ?って、病気の事も言わずに、必死に働いてたわ。そのストレスをお酒でごまかして…。」

「そうでしたか。海花(みなみちゃん本名)は、なんで私に言ってくれなかったのかって、悩んでいたそうです。」

「そう…。
そういえばね、お父さんが、あの子に誕生日プレゼントを買ったことがあったのよ。亡くなる一年前の誕生日ね。あの人、誕生石なんかしらべちゃって、指輪を見せながら、?アクアマリンは海って意味があるんだぞ。海花にぴったりだな?なんて、笑って話してたわ。」

「指輪?卒業式の一年前?」

僕はそのとき、運命を感じた。

「お母さん、アクアマリンて、何色ですか?」

「水色よ」

そこに、海花がやってくる。

「ちょっと待ってて!」

僕は勢いよく病室の外に出た。


「どうしたのかしら?」

僕は自宅へと駆け出した。


押入れを探す。


僕は二つの指輪を持って、運命の人のところへ急いだ。


そうだった。これは、二つの指輪のはなしだ。

コメント(125)

えぇ!?そんなうまい話あるん!?げっそり
凄い…続きが気になる〜あせあせ(飛び散る汗)

でも1票ぴかぴか(新しい)

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