ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

日記ロワイアルコミュの強くてニューゲーム

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「おいおい…雨かよ…」

電車の窓を叩く音を聞き、心の中で呟いた。

駅を降りて駐輪場へ向かい、バイクに積んである雨ガッパを取り出した。

「ついてねぇな…」

カッパを着ながらそう呟く。

そして今ではすっかり街で見かけなくなった愛車のNSR250に跨がり、エンジンを掛けた。

「2スト独特の音が雨雲を切り裂きゃいいのに…」

そんな事を考えながら家路を辿る。

今年で30を迎えるオレは家に帰っても『ただいま』を言える相手もない、しがない独身者だ。

国道を走り、いつものコンビニで弁当を買い、風呂に入って寝るだけ。

同じルーチンを繰り返す、面白味のない人生だ。

その日も、そのルーチンを繰り返すはずだった。



快適に国道を走っていると、前方の車が左折しようとしていた。

オレは右側から追い越そうと、愛車をセンターラインの方へ移動させた。

すると対抗車線を走っていた車も同じくセンターラインの方へ。

「あ、ヤベェ!」

オレは咄嗟にブレーキを握った。

が、路面が雨で濡れていたため、バイクはスリップし、オレはアスファルトに叩きつけられた。

地面、街灯、地面、街灯。

オレの見た景色はその繰り返しだった。


が、頭の中では違う光景が映っていた。

『子供の頃に自転車で遠出した街の景色』とか『遠足で行った川』とか。

何故か今ではすっかり忘れていた『昔のヒット曲』とか。

「そうか…これが走馬灯ってヤツか…」

スローモーションの世界の中でそう思った。











「北やん!?北やん!?」


ん?誰だ…その懐かしいアダ名でオレを呼ぶのは…

目を開けると『やまこ』がそこにいた。

「うお!やまこ!?お前どうしてん!?子供やんけ!」

「は?北やん何言うてんねん…オレらまだ中3やん。」

え…どういうことだ?ここはいわゆる『死後の世界』なのか?

「いや、オレ、バイクに乗ってて、事故って目が覚めたらここにおんねんけど…」

「は?何言ってんの?オレらまだ中3やし、免許もバイク買う金もないやん!」
やまこはそう言って、サッカーボールを追い掛けて行った。





ふと辺りを見渡すと、確かに思い出の詰まった公園のベンチにいた。

小、中学生の頃にずっと遊んでいた公園だった。


やまこの他に『かっつん』『コバ』『酒井』『スガちゃん』『トオル』『ケンジ』など、中学の頃の友達がサッカーをしていた。

オレはいわゆる『タイムスリップ』をしたのだろうか?

しかもこれから先の記憶を持っている状態で。


これって『強くてニューゲーム』ってヤツじゃないか?と思った。

「よし!オレはオレの人生をやり直してやる!」

そう叫んで、サッカーボールを追い掛け回した。





『見た目は子供。頭脳は大人』の名探偵コナン状態のオレは、テストでは高得点を叩き出し、当時のドラマの展開を予言して的中させるなどで一躍人気者となった。


バイクで事故る人生にはなかった『モテ期』がやって来た。

そこでオレは初恋の相手『ユミちゃん』に告白することを決意した。


あの頃は高嶺の花だったユミちゃんに告白すると、簡単にOKが出た。

そこからはトントン拍子で進んでいき、高校も男子校ではなく共学に進んで、楽しく過ごし、大学もキャンパスライフを堪能した。

就職も大手TV局に決まり、当たり番組の企画をバンバン通し、競馬の当たり馬券を的中させまくり、金も手に入れ、ついに初恋の相手ユミちゃんにプロポーズをする。




答えはもちろんOKだ。




今では、大好きな嫁と二人の子供に囲まれ、何不自由なく暮らしている。


ふと気付くと、オレは事故を起こした年齢になっていた。
そして、事故を起こしたあの日がやって来た。

車で愛する家族の待っている家に向かっていると、前を走っていた車が左折しようとしていた。
オレはその車を右側から追い越そうと、愛車をセンターラインの方へ移動させた。

すると対抗車線を走っていたバイクもセンターラインの方へ。

急いでブレーキを掛け、ハンドルを切った。バイクとの正面衝突は避けれたが、オレは電柱に突っ込んだ。
またも走馬灯が頭を過った。

目を覚ますと、病院のベッドの上だった。

どうやら今回はタイムスリップをしてないようだ。

ベッド横には愛する初恋の相手と愛する我が子が泣いていた。

「泣くなよ。オレ、助かったんだから…」

「よかった…本当によかった…」

ユミちゃんはボロボロ泣いていた。

「ユミ…愛してるよ。」

そう言うとユミちゃんは更に泣いた。

「私も…愛してるよ…」

涙声を振り絞って彼女は言った。

オレもボロボロ泣いた。







っていう妄想をしてマジでオレも泣いた。

コメント(83)

妄想って素敵だよね電球
妄想族バンザイ\(^O^)/
一票

ログインすると、残り53件のコメントが見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

日記ロワイアル 更新情報

日記ロワイアルのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。