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日記ロワイアルコミュのダウン社会。

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マイミクtaku弥の日記を推薦します















『ありがとう』と『ごめんなさい』
が言えない人。

幼い頃から俺はその類の人間です。
勿論全く言わないわけではありませんが、
俺のその発言は普通の人と比較すると、
半分程度だと思います。
これを読んでいる人の中にもいるでしょう。
また、そのような人が周囲に存在していたり。

きっと何かそれぞれ理由があるのでしょう。
照れがあったり、意地をはっていたり。


俺の場合はもっと簡単なことです。
その言葉の意を深く考えると、
そう言われることが嫌いになっただけです。













これは今日の出来事です。




俺の家の近くに薬局があり、
そこではカップラーメンが78円で売っている。
腹減ったし、散歩がてらに買いに行った。


薬局の隣には小さなスーパーがある。
火曜日は卵が安いスーパーだ。
そのスーパーの外に自販がある。
自販のつり銭のとこに指を突っ込む1人の人間。
大きなショルダーバックを肩にかけ、
深々とキャップをかぶっている人間。




おいおいおいおいおい・・・。
今や小学生でもしないぞ・・・。
そう思いながら薬局に入り、カップラーメンを買った。
店から出て自販を見ると、まだやってる・・・。



おいおいおいおいいおい・・・。
なんなんだ?
そんなにいじったって無いもんは無いぞ・・・。
何探してんだ?
夢か?希望か?あの頃の自分か?







面でも拝んでやろうと思い、自販の近くに行った。
するとそいつはつり銭のとこに指を入れてるのではなく、
ジュースが落ちてくるところに手を入れていた。



おいおいおいおいおいおいおいおい・・・。
こりゃ重傷か?末期か?
そっから手入れて取れるくらいなら、
自販機一台一台に警備員導入だっつーの!!
そしたら自動販売機の意味無ぇっつーの!!
警備員がジュースの販売しろっつーの!!




こういう痛い奴はシカトに限る。
そう思った時、そいつは俺のほうを振り返った。



まさしくダウン症候群だった。


ダウン症候群というのは目が小さかったり、
つりあがってたり、アゴが出てたり、
知的障害者によくある顔つきだ。

歳は30歳くらいだろうか。




そいつはカツゼツが悪い口調で、
俺に話しかけてきた。

「すいません。
 僕取られないようにここで見張ってるから、
 お店の人呼んできてください。」



はぁ?
取られないように見張ってる?
店の人呼ぶ?


俺はそいつの側に行き、
「あんた何言ってんだ?」
と聞くと、そいつは
「取れない・・・」
と言う。

「当たり前だろ。
 金入れないと出てこない仕組みになってんだよ!」

「お金入れたんだけど。」



よく見るとジュースは確かに出ているが、
缶が横じゃなく縦になってしまっているので、
確かに取りづらい形になっている。

俺は笑いながら言った。

「あ〜あ〜
 こりゃ厄介だなぁ
 こうなったらな、一回横にすんだよ。
 ってかあんたずっとこれに苦戦してたんか!?」



俺が簡単に取るとそいつは「凄い!」とか言いながら
かなり感動していた。
お礼にジュースを奢ってくれると言う。
俺は一切の遠慮をせず、

「んじゃコーラ!!」

コーラを買ってもらった。







2人でその場で缶を開け・・・ 無言。
そいつは「それじゃ」って帰る気配はないし、
別に大したことしてないのに、ノリで
「んじゃコーラ!!」とか言った俺が
「それじゃ」と去っていくのも何か引っかかる・・・。


ん〜 どうしよう。
かといって無言もなんかイヤだし・・・。



そう思った俺は、
「歳はいくつ?」
そう聞いた。


「19歳」

「マジ!? 老けてんな!!」

反射的に出たその言葉と、
俺の異常なまでのリアクションが面白かったらしく、
そいつは笑いながら「ごめん」と言ってきた。

俺も笑いながら、
「いや別に謝ることじゃねーだろ〜。
 ってかお前どっか行く途中じゃねーの?」

「僕は学校の帰り。」

「学校? 学校行ってんのか?」

「向こうにあるよ バス乗って行ったりする。」




ここは確かによく障害者のバスが通る。
方向的にもおそらくこいつは何かの施設のことを
学校と呼んでいるのだろう。
まぁでも自分が学校と思ったらそこはもう学校だ。
俺がアパートをアジトと呼ぶことと同じだ。










名前を聞こうとしたが聞いたところで呼び方に困るので、
「おまえ、好きなものはなんだ?」
と聞いた。

「好きな食べ物?」

「食べ物でもなんでもいいぞ!!」

「じゃあ春が好き。」

「なるほどね。春はいいよねってオイ!!このヤロ!!
 今確実に好きな食べ物言うスタンスだったじゃねーか!
 おまえその技どこで覚えた!?
 面白すぎるじゃねーか!!
 しかも春て!! メルヘン気分にもほどがある!!」


そう突っ込んだら笑ってた。


「んじゃおまえはハルね。
 俺のことはタックンと呼べ。」


そしてハルとそこでいろいろ話した。
結構笑う奴で、ときどき天才か?
と思うこともしばしば。
悪いのはカツゼツと顔くらいで、
頭と記憶力はハルのほうが良かった。


しりとりしようとか言い出して、
馬鹿みたいな言葉を言ったり、
全部『る』で返したりすると、
ハルはそのつど笑っていた。



ハルは『差別』という言葉を知っていた。
前に俺が日記で書いたイジメと差別の話をしたら、
笑いながら「よく分からない」と言っていた。








俺は散歩がてらにハルを家の近くまで送ることにした。
その途中に公園があったので2人で入った。
小学生が数人いた。
俺達が公園に入ってすぐどこかに行ってしまった。


ブランコに乗ったのは何年ぶりだったろうか。
ハルも小さい頃から乗っていないらしい。
俺は本気ブランコ。
24歳本気ブランコ。
そのまま1回転してやると言わんばかりに本気。
それを見てハルも本気。
まぁでもブランコは俺の勝ちだな。
ハル全然乗れてねーもん。




さてと、ぼちぼち恋愛話に華を咲かせますかぁ
と思い、公園でハルに聞いた。
「ハル好きな人とかいるの?」

「1人いる。」

「当たり前だバカタレ!!
 幼稚園児じゃねーんだから2人もいらねーぞ!!」

「でも前は2人いた。」

「おまえはギャル男かい・・・。
 んで? どんな子なの?」

「普通の子」

「普通じゃわかんねーだろ
 詳しく言いなさい。」

「タックンみたいに普通の子」









最初の『普通の子』の時点で少し分かってたけどね。
ったく・・・。
恋愛ってのは困ったもんだ。



話を聞くとハルの学校の先生なんだってさ。


俺はハルに世の中に普通の人間はいないことを話した。
俺もハルもさっきまでここで遊んでた小学生も。
でもそれが人間なんだってことも話した。
俺もハルもさっきまでここで遊んでた小学生も。




「しっかし学校の先生とはねぇ〜
 ハルもなかなかやり手だねぇ〜
 まぁでもフラれるだろうね。
 学校の先生を好きになって成功した例なんて
 日本中さがしてもかなり少ないよ。
 ましてや女の先生に惚れて成功した例は少ないと思うぞ。」


ハルは「頑張る!!」と言っていた。








俺は昔、訳あって病院に通っていた時があった。
知り合いのおばさんが、
いつも自分の娘のお見舞いに来ていて、
おばさんとも娘さんともよく話した。
娘さんは20歳で、とても綺麗な人だったが、
何かの病気で歩けないらしく、車椅子だった。


俺はその子に告白された。
俺には好きな彼女がいたので断った。


でもその子はずっと自分の足のせいにしていた。
俺がいくらなんと言おうと足のせい。
その時俺は19歳くらいでした。
恋愛の『れ』の字もしらない19歳でした。




その話もハルにした。
どこまで理解したのかは分からないが、
ハルは少しボーっとして、
「頑張らなくちゃ」
と言った。





なんか分からないけど、
ハルは凄い人間です。





束縛とか嫉妬とかいう言葉を
ハルは知らなかった。





世の中でやっていける人間と
やっていけない人間がいたら、
世の中とは何か?

とかそんなことまで考えてしまいそうだ。










少し暗くなってきたからハルを家の近くまで送った。

「ほいじゃ〜な」

そう言ってもハルはなかなか帰らない。

「お前のそのバック何入ってんの?」
大きなショルダーバックを指差して聞いた。

「いろいろ。」

「紙と鉛筆ある?」

「ある。」


ノートとHBの短い鉛筆を借りた。


「ハル携帯持ってる?」

「携帯電話のこと?持ってない。」

「んじゃこのノートの一番後に
 俺の携帯電話の番号書いとくから
 基本的に出ないけど、
 何かあったら電話して来い。
 用も無ぇのに掛けてくんなよ。
 俺も結構忙しいんだからよ。」


ノートと鉛筆を返すとハルはこう言った。
「またブランコしようね。」

「おまえは小学生かバカタレ!!
 次はもっと面白いことさせてやるよ。」


ハルは変な走り方で家に帰って行った。
















そしてさっきハルから電話がかかってきた。

「ハルです。」

「テメーさっそく掛けてきやがったな!!
 用件はなんじゃ?」

「今日はありがとう。」

「はぁ? そんだけ?」

「うん それだけ。
 何日かしたらまた掛けるから
 電話出れたらでてね。」



そう言って勝手に電話切りやがった。
ありゃきっと緊張してたな。
携帯に掛けるの初めてか?
いやに早口だったしな。







しっかしアレだな。
『ありがとう』ってのも悪くないな。






コメント(1000)

すげー頭いい!
主もたっくんも。

普通って何よ?って思うそのセンス、大切にしていただきたい。
主みたいな人が増えると差別とか死語になると思うんだ。


とゆわけでたっくんと主に一票!
このコミュ初めて参加…私も一票です手(パー)

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